氷室_弐
氷室を好きに使ってもいいと言われた結衣はエコバックからどんどん食料品を出していく。
ざっと見た限り、広さは十二畳ほど。木の棚が四段ほど備えつけられており、既に他の野菜や魚がしまわれている。
人が死んだ場所を冷蔵庫代わりにするのは不謹慎極まりないが、食料を無駄にする訳にはいかない。
特売で買った野菜たち、フルーツ、薬味、新鮮な魚や肉、調味料、乳製品を入れていく。インスタント麺やお菓子は冷蔵しなくても大丈夫だろう。
結衣は一つ一つの食材を確認しながら棚にしまっていく。
「これからどうなるのかな」
思わず漏れ出た言葉に俯いてしまう。かじかんでいく指先はネガティブな思考に陥られせてしまうのかもしれない。
「ユイ様」
カルミアは優しく声をかけた。
一度目を閉じてから、結衣はぎこちなく笑ってみせた。
「お腹空いたからご飯にしようかと思うんですけど、キッチン……台所ってあるかしら?」
棚に一度置いた食材を幾つかエコバックに戻しながら結衣は訊ねる。
「料理でしたら私達にお任せください」
「気分転換に自分で作りたいのだけど、駄目ですか?」
逡巡してからカルミアはこう答えた。
「ではご案内致します」