桜の歌。
「ふ~ん、ふふふ~ん~」
私は歌う。
一人、歩きながら口ずさむ。
桜がひらひらと舞っている。
「ららら~らら~ら~」
皆は「歌」のことをどう思っているだろうか。
私は、歌には力があると思う。
魔法ともいえる力が。
人を元気にする力が。
「あ~、ふ~んふ~ん、ららら~」
まぁ、このことを教えてくれた人がいるのだが。
その人は、とても音楽を愛していた。
優しい同い年の男の子でした。
「ら~~、ふふふ~」
その人がある日、一緒に帰っているときに言ったのだ。
『音楽には力があるんだよ。人を元気にして、前を向かせる力がね。』
きらきらと輝いているように私には見えた。
彼はすごい。
今歌っているのも、彼が作った世界に一つだけの歌なんだよ?
「ら~、ら~、らら~~」
ちょっと話は変わるけど、皆はどんなときに歌を歌うだろうか。
嬉しいとき?
怒っているとき?
機嫌がいいとき?
それともなんとなく?
どれも、いいと思う。
でも、私はちょっと違う。
「あ~~、ららら~、るらら~」
彼は言ったのだ。
『音楽には人を元気にする力がある。だから、悲しくなったときは歌を歌えばいいよ。きっと幸せになれるから。』
だから、私は悲しくなったときに歌を歌う。
そうすると、彼の言う通り元気になる。
ほんとにすごい。
「るるる~、ららら~」
今は帰り道。
桜の並ぶ道を歩く。
彼もここが大好きで、よく一緒に歌った。
「ららら~、る~ららら~」
さっきまで、彼のお葬式に行っていた。
彼は逝ってしまった
病気であっけなく。
最後は見届けられた。
気持ちも伝えられた。
最後に彼は微笑んでこの曲をくれた。
私を想って書いてくれた歌だった。
後悔は、ない。
「あ~~~、るらるりら~~、ら~」
私は歌う。
元気になるために。
「ららら~」
眼から雫が零れ落ちる。
一人、少女は桜並木を泣きながら歩いていた。
感想、評価よろしくお願いします。