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第5話「救われた命」

「ああ。俺は死んだのか?」


俺は倒れたまま少女に問いかける。


「死んでないです!」


少女は、少し焦った様子で言っている。


「サイクロプスは。どこに?」


「私たちのことを探しています。あのモンスターは一度視界に入った生き物を絶対に殺すまでは逃がさないんです。」


おいおい。ほんとサイクロプスさんストーカーですか。

ストーカーで怪力とかまじで怖いでしょ。


「今はどこに?」


少し身体が良くなっていることに気づいた俺は立ち上がった。

立ち上がると腹部に強烈な痛みを感じた。


ぶはっ。

また口から血が流れでる。


「無理して立たないでください!」


腹部を見ると応急手当がしてあることに気がついた。


「これを。君が?」


「すみません。これだけしかできなくて。本来のエルフなら治癒魔法を覚えなくてはならないのですが、私は未熟者ですゆえ覚えていません。」


顔を下に向け少女は申し訳なさそうに言った。

エルフといったよな。

エルフの特徴は耳なはず。

俺は少女の耳を見ると確かに尖っていることに気がついた。

俺は初めてこの時この世界が現実だということがわかった。

傷の痛みやモンスターそしてエルフ。どうやら俺は元の自分たちのいた地球から何らかによってこっちに転移してきたようだ。


「治癒魔法が使えなくても仲間を回復させることができたんだ。それはすごいことだから気にするな。そのおかげでさっきよりも痛みが軽くなったよ。」


治癒魔法を使えないのは残念だが、俺を見捨てないでくれたことだけで俺は満足なのである。


「あ、はい。」


少しエルフの顔が赤くなったような気がするのは俺だけか?

なんで治癒魔法を使ってないのにこんなに身体が痛くないんだ。

もしかして俺死んだのか。


「なんで俺の身体は痛みが消えたんだ。」


「薬草を食べさせたんです。」


薬草か。

薬草って本当にあるんだな。

すごい効き目だ。


「わざわざ俺のために薬草をありがとう。もしなかったら死んでたかもしれない。」


「いえ、気にしないでください」


白髪の女性のを見ると指元がわずかながらブルブルと震えていた。

そういや、サイクロプスはどこいった。俺が倒れた場所とは違う場所にいる。


「サイクロプスは、どこいったんだ?てかどうやって逃げた?」


少女は、右腕を抑えながら言った。


「サイクロプスなら、この森の何処かにいます。私があなたを運びながらこの森に逃げてきました。」


なるほど。サイクロプスが追いかけてきている時に森に入り視界を狭くしたのか。

俺を運んできた?このか弱そうな女性が?


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