こんな夢を見た/銭湯でテレビを観た
「スター・ウォーズ」の最新作が、今夜テレビ放映されるらしかった。
まだアメリカでも劇場公開されていないのに、いきなり日本でテレビ放映されるらしい。
町の銭湯の脱衣場には、高いところにブラウン管式のカラーテレビがあって、風呂上がりの男たちが、全裸でテレビを見上げ、スター・ウォーズの放映時間を今か今かと待っていた。
僕も、その中に混じって全裸で脱衣場の床に座ってテレビを見上げていた。
いよいよスター・ウォーズの最新作が始まった。
しかし、どこか違和感があった。
でも僕らは、その番組がスター・ウォーズだと信じ込んでいたので、我慢して三十分近く見続けた。
そして、エンディング・テーマ曲が流れ出した。それは「恐怖の町」だった。
「スター・ウォーズじゃねぇ! これは怪奇大作戦だぞ!」脱衣所にいた男の一人が、全裸で立ち上がって叫んだ。
「チャンネル変えやがったのは誰だ! ぶっ殺してやる!」別の誰かが叫んだ。
僕はその時も全裸で床に座っていた。
突然、尻の下に違和感を覚えた。
手をやってみると、尻の下にテレビのリモコンがあった。
僕はゾッとした。脱衣場にいる男たちに殺されると思った。
僕はリモコンを片手に持って銭湯を抜け出し、全裸のまま町中を走って逃げた。