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婚約者の心の声が可愛過ぎて困っています  作者: りょう
第四章

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(ギル。お前、滅茶苦茶目立ってるぞ。流石に負けたわ。牽制もそこまで行くと病的っていうか。しかもルアーナ嬢のドレスやアクセサリーもお前がやらせたの? サファイアだらけ。俺は知ってたよ? お前がルアーナ嬢を溺愛してるって。でも全身婚約者の色って……お前、二度と俺に『愛が重い』とか言うなよ)

 若干引いている殿下の心の声が聞こえて、羞恥で目を逸らす。

「ルアーナ嬢、デビュタントおめでとう」

 心情は一欠片(ひとかけら)も表に出さない。

 優雅で完璧な微笑を浮かべ、殿下がアイリーン様を連れて、俺達の所へ来た。

「ティアラ、おめでとう。ふ……二人とも素敵ね」

(す、す……凄いわね、ギルバート! 『俺は君のもの』。全身から伝わってくる。いつもクールなのに……こんなに色を合わせてる人、初めて見た!)

 アイリーン様は驚きが隠しきれていない。

 ……そうですよね、俺も見た事ありません。

 今更ながら恥ずかしくなってくる。

(ティアラの格好は自分でしたのかしら。それともギルバートに頼まれて? 『俺の色にして』なんて言ったりしたの……? 初々しい二人だからこそ、驚いたわ。どちらにしても良かったわね、ティアラ。大好きな人からこんな風に愛を伝えて貰えて)

 聞いているだけで照れてしまう。

「髪飾りもリボンもよくティアラに似合ってる」

「ありがとうございます!」

 アイリーン様が褒めると、ティアラが嬉しそうに笑った。


「……ギル、後で部屋を貸そうか?」

 小声で囁かれて、思わず殿下を睨む。

 何を勘違いしているんだ、殿下は。

(おいおい。睨むなよ。不敬だぞ?)

 ご機嫌な様子で聞かれる。

 また面白がって……! (おおやけ)の場でやめてください!

(ギル、お前、いつから、そんな情熱的なタイプになったんだ。王子でも目指してるのか? でも、まぁ……ルアーナ嬢も嬉しそうだし、良かったな)

 悪戯っ子のように殿下が笑う。

 人前で表情が崩れるのは珍しい。

(本当にやめろよ。からかいたくて、突っ込みたくて、爆笑したいの、必死に我慢してるんだ。俺が今まで必死に(つちか)ってきた王太子のイメージが壊れるだろ。後で反省会だな……)

 なんて勝手なんだ。

 殿下はこういう人である。

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