君の尻
君シリーズの十作目です。
君ってさ、いつもコートを着ているよね。
もふもふしているのに、コートを着るなんて寒いのかい?
鋭い目つきで睨まないで欲しいな。
唸り声を上げられても困るし。
寒くないのかって? 僕は坊主頭だからね。寒いどころか、涼しいくらいだよ。
ん? 大きな目がチャーミングで羨ましいって?
君だって、ギョロリとした目つきが可愛いと思うけどね。
爪も長くて素敵だよ。
ところで次のデートの時にはコートを着ないでほしいな。どうしてかというと、君の尻を覚えていないからだよ。コート姿の君ばかり見ているからさ。
コートを着ていなければ、君の尻がどんな感じだったか、ひと目で分かるからね。
どうして不満そうにしているんだい? 本当に愛しているのかだって? そんなの当たり前じゃないか。僕は君を愛しているよ。
尻を覚えていないのにって?
だから君の尻を思い出すために、次のデートはコートを着ないでほしいんだ。
なんなら今から、もう一回デートしようだって? 別にいいけど。
それじゃ、コートを脱いでくれるかい?
ああ、そんな尻だったね。
忘れていたな。
やっぱり君はそっちの方が素敵だよ。
ねぇ、僕の愛しい猫又さん。
――えぇ、私の愛する一つ目小僧さん。
感想頂けると幸いです。




