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息子と父の勝負

第1章の20まで修正しました。

微妙に変更している点などもあるので、良かったら見てみてください。



国王が操られたことをきっかけに、城内の警備は強化している。

それに、元々禁書のある地下室は魔力を持っている兵士が監視していた。

念の為に兵士にも話しを聞いたが、キーラとチェイス王子以外入室はしていない。


ルッソの断罪後、みんなで入室して禁書があるのは確認している……。

そうなれば、やはり奴しかいないが。


ディアスの元で禁書は見つからなかった……。

念の為に拘束し、幽閉すると言っているが大丈夫だろうか。


「アレクセイ……?」


眠たそうなアイリーンが部屋にやってきた。


「あぁ、起こしてしまったかい?」


「いいえ、眠らないの?」


正直とても眠たいが……。


「警備のことを考えていたんだよ。」


「あの……。」


何か言いにくそうにしている。

子供たちに何か言われたんだろうか……?


「どうした?」


「ミシェルとダニエルが、警護につきたいと言っているの……。」


まぁ、良い出すような気はしていたが……。

レニーの側を離れてまで警護につきたいというのなら、本気なんだろう。

だが、アイリーンはもちろん子供たちが心配で反対して欲しいんだろうな……。


「ふふっ、私から話せばいいのかい?」


「…もしかして、反対しないつもりなの?」


アイリーンが私を睨み付ける。

まぁ、全く怖くはないんだが……。


「…そうだな。リボンを貸してくれるかい?」


「リボン?何をする気なの……。」


私が笑っているのを見て、アイリーンも気づいたようだ。


「はぁ……。まったく、ケガをさせないでくださいね。」


「ふふっ、起きたら知らせてくれ。」


さぁ、息子たちはどれぐらい強くなっただろうか……。




「旦那様、坊ちゃんたちが庭でお待ちです。」


「そうか。アーティその呼び方をすると怒られるんじゃなかったか?」


ミシェルとダニエルは、坊ちゃんと呼ばれるのを嫌がる。

アーティは、全く気にせずにそう呼んでいるが……。


「いつまでたっても、私にとっては坊ちゃんですから。」


「ふふっ、そうか。」



庭に出ると、ミシェルとダニエルとフィンが待っていた。


「フィン、どうしたんだ?」


「いえ、面白そうなので見に来ました。」


すっかり明るくなったな……。

レニーの好奇心にあてられたのだろうか。


アイリーンのリボンを頭に巻いた。


「何をするんですか?」


ダニエルは、不思議そうにリボンを見ている。


「このリボンを奪えば、お前たちの勝ちで構わない。」


「2対1ですか?」


アーティがミシェルとダニエルに剣を渡した。


「魔力を使っても、何をしても構わない。」


ミシェルとダニエルは、顔を見合わせてにっこりと笑った。


「いつでもいいぞ。」


さぁ、お手並み拝見だな。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「久しぶりだな、我が弟よ」


鎖に繋がれているにも関わらず、相変わらずだな。


「元気そうですね……。兄上。」


「あぁ、鎖に繋がれているにしては元気だろうな。」


この状況でも軽口が叩けるのだから、大したものだ。


「それで、家を勝手に捜索したあげく、何故王都に私を連れ戻した。」


「詳しいことは言えません。ですが、しばらくここにいてもらいます。」


本当に、抜け出したりはしていなかったのだろうか。

20年近くの間、ずっと大人しくしていたようには思えない。


「ふふっ、まぁ好きにすれば良い。国王の指示に従おう。」


「会えて良かったですわ。さぁ、騎士団長お連れしてください。」


私の手を握り、キーラが指示を出した。


「すまない……。」


「いいえ、あなたはもう兄の陰に隠れる王子ではありませんわ。それに、今は私がいます。」


そうだ。今は、兄に怯えていたあの頃とは違う。

しっかりしなくては……。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「旦那様っ‼」


アーティが声を荒げた。

私がミシェルを捕まえていたからだ。


「ふふっ、安心しろ。ケガをさせるわけがないだろう。」


「僕たち、もうボロボロだけどね……。」


リボンは、奪えなかったか……。


「せこいかもしれませんが、旦那様もリボン全体を守ることはできなかったようですよ。」


フィンが微笑みながら言った。

全体……?


よく見ると、リボンの一部が切り取られていた。

あの時か……。


「それで、警護につきたいのか?」


「……はい。」


まぁ、合格としても良いが。

真っすぐな性格のダニエルはリボンを全部取れなかったので断るかと思った……。


「あれを、勝利とするのか?」


「いえ、ですが……。叔父さまが、意地だけではどうにもならないと教えてくれました。」


兄さんに指導を頼んで正解だったな。


「そうか。2人共強くなったな。」


ミシェルとダニエルの頭を撫でると、少し恥ずかしそうに微笑んだ。


「フィン。お前は、当日レニーの側を離れるな。」


「はい。かしこまりました。」


強くなろうとしているこの子たちを止めることはできないだろう。


「コンビネーションは、見事だった。だが……2度は私に通じないぞ。」


「わかっています。」


ダニエルの火と、ミシェルの闇。

共に戦うには相性が良い組み合わせだろう。


「まだまだ、お前たちは強くなれる。また、そのうち相手をしてやろう。」


「次は、1対1でお願いします。」


まったく、生意気を言うようになったな。

それにしても、アイリーンに怒られるかもしれないな……。



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