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勘違い



学校へ行くと、机の上に紙が置かれていた。


”会いたい?”


私の質問には答えないつもりなのか……。

でも、絶好のチャンスかもしれない。


もし、私の転生が偶然じゃないのなら誰がこの世界に呼んだのか知っているかも。


私は、”会いたい”と書いて机の中に紙を入れた。


ドナルド様に話すべきだろうか、、、

心配していたから、危険だと止められるかもしれないし……。


ビビアン「…リー、マリー?」


マリー「えっ、ビビアン?」


ビビアン「フフッどうしたの?何回も呼んだのに。」


マリー「なんでもないわ。どうしたの?」


ビビアン「魔法薬学のクラスの授業で手伝って欲しいことがあるんだけど……。」


マリー「えぇ、いいわよ。行きましょう。」


ビビアン「私ね、来年からエンバー様に魔術を教わることになったの。」


マリー「魔術?」


ビビアン「えぇ、やっと許可がもらえて魔術師を目指すことにしたわ。」


魔術師なんていたんだ。

知らなかったな。


マリー「そうなの。魔法薬学だけじゃダメなの?」


ビビアン「私は、前にウォーリア国へ行けなかったでしょ?本当は…悔しかったの。」


そんな風に思っていたなんて……。


ビビアン「だから、あなたたちに並べる方法をエンバー様に聞いたの。それで、魔術師を目指そうと思って。」


マリー「そうだったのね。」


ビビアン「えぇ、いつかマリーだって守ってみせるわ。」


マリー「フフッ、ありがとう。」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ライラ「チェイス様、お話が……。」


ドナルド「僕は先に行っているね。」


チェイス「あぁ。」



ライラ「私わからないんです。何故、チェイス様が冷たくなったのか……。」


チェイス「冷たくしているつもりはない。」


最初の頃はクラスも同じで、貴族たちの中に囲まれ不安かもしれないと思ってはいたが……。


ライラ「前は、私の話しを親身に聞いてくださいました。」


そうだっただろうか……。

他国とのことや街外れのことなど色々なことがありすぎて、正直構ってはいられない。


ライラ「全て、レニー嬢のせいですか?」


チェイス「レニー嬢のせいとはどういう意味だ?」


ライラ「本来なら、街外れのことだって私がチェイス様としていたハズです。」


はぁ……何を言っているんだ。


チェイス「すまないが、意味がわからない。」


ライラ「私が街の人たちを助けていたのを知り、彼女が真似をしたのでしょう?」


そういえば、街の人を助け聖女と呼ばれているとか言っていたような……。


チェイス「それは、違っている。レニー嬢は、君が街で人助けをする前から街外れなどにも行っていたのだ。」


本当に、レニー嬢が自分の真似をしていると思っていたのか。


ライラ「…あなたが選ぶべきなのは、私なのです。」


話が通じなさすぎて、怖くなってきた。


チェイス「何の話をしているんだ?」


フィン「チェイス王子、ジェイソン様が呼んでいらっしゃいます。」


気づくとフィンが後ろに立っていた。


チェイス「そうか、ありがとう。ライラ嬢、君のことを軽んじているわけではないが、レニー嬢が真似をしているというのは全くの誤解だ。呼ばれているので、すまないが、もう行く。」


ライラ「お待ちください!私は…必ず聖女に選ばれます。そうすれば、チェイス様を私を認めてくださいますか?」


フィン「ライラ様。お節介かもしれませんが、少し頭を冷やされてはいかがですか?」


ライラ「あなたは黙っていてちょうだい。」


フィン「レニー様があなたの真似をしているなどと、ふざけたことは2度と言わないで頂きたい。」


ライラ「あなたには、関係がないでしょう。」


フィン「私には、関係があるのです。」


チェイス「おい、何を……。」


ライラ「……何それ。」


フィンは上着を脱いだ。

体中には、数え切れないほどの傷が付けられていた。


フィン「全て道具の試し切りで付けられた傷です。街で救ってくれたのは、あなたではなくレニー様です。私の命の恩人をこれ以上侮辱するのであれば、聖女だろうが何だろうが許しはしません。」


フィンは上着を着直した


フィン「さぁ、チェイス王子。行きましょう。」


チェイス「あぁ……。」


ライラ嬢も流石に言葉を失ったようだ。



チェイス「すまない。」


フィン「何がでしょうか?」


チェイス「その傷は、王族の責任でもある。それに、見せたくはなかっただろう。」


フィン「フフッ、別にチェイス王子の為に脱いだのではありませんよ。」


全て、レニー嬢の為か……。


フィン「なんて顔をしているのですか。安心してください。もう2度とこの体に傷がつかぬよう鍛え上げられていますから。」


チェイス「アストレア公爵らしいな。」


フィン「それに今更ですが、ジェイソン様に呼ばれてはいません。」


チェイス「えっ?」


フィン「困っているように見えたので、ウソをついたのですよ。」


チェイス「……確かに助かった。」


フィン「いいえ。私はレニー様の元へ戻ります。」


チェイス「そうか……。花は、順調に育っているのか?」


フィン「えぇ、芽が出ただけで大騒ぎしていましたよ。もう蕾なので、子供のように”ねぇ、明日は咲くかしら?”と毎日眠る前に言っています」


チェイス「フッ、想像ができるな。じゃあ、俺はドナルドの所へ行くから。」


フィン「はい。」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「ライラ様、どうでしたか?」


「チェイス王子は、応援してくれると言っていましたか?」


ライラ「えぇ、私が聖女に選ばれると確信しておられました。」


「まぁ、それは素晴らしいですわ。」


「きっとライラ様が、チェイス王子の婚約者になりますわね。」


ライラ「…そうね。そうよね。」


私が、聖女に選ばれるのは確実なハズ……。

今はレニー嬢に夢中でも、きっと私に振り向いてくださるわ。




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