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英雄譚はいつも紅に染まる  作者: パン定食
カシシュミナ学園、入試試験
20/92

リズ、モモ 対 コリン、オウル、クロエ

 リズとモモがグラウンドに戻ってくるのを見かけるなり近づいてくる者たちがいた。対戦相手のコリン、オウル、クロエだ。


「体調を崩したと聞いたが大丈夫なのかね?」


 心配したコリンの質問に「もう大丈夫」と答えると安堵の表情を浮かべる。


「それはよかった。せっかく戦うなら万全の状態で立会いたいからの」


 小さな体躯に似合わず、がははと豪快に笑いながらそう言うと同じチームのオウルが釘を刺す


「これから戦う相手の心配をしてどうする、相手の弱点を突くのは戦闘の定石だぞ」

「何を言うておるか、これは戦闘ではなく試験じゃ。お互いベストを尽くすべきじゃろ」

「おい、クロエとかいったか、お前はどう思うんだ?」


 顔を突き合わせにらみ合うとオウルがクロエに意見を尋ねた。しかし尋ねられた本人はボーと空を見上げ、全く関心がない。


「……変わった奴だ」


 機嫌を損ねたオウルは憎憎しい顔をしてその場を立ち去っていった。


「これ、待たんか! すまんかったな、後ほどお互い遠慮なく為合(しあ)おうぞ。ほれおぬしも呆けてないで行くぞ。」


 コリンは簡単に謝辞を述べると、クロエを引っ張りオウルの後を追いかけていった。残された二人は、しばらくぽかんとしていたが突然モモが笑い出した。


「あはは、なぁにあのグループ。仲悪すぎでしょ、あんなので連携とか取れるのかな?」

「皆個性強すぎて衝突してる感じだったよね……でも」

「うん、クロエって子はわかんないけど、あの二人は強いね」





 そして二組のグループは対峙していた。

 リズが体調を崩し、医務室に行っていたためにこれが最終試合になる。


 コリンが「お互いベストを尽くそう」と握手を求めてきたので、その求めに応じるが他の二人は何処吹く風といった様子だ。そのチームメイトに眉をひそめていると試合開始の合図がされた。


「たぁ!」


 掛け声と共にモモの巨大な剣がコリンとオウルの間を狙い振り下ろされる。

 その避けた瞬間を狙い、リズがオウルに張り付く。


「あなたにはわたしの相手をしてもらうよ」


「出来ればピンクの方とやりたかったんだけどな……」


 モモとオウルを引き離すのはあらかじめ計画していた作戦だった。

 風貌からすばやい動きが得意そうなオウルと、獲物の大きいモモの対決だとモモが不利になる。逆に重い鎧に身を固めたコリンとの相性がよさそうなので、モモにはコリンとクロエを、リズはオウルをひきつけるという作戦を立てていたのだ。


 オウルは左手にもったナイフを前に大きな爪をつけた右手を後方に構え、次々と攻撃を繰り出してくるがリズは盾ですべて受け流し、隙を見て攻撃を仕掛けていった。

 このカウンターによる攻撃こそが八年間で積み重ね研鑽したリズの戦闘スタイルだった。


「くそっ!」


 全く攻撃が当たらず、逆に自身のダメージが蓄積されているのを感じ、オウルの眉が釣りあがってゆく。

 傍から見ればリズの優勢に見える、事実そうなのだがリズの胸には引っかかることがあった。


 攻撃が避けやすすぎるのだ。


 オウルが次々と仕掛けてくる攻撃は首、目、心臓などすべて人体の急所を狙ってきているのだ。これは《避ける》ことに特化したリズにとっては、攻撃を先読みしやすく受け流すことは容易なことだった。


「オウルって言ったよね、あなた……人を殺し慣れてるよね」

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