イベント?
比較的平和な学園生活だったのに、ライラのせいで令嬢たちの派閥できかけている。
レニーは一切気にしてないけど、ビビアンやミシェル達はピリピリしているようだ。
魔法薬学のクラスが出来たことで、貴族だけでなく商家の子たちも来年から入るそうだから、流れは変わるだろうけど……。
それにしても、乙女ゲームのストーリーが一切当てにならない。
あの手紙も結局誰が出したのかわからないし……。
ドナルド「またブツブツ言っているけど、どうしたの?」
マリー「えっ、あぁ少し気になることが……。」
ドナルド「ライラ嬢のことかい?」
マリー「まぁ、レニーは全く気にしてないのでとやかく言う気はありませんけど……。」
ドナルド「チェイスがライラ嬢に話しに行ったんだけど、彼女は自分は何も言っていないと答えたそうだよ。」
マリー「そうですか……。」
レニーは、リーン嬢やサーリア嬢と一緒に街外れの人の為に新しい本などを考えている。
ドナルド「心配ないよ。僕たちがついている。」
マリー「ありがとうございます。」
レニー「サーリア様、もしよかったら街外れの人に裁縫を教えて頂けませんか?」
サーリア「えっ、私が教えるの?」
レニー「えぇ、私は裁縫が苦手なんです。」
サーリア「構わないけど……。私、あまり好かれるタイプではないから、、、どうかしら。」
リーン「フフッ、そんなことを気になさるのですね。」
レニー「サーリア様は、はっきりと発言なさるだけで、とても優しい方です。大丈夫だと思いますよ?」
サーリア「そうかしら……。」
リーン「私も、一緒に行ってみたいです。2人で、行ってみませんか?ビビアン嬢もマリー嬢も一緒ですし。」
サーリア「それなら、行ってみようかしら。」
レニー「きっと、みんな喜びますよ!」
令嬢「レニー様。少しいいですか?」
レニー「はい?どうされたんですか?」
あれは、確か伯爵家の令嬢だったハズ……。
令嬢「一緒について来てください。」
マリー「レニーに、何の用事があるの?」
令嬢「マリー様に関係のない話です。」
レニー「お姉様、私は大丈夫よ。」
レニーは、行ってしまった。
リーン「大丈夫ですかね?」
サーリア「あの子、ライラと一緒にいた子じゃないの?」
もしかして、イベント的な感じなのかしら……。
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何人かの令嬢が待ち構えていた。
「あなた、ライラ様のまねごとをしているそうね。」
レニー「真似事とは?」
「街の人たちを救っていると、触れ回っているでしょう!自分も光の魔力だからって、聖女に選ばれなかったのが悔しいからってみっともないわ。」
レニー「聖女なんかに興味はありません。」
「年下のくせに生意気。公爵家だからって調子に乗っているのでしょう!闇の魔力の家系のくせに。」
ワンダ「レニー放っておいたら?こいつらバカなんじゃない」
「知っているのよ。アストレア家が公爵家なのは、闇の魔力で人々を操っているからでしょう!」
「あなたの姉も兄も、王族に近づき闇の魔力で操っているんだわ。」
レニー「それは、誰が言っていたのですか?」
「みんな言っているわ。あなたたちの家族は、1度王家に背いたクセに公爵家のままなんて変でしょう?闇の魔力に決まってるわ。」
「穢れた血を持つあなたが、そもそも聖女に選ばれるワケないけどね。」
レニー「だから、聖女に興味はありません。伯爵家と男爵家の令嬢が馬鹿馬鹿しい。本気でそんなことを言っているのですか?」
「だったら何よ。事実でしょう。」
レニー「それでは、闇の魔力で操られるほど国王やチェイス様たちがうつけだとおっしゃっているのですね。」
「なっ、そんなの屁理屈よ。」
レニー「それに、穢れた血とは何のことでしょうか。私の家族と友人を侮辱して、あなた方や両親は後悔しないのですね?」
