表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/37

第22話「はじめての魔法」

リルムは御目当ての本を見つけたのか机にそれを置いて椅子に腰掛けた。


「この本は?」


「グリモワール。と呼ばれる魔法が使えるようになる本ですね。この本は大量に生産されていて攻撃魔法の基礎、防御魔法の基礎、治癒魔法の基礎が全てできるようになります。」


そういう本って高いんじゃないの?

これっておじいちゃんとかが騙されやすい詐欺みたいなものじゃないの?

この壺2年後には高く売れますので100万でどうぞ。みたいな。

俺はこの本を使ったら後で金は取ります百倍です。みたいな?

リルムに限ってそんなことするわけないよな。

うん。それはない。


「グリモワール?それって高いんじゃないのか?いくら大量に生産されているとはいえ、魔法が使えるようになるんだぞ?」


「高いのもあれば安いのもあります。需要と供給というのはご存知ですよね?皆さんが持っていないようなグリモワールに関しては高いのです。その分その魔法を持ちたい方が多いのですから。」


「じゃあ逆にみんなが使えるような魔法は安いということなのか。イコール基礎的な基礎魔法は安い。でいいんだよな。」


リルムはパチン。と指を鳴らして頷いた。


「ご名答です。」


ゲームとかではこういうのって買えないグリモワールほど強いんだよな。

てことは今から初期技3つをこれで教わるってことか。

なんかワクワクしてくるな。


「この本で技が3つ覚えられるんだな?」


「そうですよ。さっき体などを洗う際に使った魔力物質。石ころ。炎。ですね。魔力物質は治癒魔法の基礎ですね。石ころは防御魔法の基礎で、炎が攻撃魔法の基礎というわけですね。」


魔力物質って技じゃなくね?

なんていうのかくし芸的な。

それに石ころってなに!

そんなのどこからでも拾えるし魔法でそれを出す意味がわからん。

まあ炎はマシか。

マシっていうよりはかなり強いな。

これを主にして戦うというわけか。


「なるほど。次にこのグリモワールの使い方を聞いていいかな」


「使い方はいたってシンプルで、パラパラーで良いのでページをめくって読み終えて下さい。このぐらいの基礎魔法ならそれぐらいで大丈夫ですよ。」





机に置いてある本の表紙を見てみると、基本の基という漢字が大きく書いてある。

なんで日本語なんだ。

昔の日本にタイムスリップでもしたのか?

まあここで使われている言語が日本語で助かったとでも思っておこう。


1ページ目。

"魔術とは、意志のままに変化を起こす術であるーーー"

ここから魔術についての思想がたくさん書かれている。

教科書より読むのえぐいぞこれ。

"魔術は己の限界を知らずに使えば骨となる。"

てか怖いこと書いてありすぎだよこの本。

骨になるって死ぬってことでしょ?

魔法は使いすぎないように気をつけないと。

あ、俺基礎魔法しか使えないんだったわ。

ある意味ラッキーだ。


「シュン。パラパラでいいんですよ、私が説明しますから」


興味のない本を読むかのようにざっと流し読みをした。

俺は読み終えた後も特に自分に変わった様子はなかった。


「シュン。基礎魔法ができるようになりました。これが、全ての魔法の基本です」


「どれどれ」


俺は右手を広げて、魔法陣を張ることができるか確かめる。

魔法陣よ。こい。

・・・。


「ほんとにわからないんですね」


「はい」


「魔術はイメージが大切ですね。燃え盛る炎を想像してみてください。」


じっと俺の顔を真剣でみつめるリルム。

家庭教師でも頼んだみたいだな。


「でもそんなことして、魔法が放出したら家が燃えるぞ」


「大丈夫です。シュンの適性から見た限りはそんな事絶対起きません」


なんだと。

まあこれで家が燃えたとしても俺のせいじゃないな。


「わかったわかった」


アニメでよくある激しい炎を頭いっぱいに浮かべる。

その瞬間身体全体が火照り始め、徐々に息が苦しくなっていった。


「なんだ…これ」


「そのまま全部の力を右手に集中させてください!」


俺の中の全神経を右手に集中させた。

なんてすぐにできるわけないだろ。

全神経を右手に集中させるとかどうやるの。

まあいい。

握力検査の時と同じ感じでやるしかない。

俺は意識が遠のいていきながらも右手に全身の力をこめて、拳を握った。

すると俺の身体から徐々に体にまとわりついていた熱がなくなっていった。


「そのままもう一度さっきのと同じのを想像してください!」


「りょうかい!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