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英雄譚はいつも紅に染まる  作者: パン定食
ヴァーロでの戦い
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ヴァーロ開戦

 ヴァーロに向かうガタガタと揺れる馬車の中、一同は武器を磨いたり、装備品を確かめたりと入念な準備をしていた。


「ヴァーロってどんなところなのだ?」

「ああ、そこそこ大きな港街で一万二千人、そのうち国と街の兵士は合わせて八百人だ。水道や下水の設備が整ってたり文明レベルも高い。貿易が盛んでここが壊滅されたらダメージはでかい、絶対死守を心掛けてくれ」

「他にも傭兵やら兵団も来ておるのかのう? それと魔物の数もわかっとったら知りたいのだが?」

「うーん、そのあたりの情報はないな……」

「正確な情報は現地についてからか……やりにくいですのう」

「わかっているのは魔物の大群は海から攻めてきているらしいってことだけだ。このまま馬車で沿岸部まで行くぞ」


 ミコトたちが情報の確認を行っていると潮の香りが鼻をついた。


「そろそろだな」


 小高い丘の上を走る馬車からも街の様子が視認できた。

街を取り囲む壁が沿岸部にも続いており、その中に建物が並んでいた。街からは火の手が上がっておらず、まだ本格的な戦闘は始まっていないようだった。




「カシシュミナの生徒さんたちですか? わたしはこの町の自衛団副隊長のオーリンと申します」


 沿岸部につくとヴァーロの自衛団と国の兵士、それといくつかの傭兵団がすでに魔物の襲撃に備え陣をはっており、やたらと低姿勢で腰の低いちょび髭を生やした男が出迎えてくれた。


「オーリンさん、今の状況を教えてくれ」

「はい、ちらほらと何体か攻めてきていますが、多くの魔物は弓も届かないほど先の海にとどまってこちらの様子を伺っているようです」

「妙だな……海からの襲撃なら奇襲が定石なのにな……」


 ミコトとオーリンが情報共有を行っていると、街の方から喧騒が聞こえてくる。


「何か街の方が騒がしいな……」

「大変です! オーリンさん!」


 街と沿岸部の間には壁が設けられており、そこに併設されている門から一人の兵士が大慌てでやってくる。見た目や言動からもオーリンの部下なのだろう。


「なんだ? 何事だ?」

「街に、街に魔物が現れました!」

「なんだと?ここは突破されていないぞ、どこから現れたんだ?」

「街の下水道からです。おそらく海につながっているトンネルを通って侵入してきたのではと思われます」

「下水だと!!」


その時だった、陣を張っていた兵士たちもザワザワと騒ぎ出す。


「武器をとれー! 魔物の集団が動き出したぞー!!」

「なにぃ! おのれ、魔物どもめ小癪な手をっ!! 何人か私についてこい、我々は街の方の魔物を討伐するぞ!」


 どうやら遠方で待機していた魔物たちが動き出したらしい。街の内部に忍び込み混乱させ、この沿岸部の守りを手薄にさせる作戦なのだろう。

 オーリンが部下を集め市内に駆け出して行くとミコトも指揮をとる。


「後手にまわってしまったな、いいかわたしたちも沿岸部の守りと市内での人民救助と魔物の討伐部隊に分かれる。ベルトーシカ、エマ、クロエ、コリン、ガルシア、ヨハンナ、パイは沿岸部の守り。モモ、リズ、ウル、ルルティア、アナ、ユノ、オウルは市内だ。わたしは沿岸部に残るから市内部隊はそれぞれの判断で動くこと、市民の避難場所やわからないことがあったらオーリンか街の自衛団の人たちに聞いてくれ。そして決して単独行動はとるなよ、必ず二人以上で行動しろ!」


 「はい!」と勢いよく返事をすると市内部隊は自衛団に続いて街の中に入っていった。


「守り部隊は基本遠距離の得意な連中を残した。遠距離の魔法で攻撃しつつ、近づいてきた敵はコリン、ガルシア、パイとわたしで対処する。さあ、戦闘の開始だ、気合入れろよ!」

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