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トラブルだらけのゆる事務所  作者: ゆるるい@なめこ
3/5

私達の運命

「申し訳ございません!ゆるるい@なめこが……」

「まあしょーがないよあやちゃん……うちらが謝ることじゃないよ」

「後書きにはきっと、ゆるるい@なめこの……長いな……」

「ゆるなめこでいいんじゃない?」

「いいねそれ。えー、後書きには、ゆるなめこの謝罪が、つらつらと書かれていることでしょう。」

「謝罪はこれくらいにして、今回のあらすじ!」

「少し嫉妬する私!困るしほ!逃げるりい!でお送りします。」

「テンションおかしい…あやちゃんが狂った……。」

「狂ってない」

「狂っ……」

「狂ってない」

「はい…」

「よし、あらすじは終わりだね」

「あっ、ねぇ、あれやらないと」

「あれ?」

「ゴニョニョ」

「えー……やるの?」

「とてつもなーくえらーいりいさんからの命令らしいです。」

「しほが従うなんて……しかも棒読み!」

「まあ、これ自体は結構好きだし……やろやろ!」

「了解!」

「それではみなさん!せーの、」

「「事務所の日常、楽しんでください!」」

「あああああああああああああああああああああああああああ!暇だああああああああああああ!」

横で叫ぶりいに、うちは無言で頭突きをかます。

「その動きは見切ったぁ!ふははははははあー!」

「うるっさい!叫ぶなあー!」

りいがうるさすぎてついうちも叫んでしまった。するとやっぱり、りいはうちが叫んだことを突っついてきた。

「あれあれぇ?ぼくには叫ぶなって言っておいて、しほさんは叫ぶんですかぁ?」

くっそこいつムカつく!

うちがりいになんの技を決めてやろうかと思うと、面倒事を察知したあやちゃんが、

「そこまでにしときなよ〜?リアル大乱闘になったら多分泣くのはりいなんだから。」

と言ってくれた。流石みんなのあやちゃん!

ちょっとビビったのか、りいは咄嗟に話を変えた。

「にしてもさあ、だーれも来ないねー……。」

「そりゃ、まだ家具とか置き終わってから3時間ぐらいしか経ってないじゃん。しかも、りいはずっとゲームしてたんだからいいじゃん。」

そう、うち達は事務所を作ったはいいものの、依頼人が来なくて暇をしている、おバカな人達なのだ。

「いやぁ、このゲームまじで面白いんですよ!もう3週目に入っちゃったくらいだよ〜!」

結構色々なゲームをやっているりいがそんなに褒めるなんて……。どんなゲームなんだろうと思い、チラッとテレビに目を向けると…

「あ〜、これか。」

最近流行りの、『私達の運命』が写っていた。

すると、意外なことに、あやちゃんが反応していた。

「あっ、りいもやってるんだ〜。実は私もやってるんだ〜。」

まじか……据置ゲーム機をあんまりやらないあやちゃんすらもやるゲーム……一体どんな神ゲーなんだ……。

「そう!これはとてつもない神ゲーなんです!」

「!?何故分かった!?」

「いやなんか、『ゴクリ…』って顔してたから。」

「まさかりいに読まれるとは…」

なんか悔しい…。

「まありいの変なところで発生する読心術は置いておいて、これは本当にすごいゲームなんだよ。」

「なんかうちだけ置いていかれてる気が……」

と、少し疎外感を感じていると、


ピーンポーン


………………。チャイムが……なった……だと……?

お客さんかもしれない人を、りいがそう簡単に逃がす訳なく、

「今行きます!」

と、言いながら、ダッシュで玄関へと走っていった…。すると奥から

「いぃっだぁ!」

という足をぶつけた時の悲痛な叫び声が聞こえてきた。あいつ……はしゃぎすぎでしょ……。



―――――――――



「こんにちは。あの、ここってなんでもしてくれるって聞いたんですけど…。」

高校生ぐらいの女性が、控えめに聞いてきた。

「はい!ここは、お客様のお悩み相談、やって欲しいこと…その他もろもろ。やらせて頂きます!」

りいにあんな丁寧な接し方が出来るんだと少し驚きながら、私は、補足を付けた。

「さすがに、法に触れるような事は出来ませんが…私達が出来る範囲でしたら、やらせて頂きます。」

「そうですか。良かった……。あの、やって欲しいことがありまして……。」

少しホッとしながら高校生ぐらいの女性…長いな…

「なんでしょうか?あの…ところでお名前を聞いても良いですか?」

ナイスりい!

