忍者
モモも他の仲間たちと同じように見知らぬ襲撃者と出会っていた。
黒い長い髪を後ろで一つに束ね、一目で異国の服だとわかる衣装に身を包んだ少女。腰帯には鞘が携えられていたが、見慣れた剣とは形状が違うものだった。
その少女が言葉を発する。
「あなたが学園に忍び込んだ賊ですか? 悪いことは言いません。速やかに出ていくというのなら見逃してあげましょう」
「賊?何のことを言ってるのかわからないんだけど……」
「しらばっくれるのであれば致し方ありませんね。少々痛い目にあうことになりますよ」
少女は腰の剣に手をかけ腰を低くし構える。
「うーん、何のことかよくわからないけど、そっちがその気ならわたしも吝かではないよ」
モモも巨剣を構え応じると、少女は軽くため息をついた。
「ふぅ、仕方ありませんね……」
そしてモモと少女はしばらく対峙すると、お互いに地面を蹴った。
「誰だ!! 姿を見せやがれ!!」
アナは手裏剣が飛んできた方向に向かい叫んでいた。
「あはは、勘がいいね」
笑いながら木の上に姿を表したのは小柄な少女だった。
首元はストールを巻き隠しているが、豊満な胸元を隠すこともせず大きく開いた服と、惜しげもなく太ももを露わにしている短いスカート。
その服装を見ても一目で異国の少女だとわかる。
「お前、敵か? なんであたしたちを襲った?」
「はっはー、その通り! あーしは魔王軍の者だ、名はモエ・トウゴウ! お前たちを殺しに来た!」
「魔王軍? どう見ても女の子にしかみえないけど……」
リズの言葉にモエは指を左右に振る。
「ちっちっ、甘いなあんた。いくら見た目かわいい美少女でも姿を化かしてる可能性だってあるのだよ」
「そっか、魔王軍を名乗ってる以上放ってはおけないよねぇ」
「ああ、リズ。とっちめてやろうぜ!」
リズとアナは戦うために武器を構えると、モエは木の上から降り一気に距離を詰めてきた。
「二人同時に相手をする気か!?」
「もっちろん。あーしを止められると思わないでね」
格闘で二人に挑むとアナが蹴り飛ばされてしまう。リズは持ち前の回避技で攻撃を避け続ける。
「あんた、なかなかやるねぇ。でもこれはどうかな?火遁・火息」
モエは口をぷくっと膨らませると火を噴いた。いきなりの攻撃で面食らったリズだが盾に身を隠し炎をやり過ごす。
「魔法? 火属性か?」
「残念……魔法って概念自体があーしにはないんだなぁ……土遁・砂縛」
モエが地面に手を置くと砂が舞い上がり、リズの身体にまとわりつき動きを拘束してしまう。
「くっ、動けない……なんでふたつの属性が!?」
「だから魔法じゃないんだよ。これは忍術、あーしは『忍者』なのさ」




