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英雄譚はいつも紅に染まる  作者: パン定食
ヴァーロでの戦い
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ソードマスター

 ヴァーロでの戦闘から一週間が経ち、リズ達はカシシュミナ学園に戻り鍛錬に励んでいた。


 学園のグラウンドの真っただ中で()()教員である武具達人(ソードマスター)のクレイブス・バーナーの元でそれぞれの武器を活かした訓練の真っ最中である。クレイブス一人 対 生徒一同による対決形式の演習だ。


 金髪で青い目、身長は男性の平均よりは少し下に見える。年はもうすぐ四十になるらしいが、見た目はずっと若く顎に切り揃えた髭さえなければ少年のようにさえ見えそうだ。その男は屈託のない笑顔を浮かべている。


「ほらほら、攻撃が単調になってるぞ」


 クレイブスは斧を振りかぶり攻撃を仕掛けていたウルの頭をその辺で拾った枝きれで軽く叩く。その隙を狙いアナの両手に持ったナイフが光り、回転し二連撃を決めるがそれも軽くいなされ、更に飛んでくるルルティアの矢も払い落し、薙ぎ払われるコリンの棍棒もかわし、枝きれで兜に守られた頭をまるで剣を振るうように鋭く叩いた。

 するとどんな攻撃にも耐えるコリンがふらつき尻もちをついてしまった。ソードマスターの職業(ジョブ)は伊達ではないようで、枝ですら凶器としてしまう。


「おおおっ、頭がくらくらしますぞ……」


 続いてリズとモモが挟み撃ちで攻撃を仕掛ける。

 モモがリズもろとも斬りつけんばかりの攻撃をし、リズはそれを回避しながらもクレイブスに攻撃を仕掛けていた。クレイブスはその猛攻にさすがに焦りをみせた。


「おおっと、こりゃ遊んでる余裕はないね」


 クレイブスはその攻撃をスルリと抜けるとモモの胴を枝きれでなぞる。


「よし、ここまでにしようか」


 そういった直後にガルシアの鞭が背中にヒットしてしまう。


「おふぅ!」

「あっ、ごめん……大丈夫ですか?」


 すぐさま謝るガルシアに対し、笑顔でサムズアップをしてみせるクレイブス。


「いいさ、君みたいなかわいい子の愛の鞭なら大歓迎さ」

「クレイブス―?」


 クレイブスは自身の名前を呼ばれギクリとする。その名を呼んだのはシンシアだった。


「生徒に色目使ったら、どうなるかわかっているわよね?」


 笑顔を浮かべてはいるが、すごい圧を放ってくる。


「ちょっと冗談を言っただけじゃないか。そう目くじらたてるなよシンシア」

「若い娘を見るとすぐ鼻の穴膨らませるくせに……今までにも同じ(パーティー)の娘に手を出してきたでしょ!うちの生徒に手を出したら切り落としてあげますからね」

「ふふ、それは遠回しにやきもちを焼いているのかな?」

「わーうざい。ほんとうにねじりきってやろうかしら?」


 お互い古い知り合いなのかなんだかんだで仲がいいようにも見える。


「生徒たちの技術アップのために呼んだんですからね。あなたが粗相をしたら私が恥をかくのよ!」

「わかってるさ、シンシア……それじゃあ早速続きの訓練をしようか。先ほどと同じように俺とみんなの対決だ。でも次はグラウンドではなく森に入って行うぞ。障害物がある中での戦闘にも慣れておかないとな」


 


 生徒たちは森の中に散り散りにばらけると、クレイブスを探し始めた。


 うっそうと緑が生い茂る森の中、リズは歩を進めていると誰かの気配を感じる。

慎重に、音をたてないようにその気配をたどり進んでゆくと、茂みの中から頭に大きなリボンを付けた少女が飛び出してくる。


「なんだ、アナか……びっくりさせないでよ」

「いやー、ごめんごめん。あのせんせー相手だと奇襲ぐらいしないとね」


 リズとアナが出会ったその時、木の上から放たれるものがあった。それは回転しリズに向かい飛来してくるが、とっさに盾を構えその飛来物を防ぐ。

 地面に落ちたその四つ刃の黒い飛来物は東方の武器、手裏剣と呼ばれるものだった。

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