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春夏秋冬  作者: 金欠マン
8/10

~17歳・秋~

青森の夏は短く、8月末ぐらいには、すでに秋の気候が訪れていた。まだ寒さになれない僕は、周りが薄手のジャンバーの中、1人厚いジャンバーにマフラーと手袋をして歩いていた。


鈴はいつもの通り彼氏と一緒にコンビニに来る。鈴は彼氏に別の彼女がいるということは知らない様子だ。とても幸せそうな顔をして彼氏と手を繋いでいる。それを見る度に、嫉妬と、彼氏に対する憤怒の気持ちが湧き上がってくる。しかし、鈴には彼氏のことは言えなかった。

鈴が彼氏ができたと報告してから、僕らは全く話さなくなり、メールすらもしなくなった。そんな状況でぼくは、鈴に話しかける勇気はない。そのうえ、話したとしても、鈴は信じないだろう。そしてとても悲しい顔をするだろう。僕にはそれが耐えられなかった。


そんなある日、僕の元に1通のメールが届いた。鈴からだった。

「いきなりでごめん。相談したいことあるんだけど仕事のあといい?」

鈴からの久々のメールに、僕は嬉しさを覚えたが、同時に焦りも出てきた。まさか遂にバレたのか。どんな顔して会いに行こう。などなど色々悩んでいる間に、鈴と会う時間になった。

店の裏に鈴は立っていた。近づくと、

「俊太郎ー!」

と元気に駆け寄ってきた。まだ彼氏のことはバレていないらしい。

「実は…来週彼氏の誕生日なんだけど…何やればいいかな?」

と鈴は聞いてきた。

「え…あ、誕生日プレゼント?んー…」

鈴のいきなりの質問に内心びく付きながら、誕生日プレゼントを考えるふりをして、別のことを考えていた。

今こそ鈴に、彼氏のことを言うべきだろうか?

いつかは確実にバレる。それならバレるのを待つ方がいいと思っていたが、誕生日プレゼントをあげようとしているのに、浮気されてる鈴を考えると、プレゼントを買う前に言ってしまった方がいいのでは?などと思った。しかし、今言うと鈴は大きなダメージを受けてしまうだろう。なら、言わない方が…

「俊太郎どうしたの?なんか変だよ?」

鈴がいきなり顔をのぞきこんできた。

「うぉ?!…いや…何でもないよ…ハハ…」

と、どうにか誤魔化してみる。

「ふぅーん。ねぇねぇ、サプライズであげるのと、事前に何欲しいか聞くのとどっちがいいと思う?」

「あ、うーんと…何もらっても嬉しいと思うから、サプライズのほうがいんじゃない?」

「やっぱり?うーんでもなにあげよう?」

「お菓子とかいんじゃない?美味しいのあげれば喜ぶと思うし…」

「うーん…じゃあクッキーにしよ!ありがとね俊太郎!」

と、言いながらすずは去っていった。

終始、悟られないようにすることで精一杯だった。

途中何度も言おうと思ったが、何度も思いとどまってしまい、結局言えずじまいだった。


帰り道、ずっと言おうか言わないか考えていた。やはり言ってしまった方がいいな。浮気現場を目撃してしまうよりはいい。なにより浮気されてるのを知らずに幸せそうな顔をしている鈴が不憫で仕方がなかった。

「…明日言おう。」

そう決めて僕は家に帰った。


翌日、鈴は一人でコンビニに来た。

いきなりのビックチャンス。これは言わない手はないとおもっていたが、鈴は片手に袋を持っていた。

「クッキー焼いてみたんだけどこれ大丈夫かな?食べてみて」

と、笑顔で何枚かのクッキーが入っている袋を渡され、

「え…あ、ありがと。あとで感想いうね」

「うん。あとで教えてね。」

と、足早に鈴はコンビニを出ていった。

これは益々言いにくくなったぞと、クッキーの袋を見ながら、僕は途方に暮れた。

また遅くなってすいません。

やはり高校は忙しく、執筆する時間が全然取れません。出来るだけ早く投稿できるよう務めますので宜しくお願いします。

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