悲劇の犯人
今回は色々と残酷な描写あります。
ご注意を。
(死んだ....)誰もがそう思っていた。だが、不自然だ。...
ステージからは大量の血液が流れていた。
何故、突然死であんな血が出る?
その疑問の答えは次の瞬間、明らかになった。
[皆静かに~]
優しい声が何処からともなく聞こえてきた。
その場にいた全員、教員を含め生徒達は、声の方向に首を向けた。
それは...校長が死んでいる、演台だった。
そこに一人、優しそうな若い青年...(年は20位だろうか?)は、にこやかにそして自然に、体育館にいる人間に言い放った。
[皆さん黙らないと殺しますよ~?]
その声には何も...殺気も活気も冷気も何も感じれなかった。
ただ、その男は、校長に刺さっているナイフを引き抜きながら言った。
それで全員理解したのだろう。今、自分の目の前にいるこの男は危険だと....
体育館は静まった。
そしてその男は語り出す。
[はい。宜しい!皆さん礼儀正しいですね~]
猫なで声だが、そこにいた誰もが思った。
この青年が校長を?...と。その答えが直ぐに分かった。
[はい。皆さん気がついていますねwここにいる校長先生を殺したのは、私です。]
その男は言った。自分が殺したと。ただその言葉で緊張...いやその場の空気は崩れた。
(ああ...この男が殺したのか)と(なんだ。警察に知らせれば良いじゃん)
と安心してしまったのだろう....教師で一番力がある体育教師がステージに上がり男を捕まえようと手を伸ばした。
そしてその教師の視界は、(落ちた)
そう...落ちた。....その青年の足が直ぐ目の前にあった。
どうなったのか?倒れたのか?その教師は気がついていない。自分の身に起こった事を。
周りの生徒達は、直ぐに気がついた....
その教師は死んだ。と...
それはステージ上で首から血を吹き出している教師の体とその下にある教師の頭、そして青年が持っているナイフ....それがこの場の状況を何よりも物語っていた。
教師の体は青年に手を伸ばしたまま、固まっていた。
[きゃあああああああああああああああああああああああああああ!!!!]
ある生徒が叫んだ。
[ああああああ!...............]
ただその声は直ぐに聞こえなくなった。
ドサッ...
そんな音が体育館に響いた。
青年を見ていた生徒は気ずいた。奴の手からナイフが消えていた...
誰かが倒れた音、倒れた人はもう立ち上がって来た気配はなかった。
倒れたのは先程叫んでいた少女だったが、その少女の周りの生徒達は、その子を中心に円形になっていた。
生徒達の足の間からその子は見えた...
少女には付いてはならないもの....頭に、ナイフが刺さっていた。
そしてその刺さっている場所から、今、血が少しずつナイフを伝って垂れていった。
[うっ!]
誰かが叫びそうになった。
[........]
だが待っても悲鳴などは聞こえなかった。
さっき叫ぼうとしていた子は、後ろから他の生徒が、その子の口を手で塞いでいた。
他にも 自分で塞いでいる者。 耳を塞がれ、自分で目を瞑っている者。
それぞれが感ずいている。
ここで叫んだら死ぬ...と
静まった体育館。ステージに倒れている教師の死体。依然として血は出続けている。
[き....貴様あああああああ!!!!!]
その瞬間!沈黙を破った者がいた。
鬼修気であった。
鬼修気は我を失ったのか、ステージに向かって全校生徒の列のど真ん中を走っていく。
そしてステージに飛び乗り、青年と真正面の位置に行った。
そこで、鬼修気は青年を....怒鳴った。
[なんで....彼女を殺した!!!]
鬼修気は、いつものしゃべり方では無かった。
完全にキレてしまっている。
ただそんな鬼修気など目も暮れず、青年は、全員に向かっていった。
[私はね.....悲鳴やうるさくする奴が一番嫌いでね....]
彼は怒りを堪えていた。
声からも、気迫からも読み取れた。
[彼女は不合格だっただけですw]
[不合格?何言ってるんだ!?]
その場全員の思いを鬼修気は言葉にしてくれた。
不合格とは一体....
その疑問の答えを待っている時に、青年は動き....鬼修気の前にいた。
その場の誰もが鬼修気の死を確信した。
[鬼修気!!!]
どうだったでしょうか? 感想お願いします! ではまた次回。