第18話「異世界で入浴」
リルムは我に戻り、手をモジモジとさせていった。
「大丈夫じゃないよ。シュンが可愛い…とか言うから。」
本当に可愛いから言っただけで困らせる気は少しもない。
俺は、顔の前で手と手を合わせて頭を下げた。
「ごめんごめん。思ったことは口に出るタイプで。嬉しくないから怒ったんだよね。今度から気をつけるから許して。」
俺が頭を上げてリルムを見ると、むう。とした顔で後ろを向いてしまった。
ほんとうに異世界の女子も現実の女子もわからないな。
「シュンは早く、お風呂に入ってきてください」
いきなり、お風呂と言われても、場所がわからないな。
やっぱりこの異世界にもお風呂が存在したのか。
それは嬉しすぎる。
どんな戦闘をしたあとでも風呂に入れるということほど、戦士へのご褒美はない。
「リルム、風呂ってどこにある?」
「こっちに来てください」
俺はリルムについていくと玄関近くのドアの中に風呂があることを発見した。
脱衣所は、現実ににていて中学の時の社会で習った、洗濯板とタンスのような物が置いてあり、鏡が壁にはめ込まれていた。
「これが脱衣所です。ここで服を脱いでここにある籠に、入れてください。中に浴槽がありますのでどうぞ自分の家のようにお使いください」
女子の家の風呂を借りるのは、息がつまるような感じがした。
まあとりあえず今は俺がつべこべ言える立場ではないな。
「ああ、じゃあとりあえず風呂を借りるとするよ」
リルムは大判タオルを取り出して、タンスの上に置いた。
「ゆっくり入ってくださいね。タオルはここに置いておきますのでわからないものなど呼んでくれれば教えますので」
リルムは頭を下げて、脱衣所の扉を閉めた。
「ありがとな。じゃあなんかあったら呼ぶよ」
脱衣所で、鏡に映った自分の姿を見るとほんとうに異世界に転移したことを実感できる。
現実では起きることのない怪我の場所や胴体に巻かれた包帯などがそれを物語っている。
俺は鏡を見ながら、包帯を少しずつ剥がした。
「痛っ!」
俺は包帯を剥がす時にあまりの痛みで声を出してしまった。
扉の向こうからリルムの声がした。
「シュン!大丈夫ですか?」
包帯とってるだけでこんなに痛がってたら弱い奴だと思われるよな。
俺は額から汗が出ながらも言った。
「あ、ああ大丈夫だから。戻っていいぞ」
扉の前で、足音が止まった。
「わかりました。」
ふう。危ない危ない。
包帯を、すべて剥がしたあと身体の色々なところに深い傷があった。
それはどこからどう見ても特殊メイクそのものであった。
これは何かのドッキリなのでは?
と変な妄想をしたけれど、ドッキリであるならば普通の人なんかより芸能人にするだろう。
だから完璧にそれはないのだ。
俺は傷に手を触れる。
「いたっ。」




