第2話「冷静の皮を被った者」
外に出れない、と言うことは、何もできないってことだ。
ーなんだか俺らは閉じ込められてしまったらしい。ドアが開かない、窓も確認してみたが案の定全く動かなかった。状況は最悪に違いなかった。出来ることが全くない。打つ手なしってことだな。
俺は半狂乱になりかけている神谷と結城に背を向け、家になら絶対にあるであろうある場所を探しに行った。
ーある場所はすぐに見つかった。まあ簡単に行ってしまえば、寝れる場所を探していたのだ。二階に上がったら、すぐ見つかった。俺は内心でガッツポーズをした。もしかしたら身体も動いてたかもしれないけど、そこら辺は気にする必要はない。
俺はさっさとそこにあるベッドに潜り込んだ。ほんの少しだけ埃が宙を舞う。ていうか、このベッド妙に綺麗だな、まるで誰も使ってないみたいだな。
「はぁぁ…」
俺は溜め込んだ息をゆっくりと吐きだした。やっぱり寝床ってのは落ち着く場所だよな。
俺はこの落ち着いた所を求めていた。早く眠りにつきたい。俺は異常に眠かった。何故だかははっきりしている。俺は意味のわからないことが起きると眠くなるのだ。俺の本能は眠る事によって現実から目を逸らす。だから俺は今ここで緊張感なく寝ようとしているのだ。
「……っても、今回は流石にすぐは眠らせてくれないか…」
数分くらい経ったと思うが、俺の意識は残念ながら現実にいる。身体はこんなにも安らぎを求めているのに、意識がどうしても夢の中に消えてくれない。
ーやっぱり焦ってんだな、俺。心臓がいつもより早く動いている。
……今はもう眠れそうもないと思った俺は、少し気分でも落ち付けようと思って、起き上がった。
視界に目を疑うようなものが、写り込んだ。
「え、夢?」
目の前には少女の形をした人形が、浮かんでいた。
俺はその人形を数秒真顔で見つめた後、ゆっくりとまた、ベッドの上に横になった。