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英雄譚はいつも紅に染まる  作者: パン定食
学園生活
38/92

体力テスト

「この下に穿いてるの、ちょっとピチピチじゃない?」


 ミコトが普段から愛用しているブルマのことだ。生徒全員にも配られ上は白の半そで、下はこのブルマという格好が体操着として採用されていた。

 モモがその穿き心地を恥ずかしそうに述べている。


「そう? わたしは動きやすいと思うけど?」

「リズならそう言うと思ったよ……」

「え、どゆこと?」

「そういうところがあるってこと、ほら早く行くよ」


 ブルマの色は統一しておらず、各々が好きな色を選んでいるため、見た目カラフルな少女たちがグラウンドに集合した。




<握力測定>


「よし、みんな集まったな。それじゃ、早速はじめていこうか、最初は握力測定からだな」

「このレバーを握ればいいアルな?」

「ああ、右左交互に二回ずつな」


 最初に名乗りを上げたのはパイだ、測定器のレバーを握ると数値はみるみる上昇していく。


「パイ右92。左88。うん、なかなかの好成績だな」

「ま、とうぜんアルな」


 十七歳の女性の平均が27キログラム前後であることを考えればずば抜けた数値である。

 パイがドヤ顔をしていると次にチャレンジしたのはウルだ。


「右135。左122。おお、すごい、めったに見れない数値がでたな」

「うーん、よくわからないけどすごいのか?」


 「ああ、すごいすごい」とミコトに頭をなでられ素直に喜ぶウルを見てわなわなと震えるパイは鼻息荒くウルに詰め寄る。


「おい、ケモミミ娘、このスポーツテストでどっちが優れているか勝負アル」

「勝負するのか? いいぞ楽しそうなのだ!」


負けず嫌いのパイと勝負を遊びと捉えているウルの間には明らかな意識の差が見えた。


 握力測定結果(十七歳の女性平均約27キログラム)


一位 コリン 161kg(左右平均値)

二位 ウル 129kg

三位 パイ 90kg

(以下順列)ガルシア82kg、モモ74kg、オウル66kg、リズ60kg、ルルティア48kg、ユノ35kg、アナ30kg、ベルトーシカ27kg、クロエ24kg、ヨハンナ21kg、エマ12kg 




<ボール投げ>


 片手に持ったボールをじっと見つめているクロエがいた。その様子を心配したのかガルシアが声をかける。


「どうしたんだい?投げないの」


<えええ~、声かけられた。この人おっきいし怖い怖い怖い!>


 混乱したクロエは「あ、ああああ」と声にならないような唸り声を上げると、ガルシアの顔めがけボールを投げつけ逃げていった。


「……嫌われているのかな? あの子と仲良くなるには魔獣以上の調教が必要そうだね」


 そういうガルシアには怪しい笑みが浮かべられていた。


 その後、逃げたクロエはミコトにつかまりきちんと競技を受けることとなりました。


ボール投げ結果(十七歳の女性平均約15m)


一位 ウル 99m

二位 コリン 86m

三位 パイ 61m

(以下順列)オウル55m、ガルシア54m、モモ51m、リズ42m、ルルティア32m、アナ27m、ベルトーシカ20m、ユノ17m、クロエ12m、ヨハンナ11m、エマ7m




懸垂(けんすい)


「スマンがちと持ち上げてくれまいか?」

「ええ、いいわよ」


 懸垂をするにあたり、背の低いコリンは鉄棒に届かないでいたので補助を頼もうと長身のユノに頼んだのだ。

 快諾したユノは早速持ち上げようとするが、見た目小さな少女はあまりにも重く、全く持ち上がらない。


<ええ~、なんで? いくら非力な神官でも、こんな小さな子持ち上げるのなんてわけないのに……それに、それに女の子に『重い』なんて言えないじゃない~>


「ちょっと待っててね」


 そういうと自身に力上昇の補助魔法をかけ、「ふん!」と力を入れるがそれでも持ち上がらない。


「そういえばわたしの体重 ―― キロなのでした。人間(ヒューマン)では持ち上げるの無理でしたな」


 その体重を聞いたユノは絶句した。


「お、女の子でその体重は……」

「ハハハ、わたしはドワーフですからな、これくらいが普通なのですぞ」

「そ、そうなの……」


 普段、細目のユノは目を見開き、豪快に笑い飛ばすコリンをまるで珍獣を見るかのように見つめるのだった。


懸垂結果(十七歳の女性平均約1回)


一位 ウル 102回

二位 パイ 50回

三位 モモ 27回

(以下順列)オウル24回、ガルシア22回、リズ18回、アナ10回、ルルティア9回、コリン7回、ベルトーシカ4回、ユノ1回、ヨハンナ1回、クロエ0回、エマ0回


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