何かしらの成長記録
マジで適当に書きました。
僕はずっといじめられていた。スクールカーストの最底辺として虐げられ続けてきた。中学校を機に転校してから三年間経つ今もなお、上靴は週に一回どこかに捨てられている。もちろん世間の一部の人間が提唱する「いじめられる側にも原因がある論」も僕から見れば十分正しいと思うし、女の子に話しかけられただけで返答に30秒を要する僕ははなからこうなる運命だったのだろう。今日も教室の僕の席、どこかに画鋲が仕掛けられていて、どこかに落書きがされていて、半径2mに誰もいない空間で、一人ランチパックを囓っていた。
成績は悪くない。授業は誰からも話しかけられない分集中して受ける事ができた。おかげで校内テストも上位を維持し、それがよりいじめグループに火を付けるという、絵に描いたような悪循環の中に僕は立たされていた。
一日の終わりを知らせるチャイムの音が校内に鳴り響いた。すかさず僕はカバンを肩にかけそそくさと退散する。仮に誰かが僕のそばでストップウォッチを手にしタイムを計っていたのなら、恐らく僕は校内最速ラップをたたき出していただろう。それぐらいの敏速で階段を降り靴を履いていた。無駄に重厚な校門を通り抜け、天敵を見つけ逃げ出す小動物のように帰路につくと、ようやくそこで胸をなで下ろし深呼吸をした。静かながらこれが僕の戦いの終わりを知らせるゴングのようなものだ。誰もいない県外の進学校に行くため、毎日過酷な仕打ちを耐え勉学に耐える僕の戦いが、一旦幕を下ろしたのだ。
今日という一日を無事耐え抜いた喜びを噛み締めながら家へと帰る道すがら、いつも通るコンビニを過ぎた辺りで、なにやら奇妙な光景を目にした。見慣れない一人の男、彼は何かを演奏(のような行為)をしていた。何なのだろう、見たことも無い楽器(のような物)だった。思わず僕は足を止め聴き入る。
あれは一体何なのだ?その果てしない疑問がもやとなり僕の脳内と思考を不明瞭にしていった。気付けば催眠術にかかったかのように男の方へ近づいていく、僕の思考を追い越すように体は自然と歩みを進めていった。
とうとう男と僕の間には僅か2mほどの距離しか隔てていなかった。もう僕の心に迷いは無い、次は自分の自由意志で口を開いてこう言った
「それは何ですか?」
10分で書きました。