Act6 学校
「漆根君は散々自分の頭が悪いって言ってるけど、なにげにこの学校偏差値高いのよね」
「うん、まあ、近隣では一番高いよね。何でこんな田舎町にあるんだ、って感じだけど」
「そして何で漆根君がいるんだって感じよね」
「いいじゃん別に!」
「本当にショックだったわ。私たちってちょうど隣の中学でしょ」
「まあ、そうなるね。家が近いから必然的にそうなる。それで?」
「だからわたしたちの学校にも隣の中学の問題児2人の名が轟いていたわけよ」
「問題児って言うと、及川と・・・他にいる?」
「いいわよそんなところでボケなくても。それと間違えてるわよ。及川君と漆根君じゃなくて、漆根君と及川君よ。少なくとも近寄らなければ無害な及川君とは違ってうちの学校にもちらほら被害者がいたから」
「ああ、だから僕は春日井さんの母校の男子に追い掛け回された訳ね。確か中3の春、だったかなあ」
「何で懲りなかったのかはなはだ疑問ね。そうすれば世界は救えたかもしれないのに」
「世界っ!?ていうかその文脈だと僕が世界を破滅させたみたいに聞こえるけど?」
「もちろんそう言ったのよ。文脈を読むなんて凄いじゃない。褒めてあげるわ」
「嬉しくない!」
「本当にかわいそうだったわ。及川君は近づかなければいい蜂、漆根君は何もしなくても近づいてくるゴキブリ」
「い、いま人のことをゴキブリって・・・」
「ああ、ごめんなさい!・・・ゴキブリさん!」
「僕に謝れ!」
「私に謝りなさい!」
「なんでっ!?」
「存在している事をよ」
「今までで言われた毒舌の中で最もキツイ一言だ!」
「それで、まあ家からも近いし、レベルの高いこの学校に来れば問題ないだろうと私は思ってたわけ」
「僕の心を今ズタズタにしたのに、いともあっさりと話を戻すね・・・」
「そしたら・・・なぜ2人ともと同じクラスに・・・」
「災難だったね。・・・ってこれは僕が言っちゃいけないか」
「そしてなぜ私が最初に毒牙にかかっちゃったのかしら・・・」
「それは春日井さんが一番きれいだ・・・っ!!・・・いってえ。えっ、春日井さん。何で人の頬思いっきりひっぱたいたまま走って行っちゃったの!?ちょっと、春日井さん?春日井さ~ん!」