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春夏秋冬  作者: 金欠マン
9/10

~17歳・冬1~

気がつけば雪が降る季節になっていた。

今年は昨年に比べて雪が少なく、雪かきをする人々はあまり見当たらない。その代わり、昨年よりも数段寒い風が青森の気温を下げていた。


クッキーの渡された日の翌日、鈴からメールが来た。

「クッキーどうだった?美味しかったら亮太にあげることにするから、食べたら感想お願いねー」

まだ鈴は、浮気されてることに気がついていないらしい。まぁ当たり前か。と、気を落とし、僕はメールを打った。メールでだったら真実を伝えられるかもしれない。

「美味しかったよ!鈴、クッキー焼くの上手いね。また食べたくなってきたよ。…実は」

と打ったあと、僕はメールを打つ手を止めた。

結局、ホントのことは言えず、クッキーの感想だけをメールにして鈴に送信した。

すると、

「ほんとに?ありがとう。今度暇あったら俊太郎にも焼くね!」

と、元気なメールが返ってきて、僕はさらに気を落とした。


こうして、本当のことを言えないまま、1ヶ月がすぎた。未だに鈴は浮気されてることに気がついておらず、たまにコンビニに彼氏と一緒にやってくる。鈴が笑顔で彼氏と話しているのを見る度に、本当のことを言えない自分と、鈴の彼氏に対しての、激しい憤怒の気持ちがこみ上げてきた。


そんなある日のことだった。

夕方、もう少しで仕事が終わりそうな時間に、鈴の彼氏が一人でコンビニに来た。その頃には、僕は鈴の彼氏を見るだけでイラッとするぐらいになっていた。幸い、僕はその時、商品を並べる仕事をしていたので、レジで対応することはなく、少しホッとしていた。

僕が商品を並び替えていた棚を挟んで向こう側で、鈴の彼氏のケータイがなった。

「鈴からだ。」

と、その声に僕はドキッとしながら、聞き耳を立てていた。そして鈴の彼氏が、

「ホントうっせーよなー鈴のやつ。俺はあそびでやってるだなんて知らずによwww」

その言葉を聞いた瞬間、

「おい」

と、思わず鈴の彼氏に声をかけた。

「ん?誰か呼んだか?」

「今の話どういうことだ?」

僕は仕事をほったらかして、鈴の彼氏の元へ行った。

「あんた、誰だよ?」

「だから今の話はどういうことだよ」

「あ?遊ばれてることにも気づかない奴ってバカだなーっていうはな…」

と、鈴の彼氏が言い終わる前に、僕は鈴の彼氏の胸元を掴んで、

「お前、鈴がどれだけ本気でお前のことが好きかってわかってんのかよ!」

「あ?だからあんた誰だよ?離せよ!」

もう我慢出来ない。僕は思いっきり、鈴の彼氏を殴った。

「イテッ!お前何すんだ…」

「うるせぇ!お前は鈴をなんだと思ってんだよ!お前に鈴の彼氏の資格なんてねぇんだよ!」

と言い、鈴の彼氏を押し倒して、2発、3発、4発、5発と、連続で鈴の彼氏を殴りつけた。もう抑えきれなかった。

「てめぇ!このやろ!」

今までの怒りを込めて1発1発、本気で殴りつけた。

幸い、店の中に客はおらず、店の端の方で殴っていたので、止める人は誰もいなかった。

拳がどんどん汚れていき、自分が流した傷か、鈴の彼氏の鼻血か、どっちかわかんない血が、僕の拳にべっとりとついた。それでも僕は殴り続けた。

その時、後ろに人の気配を感じて、僕は後ろを振り向いた。

そこには口を開いて唖然としている鈴がいた。

「キャーーーーーーー!!!」

その鈴の一声で、レジで働いていた人がこっちに駆けつけた。

「うわっ?!なんだこれ?!」

「おいっ!俊太郎!おまえなにやってんだよ!」

すぐに僕は鈴の彼氏と引き離された。

鈴が彼氏に駆け寄り、「大丈夫?大丈夫?」と、懸命に声をかけている。

「鈴!そいつは…」

「うるさい!だまって!」

と、鈴に怒鳴られ、僕はだまってしまった。

自分の血だらけの拳をみて、僕は正気に戻った。

鈴の彼氏は、顔面がボコボコになっている。自分がやっただなんて信じられないまま、

「俊太郎!おまえちょっとこっち来い!」

と、僕は事務室に連れていかれた。


その日、僕はもちろん、ガッツリ怒られた。

「幸い、お客様が許してくれたから大事にはならなかったけど、お前仮にもおきゃくさまにたいしてなにやってんだよ!」

と、いう具合に怒られた。

そんなことよりも、僕は鈴に、

「うるさい!だまって!」

と言われたことの方がショックだった。


重い足取りで家に帰り、僕は何もせずにベッドに横になった。

これで、俺は完全に鈴に嫌われた。ただ、ホントのことを知って欲しかっただけなのに。

「うるさい!だまって!」

が、何回も耳の奥で響く。もう、鈴に何を言っても信じてもらえない。

「あ〜もう!どうしたらいいんだよ!」

と、僕は、ベッドを叩いた。そして、何もかもやになって、布団に突っ伏して泣いた。

高校は、ほんとに時間が無いです。

来週にもテストが控えていて、勉強しなきゃ行けません。

こんな状態ですが、出来るだけ早く投稿しようと、努めていこうと思います。

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