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遊園地の前で少年と少女が誰かを待っていた。
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「なぜ俺がおめえーなんかとここに来なくちゃいけねーんだよ。」
少年は小女に向かってイライラしていた。
「うるさいよチャラ男ーー!!」
「黙れブス!!誰がチャラ男なんだよ。」
「なに?????? いやいや、我慢我慢!
しょうがないじゃん。優太のためじゃない。」
「ちぇ、」
「あっ、来た来た!」
あそこから6歳ぐらいの子供が嬉しそうに走ってきた。
「わ-い!枢兄ちゃんーー
星七姉ちゃんーー」
「おはよう優太君ー!この間、元気にしてたの?」
枢は優太の目に合わせて優しい笑顔をしていた。
まるで優太が可愛くて可愛くてたまらない表情をしていた。
「うん、元気にしてたよ。枢兄ちゃんに早く会いたかったーわくわくしてたよ。」
「僕も優太君に会うと思ったらすごくわくわくしてたよ。こんなに会えてとても嬉しいよー」
(あの銀髪のチャラ男、いつのまに黒髪桂つけたのよ。
それになんだよ。キャラ全然違うんじゃない。
ギャップが大すぎるよ。それはそれなりにムカつくーーー)
「あらーおはよう楓君ーー」
「おはようございます。和泉さん!」
「あ、ママ午後3時まで遊んであげればいいのね?」
「うん、せっかくだから皆で一緒にしたかったのに・・
パパがあの状況でね~」
「はあ・・それほど周りに注意しなさいっと言ってたのにー
バナナの皮を踏んでつるりと滑べるるとはね・・
どこかのギャグみたい。やはりパパらしいというか。」
「枢君ごめんね!
忙しいところなのに無理やりに呼び出しちゃってー」
「いえいえ!僕も優太君と一緒に遊ぶのが好きですから
あまり気にしないでください。」
ニコットしてる枢は誰から見ても優しい模範生だった。
「あらーー枢君はいつも優しいんだねー誰とは違ってーー」
「ちぃ・・」
星七はそんなに人をだましてる枢が気に入らなった。
「じゃ、優太ちゃん、星七ちゃん、楓君!
楽しい時間過ごしてね~ママは先に帰るわよ。」
「はーーーい」
こうして星七の母はこの場から離れた。
「さあーーー行こう。」
「優太君!特に優太君が遊びたいところあるの?」
「うん、あるある!」
「言ってみてー」
(優太君、可愛いなーー俺の弟にしたいなー
いや、もう俺の可愛い弟だぜ)
枢は優太の話ならいつでもなんでもOKだったんだ。
「メリーゴーラウンドとかゴーカートとか皆でプリクラとかー」
「それいいねーー」
(これはこれは一緒に楽しんであげるよ。)
「それにーーお化け屋敷!!!」
(ひっ!!)
「へえぇぇぇ??ちょっと枢ーーー今ビビったでしょ?」
「てめぇ・・いやいや誰のことかな星七さん!」
枢は口は笑っていても目は笑ってなかった。
枢が世界で一番嫌いなのがお化けとか幽霊の存在だった。
「さあ、まずはメリーゴーラウンドを乗りに行こうね。」
「はーーーーい」
「うん、枢兄ちゃん」
星七達は優太の言ったところで楽しく遊んだ。
もちろんお化け屋敷でも遊んだ。
子供用だから怖くなかったけど枢には苦手などころだった。
枢が怖くて大叫んでしまったけど皆、それなりに楽しかった。
あちこちで遊んでもう約束した時間が来た。
「優太君、本当に一人でいいの?」
「うん、一人で行けるよ。」
「優太君ーーーー離れたくないよーーー僕も一緒に」
「ちょっとーあのね、トイレ行くだけでしょう・・」
「うん、僕一人で行ってくるよ。」
こうして優太はトイレに入った!
「うわーーーあつー!やってやれねーな!」
枢は桂を外して桂を振りながら頭の熱を冷ました。
「楓、恥ずかしいから早く桂つけてよ。」
「知るもんかブスー」
「はあ???なぜあたしの前では性格変わるのよ?むかつく!!!」
「誰の事ーー???」
「お前の事だよ。」
「知るかそんなの。それより疲れた・・・」
「ふふんーもう体力なしなの??弱いねー男のくせにーーー
あたしはまだピンピンなのにーー」
「はあ??何言ってるんだよ。俺はな、エネルギーザなんだなんよ!
