第25話「翌日」
「シュン。起きてください」
「もう少し寝ていい?」
リルムは俺の寝起きの顔に水を思い切りかけた。
俺はその瞬間目が飛び出しそうなくらいまで大きくなった。
「何するんだよ!びっくりしたな!」
「これで寝たいとは思わないはずです」
「確かにそうだけど、いきなりそんなことするやついないだろ!」
「すみません」
謝られたら何も言えない。
俺はベッドから体を起こして腕を大きく伸ばす。
「もうご飯はできていますので、リビングで待っています」
リルムは俺の目の前にタオルを置いて、俺の寝ている部屋から出た。
あ、そうそう。
この家には3つの部屋があって、1つ目が俺が使わせてもらってるこの部屋。
2つ目がリルムの寝ている部屋。
最後が俺たちが一緒にご飯を食べたりするリビング風の部屋ってとこだな。
その部屋をこの世界でもリビングって呼ぶから俺もそのままそう読んでる。
俺はタオルで髪と濡れている首回り拭いた。
すぐにリビングへと向かい朝食を済ませた。
「ガルドフさんのところに行かないか?」
「はい。もうそろそろ行きましょうか」
服はリルムが用意してくれた寝巻きのままなんだけど大丈夫なのか。
「シュン。着替えと武器はここに置いておきますね」
リルムは机の上に、鞘で収められた剣と布を何枚も重ねて縫ってある服を置いた。
あ、そういや2つの剣と一緒に異世界にきたんだった。
あれ。これって聖剣の方だよな。
魔剣と武器ケースはどこに?
わざわざ俺のために用意してくれいたなんて。
さすがリルムさん。
「あれ。リルム武器ケースどこかわかる?」
口を手で隠し目を大きくして俺を見る。
「あっ……。そういえばあの時重たくて持てなかったのでシュンとその剣だけを持って帰ってきました」
なるほど。
そういや、なんであの時サイクロプスを倒せたんだ?
あの時の出血とかを思い出すだけで吐き気がするからあんま考えないけど。
まああの剣は俺の命と引き換えになったって考えればいいだけか。
「次の日に見に行ったのですが、武器ケースごと見当たらなくて……」
「大丈夫だよ!武器は1つで充分」
俺はそう言って、リルムにグッジョブをした。
「ありがとうございます……」
机の上に乗った布の服に着替える。
普段着ていた寝巻き、私服よりも着心地がいい。
「これはいいな」
俺はシャドーボクシングをして、この服の身軽さと貰った嬉しさを体であらわす。
「私がシュンのために作っておきました」
頬を赤くしてそれを言ったリルムに少し心が惹かれた。
「あ……ありがとう」
俺がそう言うとリルムはニコッと笑った。
「いえいえ!」
「それじゃあ行こうか!」
「はい!」