「あっ、私の名前は二宮葵です。」

「あおいさんですね!それで、やって欲しいこととは……?」

「実は、最近、私達の運命と言うゲームをやってるんですけど、どうしてもエンディングが、同じようなものしか解放されなくて…。」

確かに、あのゲーム、エンディングなかなか開放されないからな〜…。

そういえば、このゲームしほはやってないんだっけ……?しほ大丈夫かな…。話ついていけるかな…?ていうか、しほはどこ行ったんだろう…?

私がチラッと部屋全体を見回していると、

「話は聞かせてもらいました!」

と言いながらドアをバン!と開けたしほが目に入った。

「実は、うちはこのゲームやったことないんですよ!なので、一緒に!」

「えっ!?あっ、はい…?」

しほの勢いに負けたあおいさんは、しほに連れていかれてしまった…。


―――――――――


「さあ、やりましょう!」

うちの思うベスト・ポジションへとあおいさんを座らせて、りいの所持していた私達の運命を起動する。

「あの…ところで…あなたはこれやったことないんですよね……?それだとエンディング解放出来ないんじゃないですか……?」

あおいさんが、とても鋭い質問をしてくる。でも、うちだってバカじゃあない。

「安心してください!きちんと、りいから各エンディングの解放条件がメモしてある紙を貰ってきたんで!」

そう、うちはちゃんと出来る奴だから、あいつがどこかへ行く前に、メモを貰っておいたのだ。

「それじゃあまず、どのエンディングやりたいですか?ていうか、りいのやつでいいんですか?」

うちが、ちょっといい気分で聞くと、あおいさんは、

「あっ、さすがに、家から持ってくるのは辛いので……。あっ、エンディングは、この解放条件が、はてなのやつをやりたいんです。他のやつだったら1人でも出来るので…。」

と、言った。そうか、これ解放条件が書いてあるのか…。あれ?よく良く考えたら……。

うちは、疑問に思ったことを聞いてみた。

「解放条件が知りたいのだったら、ヅヅール先生に聞くって言うのは嫌だったんですか?」

分からない事はなんでもヅヅール先生に聞くのが1番だと思うんだが…。まあ、さすがに全てヅヅール先生に聞くっていうのも、それはそれで……って感じなんだけど。

あおいさんは、少しムスッとしながら

「だって、ヅヅール先生の検索欄で検索してると、候補の所にネタバレ出るんですもん…」

といった。

あやちゃんは、

「もう経験済みなんですね…。辛い気持ち、よく分かります…。私も、それめっちゃやりました。」

全てを悟ったような顔をして、あおいさんをなぐさめていた。あぁ、また疎外感……。

「とりあえず、はてなのやつですね。それはですね〜……。…………。」

「しほ?どうした?」

急に黙るうちを、おかしいと思ったのか、あやちゃんがうちを呼んできた。うちは、このとてつもなく鬼畜な難易度を…口にした…。

「……。レベル99で、見たいキャラクターとの信頼度MAX……との事です…。」

「「…………。はっ?」」

あやちゃんとあおいさんの、驚きの声が被った。

「え?しほ…読み間違いじゃあなくて?レベル100の間違いじゃない?」

「99です…。」

「うわああああ!嘘でしょ!?」

正直、うちは、なんで100じゃなくて99であることに苦しみ?を感じているのか分からない…。どっちでも変わらないでしょと、思うけど、この2人は違った。1回、なんでダメなのか聞いてみよう……!

