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五話 頼れる部下達は皆オカシイ

あー……この二日パソコンすら開けないくせに寝るのが朝の三時と言う生活をしていました。

更に六日程までこの生活が続く為に投稿できないかもです。

ご了承くださいませ。

 本部に戻った俺は早速ゼイ達から貰った書類を本部にある一室へと届ける為に廊下を歩いていた。

 商会と”魔女の夜(ヘクセンナハト)”の本部は同じ敷地にあるが、別々の棟だ。

 本部が表からは見えないよう、商会の建物で囲っているのだ。

 その上で、本部の事は宿舎だと説明している――あながち間違ってはいない――為本部の事は知られていない……はずだ。


 俺が今向かっているのは”魔女の夜”の頭脳である部署”(ふくろう)”の部屋だ。

 説明しただろうが、”梟”は各部署から情報を集め、精査し、管理、統制した上で各部署に来た依頼がブッキングしたり、”魔女の夜”同士で戦い合う事が無いように調整する情報専門の部署である。

 簡単に言ってしまえばギルドの受付みたいなものだ。


 さて、頭脳労働と言えば眼鏡やら、頭の固いインテリ達を思い浮かべるだろう。

 では、”魔女の夜”の専門”梟”はどうかと言うと、


「おい! 誰だここにあった書類退けたのは!?」


「知るか! そんな事よりこの書類に眼ぇ通せ!」


「班長、これに判子お願いしまーす!」


「わかった。おい、さっさとこの案件片付けろと言ったろ!」


「それはもう終わってますよ! 判子押してあるじゃないですか! よく見てくださいよ!」


「あー!! これ重複してんじゃん! 誰だよこれ管理してたのは!?」


「知らないですよ! 先輩でしょ?」


「俺じゃないって! 俺がやってたのはこっちの案件!」


「これでもう二徹じゃん……寝たい、けど「これ飲め!」……グビッ――なんだかハイになってきたあああああああああ!! やってやるぞおおおおお!!」


 はい、こんな感じ。

 イメージとは程遠い、非常に熱い連中がてんやわんやしながら日々頑張っているのだ。

 うーん、まさにブラック企業。

 どうにか改善しなければいけないだろうなぁ……。

 でもどいつもこいつも口が笑ってて楽しそうなんだよなぁ……。

 もしかしてコイツ等Mなんだろうか? ドMなのだろうか?

「仕事サイコー!!」とか言っちゃう質なんだろうか。

 だったら改善しなくても良いだろうしなぁ……。

 つーか途中で何飲ませてたんだ。

 薬やったみたいになってんぞ。


 部屋にいる誰もが髪も無造作でボサボサ、服もヨレヨレ、先程意識が飛びそうだった奴が飲まされてた飲み物のなのか独特な臭いが充満し、それに汗と紙の臭いで酷い事になっている。

 元男である俺は大丈夫だが、どうやらスイにとっては”狼”の処よりも嫌らしく、露骨に表情を歪めている。

 これはこれで可愛いので何も言わないが……まぁ俺も用事があるわけだし、声を掛けさせてもらおう。


「……皆」


 俺は叫んだつもりであるが、普段と何一つ変わらない音量で口から紡がれた声は、しかし部屋の中に良く響いた。

 忙しなく動いていた全員の眼が此方を向く。

 その眼は血走っていたり、虚ろだったりとヤバい雰囲気がビンビンだ。

 表情こそ動かないが、内心俺はビクビクである。

 だが、全員が俺の姿を見ると礼をする。

 ”梟”はその仕事上、所属している人間全員が(おれ)が長であることを知っている。


「……バージェット」


 俺の声に、全員がある一人に視線を送った。

 少し長めの茶髪に白衣で、徹夜した研究者みたいな風貌の男、”梟”のトップ、バージェット・ローヴァンだ。

 部下達からは”班長”なんて呼ばれている。


「夜様、どうしたんですか?」


「……スイ」


「ハイです!」


 俺は”狼”――バイガンとゼイから貰った書類をスイに渡してもらう。


「……まさか、夜様御自ら行ったのですか?」


「……”狼”の、書類。……読んで」


 有無を言わさない俺の言葉に、バージェットは渋々といった様子で書類に眼を通し始める。

 書類を捲っていく度にバージェットの顔が厳しくなっていく。


「……これは……失礼――おい! これをコピーして全員に配れ!」


 バージェットは俺に一礼して近くの人間に書類を渡す。

 バージェットの余り見ない緊張した面持ちに何かあるのだと周囲も理解し、慌ただしくなり始めた。


「……バージェット。それ終わったら、幹部を集合させる。……良い?」


「畏まりました。御自ら持ってきて頂いて有難うございました。では、これにて」


 そう言ってバージェットも部下達に混ざる。

 俺とスイはボーっとそれを見ているのも何なので、その場から辞することにした。




 その夜、バージェットに言った通り、幹部七人を本部に招集した。

 ”鴉”からは俺の秘書を務める二十代前半の女性オリヴィア。

 ”狼”を纏めるゼイ。

 ”梟”を纏めるバージェット・ローヴァン。

 ”獅子”を纏める上級の冒険者チーム”紅の矛”のリーダーであるゴーシュ・イーラ。

 ”蛇”を纏める殺し屋”蛇手”と呼ばれるザイール・ウィルチェ。

 ”渡り鳥”を纏める移動商会”兎の足(ラビットフット)”会頭ラヴィオ・オルファ。

 ”不如帰”を纏める貴族にも品を卸している宝飾店”金の貴婦人”の女性会長アエリア・マルザ。

 この七人である。


「皆、苦労」


 俺の一言に、集まった幹部は頷いたり、頭を下げたりする。


「……先ず、”狼”が得た情報を共有する。――バージェット」


 バージェットは立ち上がり、手元に置いてあった書類を読み始める。


「では、各部署により上げられた情報を精査し、纏めた結果を報告致します。”狼”並びに各部署より報告の上がりましたインクセリア国とヴァーガニア国との戦の噂ですが、実際に鉄鋼の採掘、武器の量産及び輸入量の増加、傭兵の斡旋等が確認されました」


「(コクン)……”魔女の夜”として方針を決定する。……依頼があった場合、それを受ける。でも、何方にも味方しない。依頼が来たのなら、安易に受けず、”梟”に報告する事」


 俺の『戦争への介入宣言』にも皆は狼狽えない。

 それどころか、ゼイやラヴィオなんかは稼ぎ時だと眼を光らせ、ゲスい笑みを浮かべている。

 全く以って頼れる部下達だよホントに。

 ……取り敢えずその笑みは止めろ。




ブックマーク、評価等有難うございます!」

非情に嬉しいです。


※全話の主人公の会話部分()を削除いたしました。

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