表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/7

『俺は全てを【パリイ】する ~逆勘違いの世界最強は冒険者の夢をみる~』読了エッセイ

 「防御スキル? 地味そうだな」──正直、最初はそんな印象だった。攻撃魔法や剣技で敵をなぎ倒す派手さこそが、ラノベの花形だと思っていたからだ。だが、ページをめくるうちに、そんな先入観は綺麗に【パリイ】された。


 本作の主人公は、防御一筋。しかも本人は「自分は平凡」と信じて疑わない。だが周囲は、その規格外の防御力を見て、勝手に「世界最強だ……!」と震え上がる。この“逆勘違い”構造が実に痛快で、読んでいて何度もニヤリとさせられた。防御は退屈? いや、それは攻撃に対する受け止め方を知らないだけだと、本作が教えてくれる。


 特に魅力的なのは、【パリイ】という動作そのものの描写。剣戟けんげき、魔法、巨大なモンスターの一撃まで、すべてを受け流す様子が、まるで職人芸のように鮮やかだ。そして、主人公が自分の強さに無自覚であることが、周囲との温度差を生み、笑いと爽快感を同時に引き出してくれる。


 読み進めるうちに、防御という行為が、単なる耐える手段ではなく、仲間を守る信念であり、生き様そのものだと感じた。最後のページを閉じたとき、私は思った。「強さとは、攻めることだけじゃない」と。


 攻撃こそがロマンだと信じていた私の価値観は、この一冊で見事に弾かれた──そう、まるで【パリイ】されるように。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