81
申し訳ございません。
更新ミスをしてしまい、差し込みができなかった為、一度、81〜84(→変更後、82〜85になります)削除しました。
こちらが新しい81となります。
新しい86から新しい話となります。
ブックマークくださっていた方は、本当にすみません。
すでに読まれている方、削除している最中に話を読まれた方は、ぶつ切りな感じになってしまい、「??」となってしまったかと思います。
大変、失礼致しました。
「ご馳走でした。どれも美味しかったですわ。メインのステーキは勿論、ホタテのマリネソース、サーモンテリーヌが絶品でした。ほうれん草のキッシュやビシソワーズは優しいお味でほんのり甘く、食べ過ぎてしまいました」
「光栄でございます」
ティアラがシェフに礼を伝えている。
(ギルバート様、良かったですね! 雨に感謝しないと!)
シェフが慈愛に満ちた顔をしていて、気まずい。聞こえてきたお節介に困ってしまう。
「ティアラ様、湯浴みの準備をさせて頂きます。お好みの香油はございますか? お花は浮かべても大丈夫でしょうか」
メイドの一言にドキッとする。
「お構いなく」
ティアラが遠慮すると、メイドは瓶をいくつか持ってきた。
「ローズ、ラベンダー、ジャスミン、ベルガモット、レモングラス、バニラ、色々ありますよ。せっかくですので、ティアラ様のお好きな物をお教えください」
推しの強いメイド達に負け、ティアラは俺がよく使っているベルガモットの香りを選んだ。
(バラの香りも大好きだけど、バート様と同じにしちゃおう)
上目遣いで見られ、ぎこちなく笑顔を返す。
「食休みがお済みの頃、湯浴みのお声掛けをさせて頂きます。では、一度失礼致します。ごゆるりとお過ごしくださいませ」
(ギルバート様と同じ香りを選びましたね! 本日のギルバート様の香油はベルガモット一択です)
(ティアラ様、お泊りにはしゃいでらして可愛い。なんて素直で愛らしい方なのかしら! ギルバート様、大事にしてあげてくださいね)
メイド達の生暖かい視線も痛い。
揃ってお辞儀をした後、皆、部屋を出て行った。家令も遠慮しているのか、早々にいなくなってしまい、二人きり。
ドキドキしていると、ティアラと目が合ってしまった。
(バート様、いつ見ても素敵……なんで、こんなに格好良いの。きゃー! 早速、二人きりよ。私からキスを迫っちゃおうかしら!)
「ゴ、ゴホッ!」
思わず咳き込む。危うく、ティーカップを落としそうになった。
「大丈夫ですか?」
「……ああ、問題ない」
(咳してるバート様、可愛い! 背中を擦って差し上げたい! 流れ的に変ではないはず! いいかな? いいよね?)
ティアラがそっと手を伸ばしてくる。
背中に触れられ、体がビクッと跳ねる。
(バート様ってば、ビックリしてる。あれ? 顔、赤い。嘘……もしかして照れてるの?)
恥ずかしい指摘に顔が益々熱くなる。
心の準備もできないまま、ティアラがうちへ泊まる事となった。
ウキウキしているティアラは可愛い。しかし結婚式
前、節度は持たなければならない。
外は一段と雨が強くなり、より一層不安な気持ちを煽られた。




