表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約者の心の声が可愛過ぎて困っています  作者: りょう
第五章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

114/142

113

 卒業まで残すところ、わずか数日。

 ティアラのデビュタントを無事に終え、卒業へのカウントダウンが始まった。


「バート様、大好きです……」

(私もだけど……バート様の心臓の音、早い……)

 馬車という密室。好きな子にそんな事を言われ、密着しつつ、あちこち触られたら、理性が保たない。

 前に、俺が性急に関係を進めようとしてしまい、怖がらせてしまった。そのせいで、しばらく会話も上手くできない程、拗れてしまった。

 もう怖がらせたくない……

 自分本位で泣かせてしまう位なら、限界まで我慢してみせる。そう思っていたのに……

 慣れる為にと提案されたティアラからのスキンシップ。段々と慣れてきたのか、最近はキスの最中に背中や足を(まさぐ)られ、正直、困っている。

 (もも)を撫でられ、体がビクリと震えた。

(くすぐったかったのかしら。わー……バート様、真っ赤。可愛いな……照れてる顔を見てると、キュンとする)

 違うよ。そんな場所、触られたりしたら──

 その時、唇が重なった。

 何が困るって……

「ティアラ……」

(好き……大好き、バート様……)

 流れてくる甘い声を聞いて、クラクラしてしまう。

 最近、俺を見て、うっとりしている事が増えたし……

 俺はどうすればいいんだ!

「ティ……ティアラ……今日は……この位にしとこうか」

 断腸の思いで距離を取ろうとするが、ティアラが膝に乗っているし、手を繋いだままだから逃げられない。

(バート様の瞳、潤んでる……無理! 大好き! もっとしたい……)

 ティアラは俺の言葉を無視して、抱きついてきた。

 抱きしめただけで折れそうな位、細い腰。俺とは違うやわらかい体。

 限界なんて、とっくに超えていた。

「……ティアラ、ちょ……んっ」

 強引なキスに戸惑う。

 ──ティアラから触れようとしてくれて、嬉しい。

「好きです、バート様……」

 これに耐えられる男はいるのか!?

 今にも負けそうなんだけれど!


 なんとか肩を押さえ引き離すと、ティアラの濡れた唇が目に入る。

(男の人っぽい表情も好き……)

 縋るような目で見られ、喉が上下した。

「も、もうすぐ着くから。続きは帰りの馬車でね」

 耳も顔も熱い……!

 平静を装いきれない。

 暴走を止める(すべ)はなく、俺は毎日、必死だった。

婚約者の心の声が可愛過ぎて困っています』更新再開しました。

商業BLの修正の為、長くお休みしてしまい、申し訳ございません。無事に修正完了しました。6/1(土)には最終話です。一冊全部SSになっています。是非、ご覧くださいませ。

詳しくはXマイページをご覧ください。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