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英雄譚はいつも紅に染まる  作者: パン定食
部活に入ろう!
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部活に入ろう!

 翌日の午後、その日の最後の授業は『魔物(モンスター)学』だった。

 教壇につくのは二メートルを超える体躯に筋骨隆々、立派な口髭を貯えた男性、ギガンストス・イェーガーである。

 見た目のいかつさとは裏腹に世界に三十人しかいない『賢者(ヴァイスハイト)』の称号を持つ賢人で、学園の生徒に魔物学、薬草学、アイテム学、それ以外にも様々な戦術や陣形、兵法など様々な学問を一人で教えているのだ。

 物腰も柔らかく紳士的で生徒、教員からも信頼を寄せられており、特に一部の筋肉(マッチョ)フェチからは絶大な人気を誇っている教員だった。

 そのギガンストスによる授業もそろそろ終わろうとしていた頃。


「それでは、本日の授業はこれまでですな……最後に一つお知らせが届いております。上級生が返ってきたということで今まで保留にしていた部活動についてのお話です」


 「部活動」という言葉に教室内が多少ざわめく。


「部活動といってもここは兵士を育てるための教育機関。スポーツや文化活動をするものではありませんぞ。明日、授業が終わった後に格闘、武具鍛錬、魔術、アイテム開発の四つのうちから一つ選んでもらい、どこかの部に従事してもらいます。」

「つまり授業以外で自分が伸ばしたい分野を選んでさらに強くなろうってことなのかな?」


 ヨハンナが小さく手を上げ質問をする。


「その通り。もちろんそれぞれに我々教員も顧問として指導にあたるので心配はいりませんぞ。明日からさっそく取り組みを行うので今日中にどの部活に入るか各々考えておくように。何か質問はありますか?」


モモが手を上げ質問をする。


「その部活動って上級生も参加してるんですよね? 誰がどこに入ってるかわかりますか?」

「ふむ……まぁ教えても支障はないでしょう。格闘にはローレム、指導にはミコト先生があたります。武具にはアスカ、クレイブス。魔術にはミーヤ、シンシア。アイテムにはモエとこの私が指導にあたります。このようにきれいに分散されておりますよ。誰か気になる先輩でもいるのですかな?」

「ええ、まぁそんなとこです」


 そう歯切れ悪く返すモモの横顔を、リズは物憂げな表情で見つめていた。

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