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2025年 霜月初旬の短歌集(+俳句ひとつ)


  海をゆく横笛の音に鬨の声

  帰らむ波が胸に滾るも



  天の酒あわ立ち黒く滴りて

  人を惑わすコカイン様よ



  冬立ちて帰りし鴨のめでたきや

  時もたがへず紅葉てる池



  放蕩児せなかに死体かつぎあげ

  墓地をめぐるは妖精の徳



  時のかわ白鱒のぼりとどまりて

  罪を流せし永久の愛



  時失せて午後のお茶会めちゃく茶に

  眠りネズミは夢見つづける



  茶柱が立った立ったと社交会



  たらちねの母さえ知らぬ闇さえも

  長く見つあり小部屋の小箱



  故郷へ帰りたいとや泣く人魚

  紅い帽子に(まじな)いひとつ


 

  子ゾウさん落ちつけ落ちつけ母さんの

  濡れしまつげ玉眼(ぎょくがん)やさしき



  亡き人のおもざし褪せり消えうすも

  諱しらねどめぐり逢うまで



  その鎌でたましい刈りに来たのかえ

  吾と遊べや秋のとうろう



  歷史あり (ナン)のかくすう 神ぞこえ

  廣きたかなる そらAzan(アザーン)ぞな



  夜明けて古今東西おなじ人

  あらねぞおなじ うたう金絲雀(カナリア)


  Dawn breaks across all lands,

  No one is truly the same,

  Yet the singing canary

  Is still the singing canary.



  主文きき吾が罪なれど安らぐは

  瞼のうらに朱き文字みて

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