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勇者×3+魔王+竜+姫=∞  作者: シロタカ
転の秋『七番目の主人公』
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『十一月二十日 晴れ』

 文化祭にて、有志の出し物として行った演劇は大好評だった。

 脚本は、カズマが行った。意外な才能と云うべきか、いや、むしろ――。

「ユーリをヒロイン役にするあたり、素直だね」

「ほっとけ」

 僕の突っ込みに対して、リアルパンチで突っ込みが返された。

 ちなみに、主役はヒロだった。

 文化祭で行う身内に向けた出し物であるから、アイドルとして知名度の高いユーリと生徒会長として顔の広いヒロを起用するあたり、正しい戦略だろうか。

 最初に脚本を渡された時、ヒロは奇妙な表情になっていたけれど。

「どうしたの?」

「わざとらしいぞ。にやにや笑うな」

 筋書きは、王道を反対にしたもの。

 自由のない王子様役のヒロを、自由奔放な異郷の出身者役であるユーリがさんざん引っ張り回して、感化していくというもの。互いの微細な変化の調子が、よく出ていた。

 やがて戦火に包まれていく街で、ユーリが王子に「生きて」と語りかける瞬間。

 彼女は数秒間、痛切な表情になって、たっぱりと間を取ったけれど――。

「名演ね」

「そうだね、あるいは……」

 ナオの感想に対して、僕は笑った。

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