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2025年 神無月下旬の短歌集
岩ばしる落下傘ふる鬼雨もふる
いづかたなりが降りきしありや
ひさたずみ落ちるは傘と雪時雨
いづかたなりが降りこしありか
あですがた見えぬがままに金木犀
匂い頼りに君さがす秋
ちはやぶる神の半身あたわぬる
不随意筋にただ祈りらむ
追い抜きし車のあとに匂いしは
排気あるらめ金木犀香
やっぱりとがっかりする日来すまじと
祈り願いて浮き世の梅見つ
罪の華さき乱れては嬉しかり
枯れゆくときの死にたい気持ち
まだ咲かぬまだ咲かぬのか咲かぬかと
見つめたりしも咲かぬが花よ
竹われて親指ほどの人魚はね
南瓜の馬車で毒林檎たべ
色つきの派手な人型ロボットよ
消せぬ消しゴムいまも宇宙とぶ
血塗られた英雄のうた胸臆に
母に抱かれし記憶忘れじ
縄を跳び縄に煽られ耳元で
空きりし声「成し遂げられた(τετέλεσται)」
世界とは全単射だと聞きいしが
なんでピアノとハーモニカなの?
「通知」鳴り心ふるえて身がまえる
認知のいくさデジタル・ウォーズ
いつまでも鳴り止まぬ雨 通知音
"ストーカー9K"愛の狂気か




