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動き出した歯車


私は、17歳になりレニーは15歳に。

ローランも魔力のテストを終えて、闇の魔力だと判明した。

ローランは、叔母様の教える魔法薬学のクラスへ入ってビビアンと一緒に学んでいる。


街外れの復興は順調で、レニーが育てるように指示した穀物を使ったお菓子が名物に。

そして、リーン嬢の本のおかげで人々は文字も読めるようになった。

レニーは、サーリア嬢が人々に裁縫を教えているのを見てサーデザーの布を利用しようと考えた。

サーデザーの布を輸入し、サーリア嬢と人々が作ったモノを売り出し街外れの資金にしたのだ。

サーリア嬢は遠慮しているが、レニーは彼女の才能を生かしてブランドを立ち上げる気満々だ。


リリアンは、令嬢というよりも女性初の騎士になろうと叔父様のクラスに入った。


レニーは、ナタリー嬢との手紙のやり取りを楽しんでいる。

ミシェルにもウォーレン王子からの手紙が来ているようだが、内容は教えてくれない。


チェイス王子とレニーの仲は、一向に進展していない……。



マリー「そろそろ、卒業してから何をするか決めないと……。」


別に令嬢に仕事は必要ないけど、みんなそれぞれやりたいことを見つけている。

置いて行かれている気がして、少し焦っている。


ドナルド「何か好きなことはないの?」


マリー「そうですねぇ……。」


前世の趣味はゲームとアクセサリー作りだったけど、今の目標はレニーを幸せにすることだ。

問題は、レニーが王子たちがいなくても十分充実しているということだ。


ドナルド「何か落ちたよ?」


カバンから何かが落ちたようだ。


紙?


マリー「これ……。」


”どこまで、クリアした?”


前に受け取った手紙と一緒で日本語で書かれている。


ドナルド「どうしたの?」


マリー「いえ、何でもありませんわ。」


前もドナルド様が側にいた。

もしかして……。


マリー「これ、どこから落ちましたか?」


ドナルド「カバンだと思うけど……。どうして?」


まぁ、ドナルド様なわけないか……。



フィン「お嬢様、知らせたいことがございます。」


マリー「どうしたの?」


ドナルド「僕は、外した方がいいですか?」


フィン「いいえ、ドナルド様もそのうち聞くことになると思いますので……。教会側が、レニー様を聖女候補にすると発表しました。」


マリー「聖女候補は、ライラ嬢でしょう?」


フィン「そうです。2人を聖女候補として発表したのです。」


ドナルド「競わせるつもりなのか?」


フィン「おそらく。同じ光の魔力保持者として、レニー様を見世物にする気でしょう。ライラ嬢がアストレア公爵の娘に勝てば、聖女としての拍がつくと考えた可能性が高いです。」


マリー「ふざけないでちょうだい。レニーを見世物にする気なんてないわ。」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


バン(ドアを開ける音)


アレクセイ「どういうことだ!今すぐ説明しろっ」


司祭「これはこれは、アストレア公爵どうしました?」


アレクセイ「レニーを勝手に聖女候補として発表しただろ。」


司祭「えぇ、民の声を聞いたまでですよ。光の魔力保持者として、2人が候補に挙がるのは自然です。」


アレクセイ「そもそも、聖女など既に無くなった文化だろう。」


司祭「そうですが、人々が求めているのです。民の声を軽んじるおつもりで?」


アレクセイ「何を考えている?あの娘を使い国の実権を握ろうとでもしているのか。」


司祭「そんな気はさらさらありません。気に食わないのなら辞退しても構いませんが、レニー嬢の恥になるかもしれませんね。」


アーティ「貴様……。」


アーティが剣を抜こうとする。


アレクセイ「うちの娘が負けるわけないだろう。お前の計画がなんであれ、あの子たちはバカではないぞ。」


司祭「存じております。」


アレクセイ「帰るぞ。」



「司祭様、よろしかったのですか?」


司祭「構わないさ。目的は必ず達する。」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



リーン「この服のデザイン可愛いですね。」


サーリア「えぇ、私は絵があまり上手じゃないからレニーに書いてもらったのよ。」


レニー「サーリア様のアイデアを絵にしただけです。」


ビビアン「ねぇ、私は薬草とか薬を持ち歩くから男性の服みたいにポケットがあれば嬉しいです。」


サーリア「確かに、仕事とかに合わせて服を作るのも面白いかも……。」


「あの……。レニー様私たち応援しています。」


商家の子たちが話しかけてきた。


レニー「何を?」


「聖女候補に選ばれたのですよね?私たちは、レニー様しかいないと思っております。」


レニー「聖女候補?」


「まだ、お聞きになっていないのですか?ライラ嬢と一緒に候補に選ばれたのですよ!」


サーリア「なんですって?」


レニー「そう。応援してくれてありがとう。前、お菓子を買いに来てくれたわよね?」


「はいっ。とってもおいしかったです。」


レニー「ありがとう。また是非、買いに行ってね。」


「はい。」


商家の子たちは去って行った。


レニー「サーリア様、あんな風に声を荒げてはびっくりされますよ。」


サーリア「でも、聖女候補だなんて。」


リーン「確かに、もうライラ嬢で決まるモノと思っていましたわ。」


ビビアン「せっかく、ライラ嬢の派閥も大人しくなっていたのに……。」


レニー「聖女なんて、必要ですかねぇ。」


サーリア「何を吞気なことを言っているの?競わせるつもりなのよ!」


レニー「何で競うのでしょうか……。それに、きっと聖女を決めるだけというわけにはいかないのでしょうね。」


ビビアン「どういうことです?」


リーン「確かに、公爵家のレニー嬢が負ければ教会の勢力は増すのではないですか?」


サーリア「あんな卑怯者にレニーが負けるハズないわ。」


ビビアン「しかし、勝ってもレニー嬢は聖女として教会に属することになります。」


レニー「フフッ、困りましたね。」



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