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星を巡る竜  作者: 夢想紬
第二章
69/227

41 木洩れ日の中の美少女

 燦然と頭上に輝く純白の光を、その場に居た者達は心奪われたかの様に見上げていた。

 リュウとジーグを治療するリーザや魔導士達も顔を上げて目を見開き、治療されるリュウとジーグも痛みを忘れてポカンとした表情を輝く光に向けている。

 やがて光がその輝きを収め始めると、光の中からその光を凝縮した様な巨大な白い翼が現れる。


 そこに現れたのは体長七メートルは有ろうかという、光沢を持つ純白の竜。

 全体的に細身の体やシュッとした顎回りに女性的な印象を受ける。


 地上からの眼差しに気付かず、アイスは前方の山脈の尾根を見つめていた。

 そこにはまだ消えることの無い悪意が留まっていたからだ。

 そして、再び悪意が放たれる。


「いい加減にしてっ!」


 自身に向かって来る悪意に、アイスは攻性障壁を張った……つもりであった。

 だがその結果に、アイスは目を見開いて固まってしまっていた。

 アイスの視線の先には森が前方に向かって放射状に(えぐ)れ、更にその先の山が轟音と共に崩れ去ってしまったからである。


「リュ……リュウ……どどど、どうしよう!?」


 巨大な竜の姿のまま、慌てふためくアイス。

 その壮麗な姿が慌てる様は、非常に絵的に情けないものではあるが、地上の面々はそうも言ってられない。


「お、落ち着け! アイス! 危ないから慌てんな!」

「でででで、でもぉ……」


 リーザのお蔭で肺の修復を終えているリュウは、リーザに支えられて立ち上がりながら声を張り上げるのだが、アイスは自身が仕出かした結果が相当ショックなのか、オタオタ、キョロキョロしながら羽ばたいている。


