第95話 ロボさんぽ
1度きりの約束でメイコとやり合うことを承諾した遠藤、3人は国道沿いの歩道
を隊列を組んで歩いている。先頭は遠藤、その後ろをロボと太田が並んで歩く。
「健ちゃん・・弱い、遠藤・よ・わい」
(・・・何だ、化け物のくせに生意気に)
「ははは、そう言うなロボ。ロボに比べたら皆弱いよ」
「山形、かなり強・・い、、こいつ・・・弱い、負ける」
(こいつにコイツ呼ばわりかよ、まったく!)
「あー分かったぞ、ロボお腹が空いたのかな?」
「うん・・・肉、肉・・・食いたい肉大好き」
「遠藤君、その先に焼肉屋があるから一緒に食べないかい?」
「俺はなれ合いはしない、それに1度きりの約束だ。その後は赤の他人だ」
「そうか、美味しいのに残念だ。ところで何時、どこでやるのかな」
「会った時、その場所で・・・」
「面白い趣向だね、良いんじゃないかな。山形ちゃんの、油断からのトップギア
が見られたら尚いいね」
「わりーけど、トップギアに入らない内に終わってるよ」
太田健太郎は、ロボこそ自身が手掛けた最高傑作だと思っている。
自分の手を汚さず悪事に手を染めさせるその手法で、数多を文字通り奈落に
突き落として来た。
庭山の時の様に、歯向かわれて手傷を追う事もあった。
だが、ロボは従順だ。
新井公平。身長193㎝、体重98㎏、スポーツ部の勧誘が後を絶たなかったが、全て
断っていた。本人は柔和で温厚な性格、他人と競うことが苦手だった。
内山田同様、ロボットアニメ好き。がっしりとした筋肉がモビルスーツの様で
それを見た貞光がロボと名付けた。本人もいたく気に入った。
恵まれた体型に温厚な性格、如何にも従順そう、太田の目に留まらぬはずが無い。
太田はロボットアニメの予習をして、新井に近づきその懐に入る。そうなれば
こっちの物、話をする内に初体験がまだで、とても興味が有る事を聞き出した。
相手を紹介する条件で、庭山を襲撃させた。
その後は口淫が得意な他校の女子をあてがい飼いならす。ところが新井のいち物
のデカさにその女子が虜になってしまった落ちが付いている。
流石の太田も苦笑いだった。
今の太田は、奈落に食い尽くされるどころか出先機関の様なポジションを獲得
小さな奈落へと変貌を遂げている。
新井公平は奈落と直接繋がっていない、太田を介して影響を受けているのだ。
「遠藤君、山形は街の南にあるショッピングモール周辺の住宅街に住んでいるよ。
そこに行けばきっと会えるんじゃないかな」
遠藤わたるにメイコをぶつける策は整った。
太田とロボにとって避けては通れないであろう、不死者との一大決戦。
その前哨戦が切って落とされようとしていた。