「なんで99は嫌なの?100も99も変わらないんじゃない?」

と、あやちゃんに聞くと

「このゲーム、1番到達出来ないレベルが99なんだよ…。99レベの時の、レベル100に到達するための経験値が、たったの、1なの!」

「???つまりどういうこと?」

「レベル98の時に、大量に経験値を獲得したら、99で止まらず、MAXの100まで行っちゃうってことなの。」

少し理解出来たような出来ないような…。

「とりあえずおーけーおーけー。」

「ほんとにわかったぁ?」

「うん、ばっちし。」

あやちゃんの疑惑の質問を、華麗に、美しく躱す。そして、あおいさんを励まそうと思い、声を掛ける。

「とりあえず、あおいさん、早くやって、レベル上げ、頑張りましょ?」

「はい…!ありがとうございます……!私、頑張ります!」

元気になったあおいさんは、少し頼もしく感じた。

「あっ!ねえしほ!見て?」

あやちゃんの言う通りに、ゲーム画面を見ると、

「99レベセーブあるじゃん!」

そうか!これはりいのやつだから、色んなセーブがあるのか……!

「あとは、あおいさんの見たいキャラクターの信頼度がMAXであるかないかなんだけど…。」

少し緊張した声で、そういうあやちゃん。早速起動して、キャラクターの信頼度一覧表を見る。

「どのキャラクターがいいんですか?」

「ルネが良いです!」

「おっ!良いですねぇ〜。ルネ。私も好きなんですよ〜。おぉ〜!さすがりい!ルネの信頼度MAXですよ!」

「やった!」

2人が、会話に花を咲かせている間、うちはりいが書いたメモを見ていた。すると、さっきまで気づかなかったけど、小さく注意書きがあった。そこには……。


……りいがどっか行った理由ってこれだったのか…。

2人には、内緒にしておこう……。

「さあしほ!エンディング見るよ!」

「了解」

「あの…でも…その前にユーザーネーム変えないと…。」

あぁ。これりいのだからユーザーネームが変な名前なのか。

「確かに変えなきゃですね〜。りいのユーザーネームでやるのは嫌でしょうし…」

そういいながらテキパキと設定画面へ行って、ユーザーネームを変更した。

「さあ!しほ!今度こそ見るよ!」

「あやちゃんテンションおかしくね?」

「そう?」


『「ねえ、ルネ。私ね、敵を倒すの、大変だったけど、あなたと一緒だったから、頑張れたの。」

「そっか、アオイ。私もそうだよ。」

「ねえ、ルネ。私、ルネのこと好きだよ。」

「アオイ…私も好きだ…。だけど、あなたとは一緒に居られない。」

「なんで?」

「アオイも薄々気づいているはずだ。」

「っ!?」

「……君が真実へと辿り着いた時、この世界は崩壊する。もう既に、崩壊が始まっていた。君は、随分前から、真実へと辿り着いていたんだよ」

「ルネ…私、ほんとは気づきたくなんてなかった。でもっ…でもっ…!」

「この世界は…君の意思を汲み取ってはくれない…。」

「嫌だっ!この世界から離れたくない!」

「でも、安心して…。私は、いいや……、私達は、アオイが元の世界へ戻っても、アオイのことを見守ってるよ。だから」

「ルネ…!」

「元気でね。アオイ」


―――


目が覚めた時、私は、病院のベッドにいた。

目が覚めた時、何も覚えていないのが、こういう系の、テンプレートだと言うのに……。全てを……覚えていた。

「ルネ…私…この世界でも頑張るよ…。だから…見ててね……。」


END23 真実への到達 そして 崩壊』


「「…………。」」

「あおいさん?あやちゃん?」

「どうぅ……した?うぅ…ヒッグ…うぅぅ」

「あやちゃん!?」

「うぅぅ……こんな……こんな……」

「あおいさん!?」

「「うえぇぇぇぇぇん!」」

大号泣しているあやちゃんを、なぐさめながら、あおいさんに感想を聞いてみる。

「あおいさん、どうでした?」

「うぅぅ。信頼度MAXだから、ルネとのとても尊いエンディングかと思ったのに……。でも……好き!」

とても感動している2人を見ていると…、ほんとに…

なんで泣けるんだろう

それしか考えられなかった。

これは、うちがこのゲームに思い入れがないからなのか?それとも普通に、この2人が涙腺もろいだけなのか……。

「ただいま〜。そろそろ終わった?ってうぉ!どした?」

このタイミングで帰ってくるか……。

「あっまさか……エンディング20代のところ見た?」

エスパーかよ……と思いながら答えた。

「その通りだよ…。エンディング23見たら、2人とも泣いちゃって……」

「あ〜……あれはぼくも泣く自信あるわ」

……うちが非情なのか……?