「深呼吸しろ! んで、そーっと降りて来い! そーっとだぞ!」

「う、うん……すぅ……はぁ……」


 頭をガリガリ掻きながらリュウがアイスに指示を出し、アイスは素直にそれに従い慎重に降りて来る。


「ったく、やりすぎだろ! 山が一つ無えじゃねぇか!」

「ちちち、違うんだよ! 障壁を張ろうとしたら、竜力がすごく出たの!」


 建物の三階の窓から顔を出す人に怒鳴るかの様に、リュウに見上げられながら憤慨され、アイスは慌てて弁明する。

 腕をぶんぶん振り回し、翼をパタパタさせて言い訳するその姿は、大きくなっても変わらねーんだなぁ、とリュウは大きくため息を吐いた。


「エンバさん達は一先ず荷車を見てて貰えますか? 俺はとりあえず、アイスと敵を追撃します」

「リュウ様! お怪我の治療が先です!」


 リュウは一先ず此処は安全だとエンバ達に荷物を任せ、仲間を助けるどころか射殺した連中の追跡に向かう事にしたのだが、リーザによって止められる。

 その間にミルクとココアは、置いて行かれない様に主人の肩に取り付いた。


「よし、余も――」

「陛下はまだ傷が癒えておりません! ここは星巡竜様にお任せしましょう!」


 一方ようやく頭の整理が追い付いたジーグは、立場も忘れてリュウに同行しようとしているが、傷を理由に魔導士達に止められていた。


「魔王様、この先は俺達に任せて、町の人達を頼みます! エンバさん、リズさん、ハンナさん、荷物を頼みますね! アイス! 俺を抱えて飛んでくれ!」

「仕方あるまい……」

「分かりました!」

「う、うん!」

「リュウ様! きゃっ!?」


 そうしてリュウの言葉にジーグは渋々、エンバ達やアイスは納得して返事するものの、リーザは治療を続けたくて抗議しようとしてリュウに抱き上げられて短い悲鳴を上げた。


「リーザさんは俺の治療よろしく! アイス! 頼む!」

「うん、分かった!」


 リーザを抱えるリュウの頼みにアイスは右手で優しくリュウの胴を掴むと、横抱きにされたリーザが落ちない様に左手を下から添え、ふわりと浮き上がる。


「リュ、リュウ様! ま、待って下さい! 高すぎます! ア、アイス様、降ろして下さ……きゃあああぁぁぁぁっ!」


 そしてリーザの悲鳴をその場に残し、アイス達は山脈の向こう側に消えた。


「いいなぁ、姉さん……私も乗せて欲しかったなぁ……」

「ふふ……なに、今度頼んでみればいいさ……」

「あたしゃ遠慮しとくよ……さ、荷物の所に戻ろうか」


 ぽっかりと抉れた山脈を見つめながら羨ましがるリズと宥めるエンバは、ハンナに促されるとジーグ達に一礼し、その場を後にした。


「さて、余も一度戻って頭を冷やさねばなるまい……」


 ジーグも治療が終わると二名の魔導士を破壊された城壁に残し、城へと飛び立つのだが、全身が熱いのか寒いのか分からない汗に(まみ)れていた。

 城に残される伝説をジーグは疑った事など無かったが、所々は誇張されたものだと思っていた。

