第2話 初めての仲間
入学式を欠席した挙句初日から遅刻、そしてこの見た目、嫌でも目立つ存在だ。
休憩時間に入るとそんな瑞穂に興味深々な男子たちが集まり、瑞穂の周りの人口密
度が上がり始め、周囲が汗と皮脂と安いコロンの匂いで充満する。
武市瑞穂は男子が苦手だ。
(おいでなすったかー、食いついて来るのが早いなー)
「武市さんって彼氏いるの?」
「入学式居た?」
「どこ中出身?」
全く持って中身のない質問攻めに、辟易としてうつむいて固まる瑞穂。
その様子を遠巻きに伺っていた一人の女子が男子達に割り込む様に、
突然話し掛けてきた。
「こんにちわ。私、片山サツキって言うんだ。瑞穂なんか部活入るの?」
(何!初対面でいきなり呼び捨て?)
少し面食らった瑞穂だったが、群がり始めた男子達に心中穏やかではない。
話し掛けてきたサツキの存在は思わぬ助け舟となった。
「えーと・・・」
「サツキでいいよ」
「・・・私、お店の手伝いもあるし部活動はどうしようか思案中」
「へー、実家?何のお店?」
「小さな園芸店」
「なにそれ面白そう!」
「生き物相手だから面白くは無い!それに生活が懸かっているから余計大変」
「ふーんそうなんだ」
ちょっと刺々しい口調になったと思った瑞穂だったが、サツキは特に
気にも留めない様子だ。
最後まで粘っていた男子も相手にされていない事を悟り、軽い舌打ちを残して
いなくなった。そんな男子に冷たい視線を向ける2人。
「あっ、それはそうとありがとうね」
「えっ?何が?」
「話し掛けてくれてありがとう。サ、サツキちゃんが話し掛けてくれなかった
ら・・・私、男の人どうも苦手で・・・」
サツキは瑞穂の隣の席に座り距離を少し縮めて小声で呟いた。
「何となく気が合うかなと思って、後、困ったオーラが出てたよ」
これが瑞穂とサツキの初めての出会いだった。




