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習作

【習作】永遠

作者: さとう

 時間は流れ、そのまにま、生きて、やがて死ぬ。人は生まれながらにして、一人で歩くことを運命づけられている。

 運命の歯車が回る。同じ所を、ずっと。

 何もない、だから歩く。歩けばきっと何かが見つかるだろう。きっと、何かが……。

 時の回廊に閉じ込められてしまった。どこまで行っても人と違う時間の中にいる。これはどうしようもないものなんだ。

 私の記憶は意識。意識が記憶? どちらでもいい。意識も記憶も私の存在証明になるのなら同じこと。

 顕現と徴。それが私の足跡。いつの時代、どこかで、何をしたか。

 かつてのものは私だ。「これは狂気だ」。すべてのものは私だ。「それは狂気だ」。


 恐れていたのは目覚め。いつまでも眠り続けていたかった。しかし、それを許される世界は来ない。どこまでも時間の地平が連なる。

 果てない夢、あるいは現実。――過去の幻影は現実? ――現在の標を未来の自分へ残すのだ!

 歯車が軋む。時が止まる。太陽が留まる。月は姿を隠したまま。光は満ちている。終わりは何処に。始まりはもう忘れた。自分はどこにいる?


 永遠の中で彷徨い続ける。永遠。それは私。これは狂気なのだろうか。狂気。それが私。これを征服するとき、永遠は終わる気がする。

 それでなくともきっと、何かが終わるだろう。私の命か、世界の破滅か。終わりを告げるときが必ず来る。

 永遠は終わる。終わる。すべてのものが、私が、終わる。

 征服するんだ。世界を、永遠を、狂気を、私を。

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