 だが実際に目の当たりにした星巡竜は、伝説すら上回る力をジーグの目に焼き付けたのであった。










「リュウ様……リュウ様……」


 うわ言の様にブツブツ言いつつリュウにしがみつく涙目のリーザではあるが、器用にもしっかりと黄金の光を(まと)った片手で、リュウの傷口を押さえている。


「大丈夫ですってリーザさん。ほら、すごい景色ですよ?」


 余程高い所が苦手なのか、ふるふると首を振るだけで目をつむったままのリーザにリュウは苦笑いするしかない。


「どうやら、さっきの一撃で全滅したっぽいよなぁ……」

「あう……」


 なのでどこにも見付けられないエルナダ兵にリュウが話題を変えるのだが、それを聞いて今度はアイスがおろおろしてしまう。


「アイス、気にすんなって……ちょっと出力がでか過ぎただけで、倒したのは悪い奴なんだから……な?」

「う、うん……」


 そんなアイスを宥めながらも苦笑いの尽きないリュウ。

 そんな中、ミルクとココアが何かに気付いた様だ。


「ご主人様、微弱な通信波を探知しました。降りて捜索しても良いですか?」

「分かった。アイス、降ろしてくれ」


 ミルクに問われて了承するリュウは、アイスに地上へと降ろしてもらう。

 ようやく高所から解放されたリーザが、安堵の深いため息を吐いている。


「なあ、アイス。それって話に聞いてた成人ってやつなのか?」

「うん。間違いないと思う……」


 リュウがアイスを見上げながら星巡竜の成人について尋ねると、アイスは肯定するものの、何だか少々自信が無さそうである。


「だったらさ、父ちゃん達みたいに人の姿に成れんじゃねーの?」

「あ……う、うん! やってみるね!」


 だがリュウに呑気に人化出来るかを問われると、アイスは声を弾ませた。

 リュウは単純に竜の姿で隣をのしのし歩かれても困る、というつもりの発言だったのだが、アイスは嬉しそうに光を発してその身を包む。


 やがて光はするすると小さくなり、その輝きを収めた。

 そうして現れた人化したアイスに、アイスが十五歳だと知っているはずのリーザとミルク、それを聞いているココアの三人が目を見開く。

 そしてそれすら知らないと言うより、アイスを幼児くらいに思っていたリュウは、ぽかーんと口を開けて完全に固まっていた。

 何故ならアイスは、身長百六十センチ程のスラリとした美少女だったからだ。


 「ア、アイス……様……美しい……」

 「ココア……負けました……」

 「同じ女性だとは思えません……」


 それがミルク、ココア、リーザの第一声である。

 女性陣はうっとりした様子でアイスに見惚れていた。

 エルシャンドラの面影を残す整った美貌は、確かに彼女の娘だと疑う余地も無く、お昼時だった事もあって、木々を縫って差し込む光がアイスの透き通る様な白い肌、キラキラと輝く明るい金髪、そして神秘的な青紫の瞳を、より際立たせていたからである。


