第3話「異世界転移」
ご飯も食べ終わったため風呂に入ることにした。
服を脱ぎ鼻歌を歌いながら浴室に入った。
風呂は唯一カラダの疲れが取れる空間であった。
俺の1日は大体こんな感じで終わる。
10時前に就寝するのが俺だ。
だからほとんどリアルタイムでアニメなど見れない。
明日は休みだからゆっくり寝る。
それが俺のポリシー。
次の日が休みならゆっくり寝るのである。
もちろん目覚まし時計など不要である。
部屋の隅に置いてある武器ケースを抱き枕代わりに寝ることにした。
俺は部屋の電気を消して眠りについた。
「なんだ?眩しいな。」
俺はボソッと独り言を言った。
目を開けてみるとあたり一面は木で生い茂っていた。
茂った木の葉の間を漏れてさす日の光が俺を照らす。
「なんじゃこりゃー!!」
俺は大声で叫んだ。
アニメのファンタジーで見るような光景である。
ここは草原といった場所であるのだろう。
まあこれは夢だろうな。
昨日あんな剣買ったから夢までこんな感じなんだ。
草原に寝巻きって場違いすぎるだろ。
足に何か石のようなものがぶつかった。
痛っ。
武器ケースだ。
俺は武器ケースを開けて剣が入っていることを確認した。
聖剣も魔剣も両方とも特有のオーラを放っている。
「誰かー!助けて!」
透き通った女性の声が森の奥から聞こえる。
何かに襲われているのだろうか。
どうせ夢なら死ぬってことはないんだから助けに行くか。
俺は声のする方向に走っていった。
走っている時妙な違和感を感じた。
身体が軽い!?走るのが速いぞ。
森林を越えていくと、白髪をした女性がモンスターに襲われている。
いやあ、これはアニメ展開すぎるでしょ。
神様こんな夢を見せてくれてありがとう。
俺は今から起きるまで頑張るぜ。
俺は足元に落ちている石ころをモンスターにめがけて投げた。
現実ではノーコンな割に夢の中ではコントロールが良い。
モンスターの頭にあたり、こちらを見てきた。
「そこの方!大丈夫ですか!?今俺が助けます!」
モンスターがこちらに近づいてくる。
目が一つ目?サイクロプスか?
徐々に近づくにつれてモンスターの大きさと恐怖心が大きくなっていった。体調4mはあるな。
これ勝てんのか。
サイクロプスは重いんだよな。
夢の世界では俺は軽い。
とりあえずサイクロプスの股下から抜けて彼女のところにでも行くか。
もう一度石ころを頭に投げ、サイクロプスを怒らせて走らせた後俺は全速力で股下を抜けた。
そして白髪の女性の近くまで行った。