Act15 タバコ
「及川って不良のくせにタバコ吸わないよな。なんでそんな中途半端なんだよ」
「いちいち突っかかってくるな、お前は。なんだよまたフられたのかよ」
「くそっ、なんでこいつの精神はこんなにタフなんだ・・・」
「やれやれ、タバコを知らないお前に俺が特別にタバコ講座をしてやる。いいか、タバコは健康を害する。以上だ」
「誰がそんなんで納得するんだよ!」
「俺だ」
「お前かよっ!」
「うるせえな。お前も俺みたいに姉ちゃんに毎日このセリフを言われてみろ」
「ああ、なるほど、絵美ちゃんに言われてるのか。さすがシスコン」
「黙れ」
「確かに絵美ちゃんはタバコ嫌いそうだもんな。絵美ちゃんがタバコ吸ってるところ見たら僕発狂するかも」
「姉ちゃんはしねえな。ただこの前タバコに火をつけて遊んでたからな」
「なに、そんな片鱗を見せてるの?僕を発狂させる気なの?」
「いや、よっぽど憎いらしくてスタンガンでつけてたんだ」
「うわあ。どうすんだよ、及川。そのうち地球上の電力の半分が絵美ちゃんのスタンガンに消費されることになるぞ」
「ああ、そうだな。俺も毎朝スタンガンで起こされるのはこりごりだ」
「もう及川の家に泊まるのはよそう・・・」
「今度避難させてくれ」
「駄目だ。絵美ちゃんなら絶対僕んちに忍び込んで僕とお前をスタンガンで起こすから」
「ちっ。姉ちゃんがお前を殺せばこれに懲りてもうやめると思ったのによ」
「姉にトラウマを与えようとするな!」