 ただ一つ残念なのは、着ている水色のワンピースが体型に合っておらず、超ミニのワンピースを通り越して、ただ単に子供服を無理矢理着ているイメージでしかない事だった。

 しかし今はそんな事などどうでもいいのだろう、アイスは間抜け面を晒したままのリュウに近付くと、にっこり微笑んで口を開く。


「リュウ、今までアイスを助けてくれてありがとう。これからもずーっとアイスと一緒に居てね?」

「え……あ……ええっ!?」


 声だけはこれまでのアイスなのに、その容姿がまるで変ってしまった事にリュウの理解がまるで追いついていない様で、リュウは赤い顔で驚くばかりであった。

 そんなリュウの首にアイスはぴょんと抱きつくと、リーザが横に居るのも構わずに一方的にキスをする。

 その場の誰もが唖然とする中、アイスはリュウから離れると、リーザの方を向いて少し顔を赤らめて口を開いた。


「こ、これからは……い、一緒にリュウを支えて行こうね!」


 と。


「は……はい……ア、アイス……様……」


 リーザが呆然としながらもコクコクと頷いている。

 何故だかリーザは、アイス様に認めて頂いた、と理解したのだった。


「ちょ、ちょっと待て! お前って、おと――いでえっ!?」


 そこでようやく我を取り戻したかに見えたリュウだが、やはり混乱している様で、その場を凍り付かせる発言を意図せずしようとして、ミルクの電撃を食らった。 


『ご主人様っ! 今、何を言うつもりだったんですかっ!』

「え……」


 脳内にミルクの大音量が響き、リュウは今度こそ我を取り戻した。


『男の子だったんじゃ、って言うつもりだったでしょ?』

「い、いや……」


 ミルクに図星を突かれ、リュウの目が盛大に泳いでいる。

 尻尾を掴んで回したり、棒きれで風呂に入るアイスを掻き混ぜたりと、それを女の子にしてたのかと思うと口元が引きつるリュウなのだ。


『そんな事言ってアイス様を泣かせたら、ご主人様でも許しませんからね?』

「う……わ、分かった……」


 ミルクの本気を感じ取り、冷や汗混じりに頷くリュウ。

 そんなリュウに、アイスはきょとんとした表情を向ける。


「リュウ? 今、何言おうとしたの?」

「な、何でもない……ちょっとびっくりしただけだ……」


 小首を傾げて尋ねてくるアイスに答えようとして、リュウは露骨に目を逸らすと、呟く様に短く答えた。

 アイスの小さすぎるワンピースから零れそうな双丘が、リーザ達が傍に居る為に、非常に気まずかったのだ。

 だがそれには女性陣も同様の思いを抱いた様で、リーザがアイスをリュウから少し遠ざけてリュウの視線を塞ぐ様に立ち、ミルクとココアもアイスの傍へ飛んで行く。


「アイス様、その服は少し小さ過ぎませんか? 今にも破れそうな気が……」

「う、うん……竜化した五歳の時に着てた服だから……きついの……」

「「「えええっ!?」」」


 リーザのおずおずとした問いにアイスが困り顔で理由を明かすと、リーザ達は驚愕のあまり見事にシンクロしてしまう。


「胸も危ないですけど、お尻はもっと危ないです……下着が丸見えですぅ……」

「あう……リュ、リュウには見られても良いけど、他の人は恥ずかしいな……」

「と、とにかく、人工細胞を使って急ぎお洋服を用意します!」


 そしてアイスの背後に回るココアの報告にアイスが顔を赤らめると、ミルクは主人から人工細胞を回収して、アイスの服の作成に取り掛かった。

 ほんの数分でアイスに似合うノースリーブの光沢有る上品なワンピースが作られ、リーザの陰でいそいそと着替えるアイス。

 ノースリーブなのはリュウにも十分に人工細胞を残しておく為であり、生地も極力薄い為にアイスをふわりと包み込み、とても軽やかな印象である。


「気付いたんだけど……」


 そんな中、ミルクの呟きにココアとリーザが注目する。


「アイス様のウエスト……変わってない……」

「「ええっ!?」」

「五歳の時のウエストと変わってないの……」

「「は……あ……」」


 ミルクの驚愕の報告に、唖然とするココアとリーザなのであった。










 アイスが新しい服と靴を手に入れた事で、ようやくミルクとココアにより通信波の発信源の探索が始まった。

 リュウはアイス達の後を付いて行くが、その顔はだらしなくニヤけている。

 どこに敵が潜んでいるかも分からない、という理由でくっつきたがるアイスと腕を組みたがるリーザに前を歩かせ、リュウは最後尾を守っていた。

 だが周囲を警戒すべきリュウの目は、ふりふりと揺れるリーザのショートパンツと信じられない様なアイスの腰のくびれを、行ったり来たりしているのである。


「どうなさいました? アイス様」


 僅かに離れて歩いていたアイスがすぐ傍までやって来て、リーザはアイスに微笑み掛けた。

 ともすれば近寄り難く思える隔絶した美貌は、アイスの天真爛漫さによりふわりと柔らかく、親しみ易い雰囲気を醸し出している。

 そんなアイスがニコニコと近寄って来れば、リーザでなくとも自然に笑顔を向けてしまうだろう。


「ねえ、リーザぁ。リュウったらさ『殿は俺に任せろ』って言ってたくせに、ずっとニヤニヤしてるよね?」

「アイス様の見事な腰のくびれに夢中なんですわ、きっと。私でもずっと見ていたい程ですもの……」

「えへへ……リーザのお尻もずっと見てるよ? 格好いいもん! だからね、一緒に歩いたらもっとリュウが喜ぶよね?」

「まあ、アイス様ったら……」


 アイスに嬉しそうに話し掛けられ、その屈託の無さにリーザはクスクスと笑いながらアイスに腕を組まれて歩く。

 畏れ敬うべきと思っていたアイスにそんな風に接されて、リーザは光栄と思うべきか恐縮するべきかと考えたが、リュウが特別扱いされるのを嫌がるのを思い出すと、アイスもそうなのかも知れないと考えない事にするのだった。


