Act8 バイト
「よし、耕太、働け」
「いきなり何をっ!?」
「いや、思ったのだ。耕太がバイトをすれば私のお菓子だったり私のシュークリームだったり私がほしい本だったりが無尽蔵に変えるのだろう?」
「なんで搾取ありきでバイトを勧めるんですか!」
「私の金を君が使えると思っているのか、ばかもの!!」
「僕の金だっ!!」
「ちっ、しょうがないな、割り勘で我慢してやる」
「搾取はするのか・・・」
「ところでバイトをするなら何をしたい?」
「そうですね・・・。飲食は・・・だめだ、客に悲鳴上げられるし。本屋は・・・客に悲鳴上げられるし。コンビニは・・・客に悲鳴上げられるし」
「済まなかった、耕太。配慮がなさすぎた」
「えっ?なにがですか?」
「もはや自分への対応に疑問すら浮かばなくなったか・・・」
「そうですね、やっぱ事務仕事ですかね。ああっ、でも紙に悲鳴あげられたらどうしよう!」
「耕太の頭がどうしようだな」
「じゃあさつきさんはどんなバイトをしてみたいんですか?」
「そうだな・・・あれだ、今はやりの「お帰りなさいませご主人さま」とか言うあの・・・」
「メイド喫茶ですかっ!?是非見てみたい!」
「・・・あの店のみかじめ料をふんだくる仕事がしてみたい」
「ヤクザっ!?」
「なあ、あの仕事をするにはやはり履歴書とかが必要なのか?」
「いや、知らないですけど・・・。やめた方がいいとは思います」
「そうか、残念だ。では、耕太、働け」
「だからなんで僕だっ!・・・そもそも校則でバイトは禁止されてるんですよ」
「破ったらむちうちの刑か?」
「ここはシンガポールかっ!!」
「いやいや、首をこきっとやってムチ打ちにする刑だ」
「そっちだって十分ひどいですよ!」
「しかたがないな。では今まで通り普通に搾取するとするか」
「搾取しているという自覚はあったんだ・・・・・・」