Act14 散歩
「君はよく散歩、というか徘徊をしているな」
「まあ、そうですね。ぶらぶらしながらぼーっとできますからね」
「なぜだ、なぜ引きこもらない・・・」
「さつきさんは僕をいったいどうしたいんですか!?」
「人造人間に改造したい」
「ショッカーっ!?」
「まあ、僕の散歩は言うならば家を追い出された結果ですね。つむぎが家に友達を連れてくいるときは僕は追い出されている方が多いんですよ。この前は例外的に風邪をひいていたから許されたんですけど」
「引きこもりが家を失ったのか・・・。かわいそうに」
「そんな憐れみを込めた目を向けないでください。それに引きこもってないですから」
「だが、深層心理では引きこもることを望んでいるはずだ。こんどクローゼットに収納してやろう」
「それは引きこもりじゃなく押しこもりですよ!」
「押してもだめなら引いてみな、というからな。逆もまたしかり、だ」
「うまっ!素直に感心しちゃったよ」
「そうだろう。そしてクローゼットに鍵をとりつけて出られないようにしてやる」
「監禁っ!?」
「いないことを誰にも気づかれなかったりしてな。ははっ」
「いや、笑えない笑えない。こんなところに監禁されたらすぐに窒息死しますって」
「大丈夫だ。この中にはどこでもドアがあるからな。ほら、探してみろ。写メに取ってやるから」
「最近知った単語を使いたがるなあ。やりませんよ!昔は週に2回はやりましたけどもうやりません!!」
「そうか、私の『写すのはメンドウだけど、しょうがないか、はあ』の使いどころかと思ったんだがな」
「そんな略語あるかぁ!!」
「とりあえず君の両手両足だけでも縛っておくか。やれやれ、めんどくさい」
「じゃあやるなっ!」
「仕方ないだろ、そうしなければ改造ができない。君を生身のまま戦わせるわけにはいかない」
「僕の敵は間違いなくあなたですよ・・・。僕を改造したらショッカーの二の舞ですよ」