 百合百合しくアイスとリーザがくっついて歩き出し、至福の時を満喫していると思われたリュウであったが、実はそうではなかった。

 緩み切ったリュウが、木の根に足を取られて二度も転んだ事で、少しばかり呆れたアイスとリーザに挟まれて今は歩いていた。


「リュウ、痛くなかった?」

「うん……大丈夫……」


 左から心配そうな青紫の瞳に覗き込まれて、リュウは顔を赤らめて答える。


「リュウ様は女性で身を滅ぼすタイプですわね……」

「面目ないっす……」


 右からはリーザにクスクスと笑われて、更に赤くなるリュウ。

 だがそんな恥ずかしい思いは、すぐに吹き飛ぶことになる。


「リュウ、お尻触ってもいいよ?」

「はぁ!?」

「ア、アイス様!?」


 突然のアイスの言葉に、素っ頓狂な声を上げるリュウとリーザ。

 二人共アイスがどういうつもりで言ったのか、並んで歩きながらアイスの顔を覗き込む。


「こうしてたら転ばないけど見れないでしょ? だったら誰も見てないし触ってたらいいんだよ、リュウはお尻好きだもんね?」


 名案でしょ! とでも言いたげなアイスの得意気な顔に、呆気に取られる二人ではあったが、欲望に忠実なリュウはすぐに再起動を果たした。


「名案だな、アイス!」

「でしょ!」


 開き直って二人のお尻に手を伸ばすリュウに、笑顔を振りまくアイス。


「リュ、リュウ様、本当に……えぇぇ……」


 躊躇いなくアイスの提案を受け入れるリュウに、実際にお尻を撫でられるリーザは困惑を隠せない。


「リーザは嫌なの?」

「え……い、嫌じゃありません……けど、恥ずかしいと言いますか……」

「そ、そうだね……ちょっと恥ずかしいね……でも、リュウならいいもん……」


 そんなリーザにアイスの悲しそうな目が突き刺さり、リーザは慌てて否定するが、恥ずかしいのは事実なのでその事を告げると、アイスも同様だった様である。

 だがリュウなら良いと言われてしまっては、自分だけ拒否する事はリーザには出来そうになく、そのまま流される事となってしまった。


 で、リュウはと言うとアイスの提案にフニフニ、モニュモニュと素晴らしい感触を堪能していたのだが、彼女達の腰に手を回した感触を気に入った様だ。


「ここ最高……ここなら俺も恥ずかしく無く触ってられるし、完璧だ!」

「もう、リュウ様ったら……」

「えへへ、そこならアイスも恥ずかしくないよ!」


 ぷにぷにした程良い弾力に臆面も無くニンマリとするリュウに、リーザは少々諦め気味の笑みを浮かべ、アイスはニコニコと嬉しそうだ。


 リュウは女性の腰という箇所が胸や尻とはまた違う、女性らしい柔らかさを持ち、尚且つそこを掴んで歩いても強く咎められたりせず、恥ずかしくもないという事実の発見に心躍っていた。

 何より絵的に俺の物だと主張してる感じが良い、と気に入ってしまったのだ。

 これこそがリュウにとっての本当の至福の時だったのであるが、得てしてそういう時間は続かないものである。

 通信波の発信源を特定したミルクとココアが戻って来たからだ。


「ご主人様……何してるんですか?」

「バインドだ」


 ミルクの問いに、リュウは何か問題があるのか、と言いたげに応える。

 ここで変に狼狽えるとミルクはエッチだ何だと騒ぎだす為、リュウは努めて平静を装う。


「は?」

「ラグビーでは、こうやってがっしりと結束する事をバインドと言うのだ」


 ミルクの怪訝な表情に、やれやれといった表情でリュウは体育の時間で習った事を思い出し、ミルクに教えてやる。

 そんな言い訳を用意している時点で、いかがわしい気持ちが有ると言っている様なものなのだが、リュウはそれには気付いていない。


「バインドの意味は分かりました。で、どうしてミルク達が探し物をしている時に、バインドをしているのですか?」

「それは……転ばない様に……だ」


 淡々と言い返してくるミルクがどこか冷たいと思いつつも、リュウはそこから先の言い訳を用意出来ていなかった様で、途端に歯切れが悪くなった。


「その方が転びやすそうですけど……女性の腰ってフニフニしてて、触り心地が最高ですよね?」

「そうか? うん、そうかも知れんな……」


 呆れ口調のミルクが一転、にっこり微笑みつつ腰の触り心地に言及すると、リュウは白々しく言われて気付いた素振りを見せるが、残念ながら表情筋までは制御出来ていなかった。


「はぁ……ほんと、ご主人様ってエッチですよね。通信機を発見しましたよ?」


 そんな主人に呆れるミルクは、気持ちを切り替えるとさっさと通信機の場所に飛び去ってしまった。


「何だよ……別にいーじゃんか……」

「まぁまぁ、リュウ様……」

「早くミルクを追いかけよ?」


 上手くその場を乗り切れず、赤い顔で口を尖らせるリュウは、苦笑いするリーザとアイスに宥められながら、渋々とミルクの後を追うのであった。

ようやくアイスがお荷物卒業…長かった…(笑)


よろしければ、ご意見、ご感想、お聞かせ下さい。

よろしくお願い致します。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 回を追うごとに文章が読みやすくなっていて、初期と比べると内容が把握しやすいです。 [気になる点] なるほどそう来ましたか…… これは……アイスとリュウがアレしてアレになって次の世代の…… …
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