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春夏秋冬  作者: 金欠マン
2/10

~16歳・春~

こんにちは。金欠マンです。最近「リア充爆発しろ」とかいう言葉を聞きますが、なんて身勝手なんだろうて思っています。リア充がいるということは、告白があったということです。せっかく勇気を出して告白して成功したのに周りがそんなふうに妬んでいたりしたら僕は嫌です。大々的にやられると恥ずかしいですが、心の中で応援してくれた方が僕は嬉しいです。リア充は妬みの対象ではなく応援の対象として見るべきだと勝手に思ってます。ま、僕はあんまりそういう経験ないんですけどね(笑)


この地域は他の地域よりも桜の満開が遅い。町の桜の木は花が咲いていたり咲いていなかったりとまばらだ。




ついに今日から仕事が始まる。週5日、朝4時から夕方18時まで、ぼくは町に一つしかないコンビニでレジのバイトをする。レジの打ち方は春休みにしっかりと学んだ。

ほかの同級生はSNSで「高校楽しみー」だとか「友達できるかなー」とか「カワイイ子いるかなーww」とか言っているが僕にはそんなイベントは一切ない。多分これからも。




コンビニにつくと店長が迎えてくれた。

「ようこそ俊太郎君。もう16歳かな?これからよろしくね。」

と挨拶され僕は「よろしくお願いします。」と挨拶した。

レジの仕事は思ったよりもだいぶきつかった。レジの打ち方はマスターしたつもりだったが会計をし終わる直前に「あ。これも。」と追加してくる客がいたり、とんでもない量の商品をレジに持ってこられたり、両替ついでに百円ちょっとの買い物で1万円をだされたりすると慌ててしまう。間違ったりすると客にやな目で見られるので凄い腹が立つ。思ったよりも精神を削る仕事でやっていけるか心配になった。




夕方になった。学校帰りの学生達がわらわらとコンビニに入ってくる。同級生の姿もあった。

「よっ!げんきでやってるか?」

話しかけてきたのは谷川健吾。小学校時代から僕といちばん気が合う男友達で健吾とだけは交流があった。彼は大好物のポテチとコーラをレジに持ってきた。

「相変わらず無愛想だなおまえ。」

「お前こそそればっか食ってると太るぞ。」

「お前と違って動くからいいんだよ。」

いつものような会話をしながら商品をレジにかける。

「合計で385円です。」

「もっとハキハキ言いなさい(笑)」

「うるせ」

健吾が袋を受け取る。

「なぁ」

「何よ」

「お前ほんとにあれから一回もあってないのか?」

少しドキッとしたが僕はすぐに

「あってもねーし連絡もしてねーよ」

とかえす。僕は鈴と別れた後春休み中一回もあっていない。それどころか連絡すらとっていないのだ。

「そっか。」

少し寂しそうな感じで健吾がいう。

「俺同じクラスになったけどさ、あいつ笑ってはいるけど全然楽しそうなかんじじゃなかったぞ」

「うっせーな。用が済んだら帰れよ。」

僕は少し冷たい感じで言った。

健吾は少しムッとして

「そんなムスッとした態度とってると客も女も寄り付かねーぞ(笑)」

と一言言い残し帰っていった。

健吾を返してよかったのか。鈴のことをもっときくべきじゃなかったのか。というのを少し考えたがすぐにやめた。もう鈴とは何の関係もない。今更聞いたところで何が出来るわけでもない。僕は今までそういうふうにして鈴の存在を忘れようとしていた。

でも、できなかった。




少し濁った気持ちになって仕事を続けていると店内に何人かの女子高生らしき集団が入ってきた。見たと頃テニス部らしい。「部活疲れたー」「何食べよっかなー」

なんて言いながら店内で品物を探す。ふと、目に入った女子高生のうちのひとりを見て僕はすぐに顔を伏せた。

まさか、まさかなと思いつつ、もう一度見ようと思った時には店内の一番はじのジュース売り場にでも言ったのか再確認することは出来なかった。いつかレジに来るのでその時に確認すればいいやと思い、ドキドキしながらその時を待つ。女子高生集団がレジの前に並ぶ。僕はなるべくドキドキしている感じを出さないようにレジの仕事を進める。

「あっ」

「あっ」

僕のレジの列の一番うしろに並んでいた女子高生と目が合った。

ショートカットの髪型にぷくっと膨らんだ頬と唇。

その女子高生は紛れもなく…

鈴だった。

少しの沈黙のあと僕は我に返りレジの仕事を進めた。鈴以外が全員終わり、鈴が僕の前に立った。鈴は

「先に行っててー」と友達にいって僕の方を向いた。

「久しぶり。元気だった?」

「うん。まぁ、元気。」

「嘘つけ。全然元気ないじゃん。」

「そうかな?そういう鈴こそ元気だった?」

「うん。元気だったよ。」

普通の会話をしていく内にレジの仕事が終わり、鈴に商品を渡す。

「テニス始めたの?」

「うん。前から興味あったから思い切ってやって見ることにしたの。」

「そっか。頑張って。」

というと鈴が

「ありがと。明日も来るね。」

と笑顔を見せて、店内から出た。

彼女をの姿が見えなくなった瞬間、一気に緊張が取れ、脱力感に襲われた。

久々に鈴にあった。あんまり顔見れなかったな。変に思われてないかな。などといろんな心配をした。

「でもやっぱ可愛かったな。」

と、誰にも聞こえないように呟いた。

鈴は中学校の時と全く変わっておらず明るい声で僕に話しかけてきてくれた。鈴、元気そうだったな。相変わらずだったな。また会いたいな。できればまた…

「って何考えてんだ俺。」

と呟き、正気に戻る。そうだ。もう彼女とは別れたんだ。今更、元の関係になる意味なんてない。そう言い聞かせながら仕事をして行くうち自分の就業終了時間がきた。




荷物をまとめてコンビニを出て帰路につく。まだ少し太陽は見えてて僕を照らしていた。そういや久々に太陽の光に当たったな、とふと感じた。実際は春休み中も買い物などで外に出てるので当たってないわけがないのだがそんな感じがした。

「そういえば俺春休み中なにやってたんだっけ…」

と、考えてみたが何も出てこなかった。確か去年は鈴と2人で公園に行ったな。誕生日が春休み中だからあまり人に祝ってもらっていなかったけど、鈴だけは祝ってくれたな。なんで去年の覚えてて今年のおぼえてないんだろ。と少し考えてみるとすぐに答えは出た。

あの頃は楽しかったなー。でももう関係ないや。とか色々考えつつ、僕は少し雲がかかった太陽の下を歩いていえにかえっていった。

少し執筆になれたので執筆のスピードが上がってきました。でも私は学生なので、時間があまりありません(笑)何とかもっと早めにアップできるように努力します。

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