ほら見ろ!!!」
枢は力を入れて自分の筋肉が盛り上がった腕を見せようとした。
「あっあぁ・・・」
枢は無駄な強がりで急速に疲れてしまった。
「な・もういいからジュースでも買ってこい!」
「はあ?なぜあたしが???
楓のくせにあたしのことパシリ扱いしないで」
「あっ、そうなんですか?知らなかったなーなら下僕にしようぜ。」
「なにーーーー??」
「お金あげるから買って来いよ。マジ疲れた。
まだピンピンだと言ったのはお前じゃねーかよ。」
「いやーーーだーーーーー
な、チャラ男!!これ以上わがまましたら
ただですまさないからなー」
星七はすさまじい顔で楓を睨んでいた。
「ひっ!!や・やっぱ俺はおめーが嫌いなんだよ。」
「あたしだって楓のこと大嫌い!!!」
「俺の夢を壊したくせにっ・・」
「はあ??」
「お待たせーーー」
優太がトイレから戻ってきた。
「・・・」
優太が星七達をじっと見ていた。
「・・??優太君???」
「・・・枢兄ちゃん・・・星七姉ちゃんとなんかあったの?」
(空気読んだかーーー)
「うん??いやいや何もなかったよ。はは・・ね?星七さんーー」
「アハハ・・だよねーなんかあるわけないんだよね。」
(早い!もう桂つけてる!!)
「さあ、家に帰ろうー!」
「はーーーい!!」
帰りのところに遊園地にある店が見えた。
「ねえねえー枢兄ちゃん!」
優太は枢の手を引いた。
「なに?優太君??」
「あそこへ行ってみたいなー」
優太が指さす方向をみた。
魔法使いの家だった。
(魔法使いの家!!お望みを叶えてあげますっ・・か
なんか子供がゆすられる気がする怪しい店だな。)
「優太君ー残念だけど約束の時間が・・」
「だめ・・なの??」
瞬間、枢は心臓が止まりそうだった。
優太の目は涙だで一杯っぱいにして哀願するように枢を見ていた。
(なんて可愛いのーーーーー)
「少し遅れるけど行ってみようかな・星七さん大丈夫でしょうね?」
「うん、大丈夫だと思うよ。」
「わーーーーい」
それで3人は魔法使いの家に入った。
「魔法使いの家にようこそーー
何でも望みを叶えてあげますよー」
(うわっ、セリフだっせーーー)
「うわーーーーーーー」
「ほら、優太君!魔法使いさんに優太君の望みを言ってごらん!」
優太は好奇心いっぱいで目がキラキラだった。
「ねえねえ、まほ・まほず・まほーつかい・・」
優太は期待感でうまく言えなかった。
「オズ・・オズでいいよ。」彼は優しく笑っていた。
「あのね、オズさん!本当に望みを叶えてくれるの?」
「そうですよーー僕は偽りは話さないんだからー」
「うわーーーーすごいよーーー」
優太は彼の話を聞いて大喜びした。
(あのオズっていうやつ。なかなかやるな!)
枢はオズっていう男の事を
やはり子供達をうまく言いくるめる人だと思った。
「さあ、可愛い坊ちゃん!あなたの望みは何ですか?」
(どうせ、プーちゃんが欲しいーとか・・
ワンちゃんが欲しいーとかだろーな。可愛がってるし)
「枢兄ちゃんと星七姉ちゃんが仲良くなること!!」
「ええっ???」
「はあ???」
意外な望みで二人はびっくりした。
「アハハ 何言ってるの優太ーここのチャラ・・
いや、枢と姉さんは超ーーー仲いいのよーー
姉さんは枢のことが大好きだよ。」
「そ・そうだよね。星七さん!僕もだ・・だ・だい・大好きなんだよ。ナハハ」
「だって・・この先に・・大嫌いって言ってたもん!」
(やっぱ聞こえたのかぁぁぁ)
「ご、誤解だよ。優太君ー!あれは・・」
「仲良くなってほしい!!!」