「しほは泣かなかったんだ〜」

「うん……なんか……うん……」

「大丈夫、このゲーム初見で、いきなりエンディングは、ぼくでも泣けないと思うから。」

良かった……。うちがおかしい訳では無いか……。ていうか、中盤とかのストーリーどんななんだ…。

「しほ……。このゲーム…ほんとに良いよぉ…。やろぉ?」

泣きながら布教して来るあやちゃんに、さすがに折れた方がいいのかと思い…

「よしよし、うん、やるから…。まあ元々興味はあったから。」

あやちゃんをなぐさめながら、うちは言った。普段と違ううちのポジションに、困惑しながらも、普段のあやちゃんが、どれだけ大変なのか……というのが、よく身に染みた。



―――――――――



「本当にありがとうございました!あの、お値段は……」

「あー…。お金取るかとか何も考えてませんでしたわぁ…。あー、それじゃあ、300円で……」

りいの驚きの値段に、あおいさんは、目を丸くしながら、財布から300円を出して払った。

「今日は、本当に楽しかったです!本当に、本当にありがとうございました!!」

あおいさん…最初の時より、元気な感じで接してくれてる…。それが、私はとても嬉しかった。やっぱり、同じ感情を共有したからかなと…そう思った。

「あおいさん、また来てくださいね!」

しほも意外と、あおいさんに、懐いてるみたいで……。

事務所というのも、とても楽しくなるんじゃないかと……そう思った。

「それでは!また次回も、どうぞお越しくださいね!」

りいが、今日1番の笑顔で、あおいさんに向けて言った。あおいさんは、

「はい!また来ますね!次はりいさんも一緒にやりましょう!」

とてもいい返事をくれた。

「はい!面白いゲームを持って、待ってます!」

「それでは、さようなら!また今度!」

「「「はい!」」」



「ねえりい?」

「ん?なぁに?」

私は、嫌な予感がしたから、部屋の端っこへと、退避した。

「あのさ、あんた逃げたでしょ!」

「いやいやいや!逃げてない!」

「じゃあなんであのタイミングでどっか行ったんだよー!」

「だって、ぼくまで居たらしほ以外みんな大号泣の嵐だよ!?」

「はあ、もう疲れたからいいや……。」

「諦めてくれてありがと」

第152回、りいしほ対決、完。

あの2人は…ほんっとーに……

「仲良しだなぁ…。」

つい声に出てしまった。たまに、あの二人の関係が羨ましいなって……思うんだよね……。まあでも、こう考えてると大抵

「「あやちゃん!」」

って。私の名前を呼んでくれることが…本当に嬉しいんだ…。

さあて…。明日はどうなるのかな?

こんにちは!作者のゆるなめこことゆるるい@なめこです。まず、本当に申し訳ございませんでした!待っていてくれたそこのあなた!こんなに待たせたのに読んでくれてありがとうございます!

長い間投稿できなかったのは理由…といってもくだらない?ような事なんですけど…。言い訳になってしまいますが、書いてはいました!ですがコレジャナイ感が強くてですね…しっかりした状態で投稿したいなと思ったところ、こんなにも長くなってしまいました…。本当に申し訳ございませんでした!次からは本当に早く投稿致しますので…。

さて!とりあえず…今回のお話は、あやとしほの絡みが多かったですね。それなのに最後に少し、りいとしほの仲に嫉妬してしまう…そんな可愛いあやが主役のお話でした!次の話を、誰を主役にしようかというのは考えてはいないんですけれど…。私の気分によって決まります!オー、マコトニジブンカッテーデスネーワタシ。

でも、もしよろしければ、こんな自分勝手な私の創るゆる事務所を、ゆるーく見守っていただければ嬉しいです!それでは、また次回お会いしましょう!

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