レニーの体が光に包まれ出す。
ワンダ「レニー、魔力を使っちゃいけないよ!」
「私たちを攻撃するつもりなの?」
「魔力で対抗しようなんて卑怯よ!」
チェイス「何をしてるんだ?」
チェイスとミシェルたちがやって来た。
「チェイス王子、レニー様が私たちに魔力を……。」
ライラが駆け付けた。
ライラ「チェイス王子どうされたのですか?」
「ライラ様。私たちは、レニー様に攻撃されそうに……。」
ミシェル「レニーが攻撃するはずないだろう。それとも、何かされるようなことを言ったの?」
「いえ、私たちはただライラ様の手柄を自分のモノにしようとするのを辞めるように言っただけですわ。」
ライラ「あなたたち、勝手な行動はしないでと言ったでしょう。」
チェイス「手柄とは、何の話だ?」
「街の人たちに歩み寄り、助けているのはライラ様ですわ。それなのに……。」
ダニエル「はぁ……。聞くに耐えない。レニー大丈夫か?」
レニー「私は、手柄にも聖女にも興味はありません。でも、次同じことを言えば私はあなた方を許しません。」
レニーは去って行ってしまった。
ライラ「チェイス様、私は何も……。」
チェイス「ライラ嬢。キミはまだ正式に聖女になったわけではない。それに、個人的には君が相応しいとも思っていない。」
チェイスはレニーを追いかけて行った。
ダニエル「今後、一切レニーに近づくな。」
ミシェル「次は、廃嫡になる覚悟で立ち向かうと良いよ。」
ライラ「ロベルト様、あなたからチェイス王子に誤解だと言ってください。」
ロベルト「ライラ嬢、僕も兄さんと同意見だ。君たちも、自分の目でしっかりと物事を見た方が良い。」
やっと見つけた。
チェイス「レニー……。」
バシャーン(水に飛び込む音)
チェイス「えっ、レニー嬢!?」
全然上がってこない。
溺れたのか……。
パシャ
チェイス「はぁ……。レニー嬢なにをしてるんだ?」
レニーが髪の毛をかきあげた。
レニー「チェイス王子もいかがですか?」
チェイス「入れるわけないだろう。」
レニー「じゃあ、何故来たんです?」
チェイス「それは……心配になったからだ。」
レニー「フフッ、少し頭を冷やしているんですよ。」
チェイス「何を言われたんだ?」
レニー「…大した事ではありませんわ。」
チェイス「賢いが、ウソは上手くないな。」
レニーが水から上がった。
レニー「アストレア家が王族を裏切ったというのは、本当ですか?」
チェイス「彼女たちが言ったのか?」
レニー「真実を教えてください。もし、言えないのならこの場から去ってくれて構いません。」
チェイス「……アストレア公爵夫人は、私の叔父でお父様の兄ディアスの婚約者だったんだ。精霊使いとしての能力を他国の侵略に使おうとする危険な思想の持ち主だった。そこで、アストレア公爵やお父様たちがディアスを廃嫡にし、国外追放にした。」
レニー「そうですか。だから、お母様はあまり王族が好きじゃなかったのですね。」
チェイス「もう2度と繰り返す気はない。魔力で誰かを制圧するつもりはない。」
レニー「フフッ、チェイス王子らしいですね。面白いモノをお見せしましょうか?」
チェイス「なんだ?」
レニーがチェイスの手を握った。
チェイス「えっ……。」
バシャーン
レニー「守りの魔法で、バリアを張っておけば水の中でも話せるんです。」
チェイス「凄いな……。」
あまり泳いだこともなかったから、水の中がこんなに綺麗だとは思わなかった。
レニー「ウォーリア国の海には、たくさんの生き物がいるそうです。」
チェイス「興味があるのか?」
レニー「えぇ、見てみたいです。」
水から上がった。
どこへでもレニー嬢なら行ってしまえるのだろう。
チェイス「レニー嬢、私がウォーリア国で言っていたのは……。」
マリー「レニー!大丈夫なの?」
ドナルド「あれ、ちょっと邪魔だったかもしれないよ?」
チェイス「……いや、まぁいいんだ。」