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君シリーズ

君の尻

作者: 神通百力
掲載日:2026/08/09

君シリーズの十作目です。

 君ってさ、いつもコートを着ているよね。

 もふもふしているのに、コートを着るなんて寒いのかい?


 鋭い目つきで睨まないで欲しいな。

 唸り声を上げられても困るし。


 寒くないのかって? 僕は坊主頭だからね。寒いどころか、涼しいくらいだよ。


 ん? 大きな目がチャーミングで羨ましいって? 

 君だって、ギョロリとした目つきが可愛いと思うけどね。

 爪も長くて素敵だよ。


 ところで次のデートの時にはコートを着ないでほしいな。どうしてかというと、君の尻を覚えていないからだよ。コート姿の君ばかり見ているからさ。


 コートを着ていなければ、君の尻がどんな感じだったか、ひと目で分かるからね。


 どうして不満そうにしているんだい? 本当に愛しているのかだって? そんなの当たり前じゃないか。僕は君を愛しているよ。

 

 尻を覚えていないのにって?

 だから君の尻を思い出すために、次のデートはコートを着ないでほしいんだ。


 なんなら今から、もう一回デートしようだって? 別にいいけど。

 それじゃ、コートを脱いでくれるかい?


 ああ、そんな尻だったね。

 忘れていたな。


 やっぱり君はそっちの方が素敵だよ。


 ねぇ、僕の愛しい猫又さん。


 ――えぇ、私の愛する一つ目小僧さん。

 

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