起こった奇跡
昨日更新出来ずすいません!
倒れていた...ピクリとも動かなかった。
それは、何時も運が強くて、毎日パチンコで大当たりを出して、皆で笑って過ごした内の一人...
その子が今、目の前で息絶えているのだ。
[.....]
静まり返っている体育館。
[コツッ...コツッ...コツッ...コツッ....]
そこで足音が聞こえた。ゆっくりと床を踏みしめて歩いている。
体育館入り口に行く気だろう。
その発生源が、今横を通る....
それは、都華であった。
[おい!死ぬ気かよ!]
近くで叫ぶ声があった。
その声が届いたのだろうか...都華は止まった。
背中からは、特に都華の変化は見当たらなかった。
そしてゆっくりとこちらを向いた。
都華は、泣いていた。
何時も泣かない、笑わない、何の感情も見せないあの都華が...泣いていた。
その姿には、全員驚いた。
何時も泣かなかったからでは無い。
都華は、真顔だった。
ただ目から涙が溢れている。
大量の涙が頬を伝って、流れていた。
それは誰が見ても、奇妙だった。
怖い。そう思っても可笑しくはない。
ただそれほどまでに、都華の様子は可笑しかった。
そしてゆっくりと、響香の死体に近寄って行く。
そして、膝を付き....響香の死体を....抱いた。
床に血が広がっていく。
まだ冷たくなかったのか、都華は死体に自分の制服を掛けた。
まだ生きていると信じているのだろう。
もう....血は、直径2メートル程に広がっていた。
出血多量...生徒でも分かった。
もう響香は死んだと...希望なんて何処にも無いと....
不意に、背後、ステージから、殺気を感じた。
振り向くと、青年が自分のポケットからナイフを取り出すのが見えた。
[!!!!]
気がついたのは自分だけか、周りは都華を見たままだった。
そして、今...ナイフが投げられた....
振り向きながら都華に言おうとした....
(都華!!!!)
ただそれは....思っている程簡単に届かず...呆気なく終わった。
それは呆気なく終わるかと思った。
簡単に一人の命は無くなると思った。
だが....
[カンッ!!!]
ナイフは床に刺さった。
初めは、ナイフがずれたのかと誰もが思った。
だが、ナイフはちゃんと刺さっていた。
響香の死体の前に...
そう、都華がいた場所に。
一ミリもずれること無く刺さっていた。
ただ、そのズレが無かったから、都華は生きているのかも知れない。
あの瞬間....都華はこちらを振り返った。
そしてナイフを見た時...普通に...
避けた。
弾く訳でも無い。
事前に知っていた訳でも無い。
ただ、ナイフを見つけ、危険を感じ、避けただけだ。
その光景には、誰もが驚いた。
都華はナイフの刺さった場所からたった5cm、ずれていた。
それだけだが、都華には目立った外傷は無かった。
都華の得意なゲームは、太古の鬼神だった。
あのゲーム...そのレベル鬼神は、何枚も鬼の顔が重なってしまっている....
それを都華は所見でクリアする。
それ即ち、都華は反射神経が良かった。
彼は、その反射神経を使い、先程のナイフを避けたのだった。
それはもう...奇跡としか言えない代物だった...
さあこれから謎がどんどん解かれていきますよー!w