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モンスターに転生するぞ[追加版]  作者: 川島 つとむ
サイド-レイシア 初めての進化
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レ-10 バグの訓練

 何日か過ぎ、ある程度実力が付いたと判断されたのか、授業内容が次の段階へと進んだみたい。


 学校の授業の一環として冒険者ギルドへと行き、クエストを達成するっていう実戦そのものへと内容は変わっていったわ。

 それに合わせてパーティー選びもしなければいけない。


 私はダンジョンの時と同じく、ソロになるんだろうなって思っていた。

 しかし今回は違っていたみたい。それはイフリートに進化したバグがいたから。


 学外実習の話の後、私は多数のパーティーから勧誘を受けた。少し前まではありえなかった事よね。


 誰も彼も、バグの戦力目的っていうのはあきらかなのに、私が必要だと強調して来る。


 まあ今では私も、火属性魔法だけはそこそこ使えるんだけどね。その威力が頼りになるって言って誘って来た。


 調子がいい事に誘って来たのは今までろくに会った事もない生徒達や、同じ授業を受けていても話もした事がないような人達ばかりだった。


 それ程イフリートという存在は、大きいのかもしれない。




 そんな中、ここ最近話をするようになったブレンダにも、パーティーに誘われた。


 その理由は、一緒にいると面白そう・・・・・・主にバグ関係でっていうのと、予想外の事が起きそうなので、今のうちに私と仲良くなっておきたいんだって。

 なにやら商売に利用とまではいかないけれど、いずれお互いに利益が出ればいいなって言っていたわ。


 ブレンダなら、私なんかよりももっと優秀な人達とパーティーが組めるんじゃないのって聞いてみたんだけれど・・・・・・そういう人達は、ブレンダの実家と繋がりが欲しい人が多いらしい。

 貴族って大変ね。


 そんな話をいろいろと聞き、私はブレンダとパーティーを組む事に決めた。


 もちろんブレンダからしたら、バグの力を見込んでいるって言う話も聞いていたわ。

 でもそれは頼り切るのではなく、私とバグの両方を含めたパーティーって感じかな? 一緒にがんばろうって感じみたい。

 バグに任せて楽をしようっていうのとは違っていた。

 さすが優等生!


 バグはバグとして戦力としてみているけれど、自分達もちゃんと戦うのは当たり前だって言っていた。


 私も多くは出来ないけれど、がんばってみよう!


 誠実に偽る事無くそれらの話をしてくれたので、ブレンダのパーティーの申し出を受ける事にした。




 ブレンダのパーティーとして登録した後も、勧誘はしばらく続いていた。


 ひょっとすると、もう登録が終わっているって知らないのかな?

 そう思っていたけれど、どうやら知っていても諦め切れない人もいるみたい。


 もうパーティーは決まっているって説明して、その場でお断りさせてもらったんだけどね。

 パーティーの相性が悪いようなら歓迎するとか言われちゃった。


 まさかこの私が、パーティーメンバーを選ぶ立場になるとは思ってもいなかったわ。昔は誰一人としてパーティーに入れてくれなかったのにね。


 しばらくして、ブレンダもパーティーメンバーを決めたって周囲に知らせると、ようやく勧誘騒ぎは収まっていった。

 大半の生徒は、優等生として過ごして来たブレンダが相手では分が悪いって、諦めてくれた。

 一部諦め切れない人もいたけれどね。


 そんなに成績が大事かな?

 貴族とかのプライドもあるのかも?


 どちらにしろ、しつこい相手はバグが炎の鞭で牽制してくれた。


 バグが暴走した時に、火達磨になった生徒もいたそうで、さすがにそれ以来近寄って来なくなったわ。

 常に一緒にいるから、こっそり勧誘することも出来ないみたい。


 無理やりなんてどっちにしても印象が悪くなるだけで、お互いに得るものはないよね。

 パーティーには信頼関係が大切だもの・・・・・・




 それよりも自分が所属する事になったパーティーの事を考えよう。


 さすがに私達は二人とも魔法使いだったので、ブレンダが他所の学科からメンバーを二人連れて来て、合計で四人のパーティーになった。

 実質私にとって、これが初めてのパーティーなので、今後がとても楽しみだわ。


 一応パーティーは揃ったものの、いきなりクエストに出かけるのは不安もあるので、その前にちゃんとパーティーとして動けるのか連携訓練をする事になった。


 学外実習が始まるまでに少し時間があるので、他のパーティーなんかも同じように訓練をしているみたい。


 これまでは自分だけの能力を鍛えるのが中心だったけれど、ここからはより連携する事が求められているそうな。


 学校の用意していたダンジョンでは、ある程度個人個人で戦っていても、何とかなる難易度に設定されていたんだって。

 まあ、モンスターが一体ずつしか出て来ないとかだと、そこまで連携に拘らなくていいのかもね。

 でもこれからはそれではやっていけない。

 仲間の動きに合わせて動かなければ、厳しい状況も増えてくるらしい。




 私達も他所のパーティーと接触しないよう、訓練場の空きを探して移動する。


 指導してくれる先生は既に他所のパーティーに捕まっているみたいなので、代わりにバグが相手をしてくれた。


 初めは四対一でちゃんと戦えるのかな? って心配したけど、バグの動きは複数人を相手にしているのにとても手馴れていた。

 まるで私達と同等かそれ以上の訓練でも受けて来たかのように、無駄の無い動きで私達を圧倒する。


 そもそも私は使える魔法がバグから貸してもらえる火属性の魔法なので、戦力にすらなっていないのが自分でもわかっていた。

 火の属性の相手が、火属性の魔法で傷付くはずがないのよね・・・・・・

 だけど、それでも何もしないで見ているだけなのは嫌だった。


 せめてダメージにはならなくても、視界を防げないものかと魔法を撃っていたけど、やっぱりそんな攻撃は意味が無かったよ・・・・・・


 これでも頑張っていろいろと考えたんだけどな・・・・・・


 そもそも私が召喚したバグと私が戦うって事自体、相性的に悪いのよね。

 私の魔法は、バグからの借りものなんだから・・・・・・




 結局バグは後ろに下がって、サラマンダーを呼び出すと、その子の相手をさせられた。


 後から気が付いたんだけれど、初めっからこうしていればよかったんじゃないかな?

 私はどちらにしても同じ火属性だから、打つ手なしだけれど・・・・・・


 元々イフリートってドラゴンと同じくらい強いんだよね?

 なら手加減してもらったとしても、いい勝負にすらならないと思うよ・・・・・・


 予想していたけれど、結局サラマンダーとの訓練も、上手く戦えている感じはしない。


 バグにとっては格下のモンスターなんでしょうけど、私たちにとってはかなり強いモンスターよ。


 もう少し初心者向けの訓練をお願い出来ないかな?


 それでも冒険に出たら、苦手な属性の相手と戦う事もあるんだよね・・・・・・これくらいで文句を言っていては、冒険者なんてやっていけないのかな?

 サラマンダーを倒してって依頼だって、あるかもしれない。そう考えると無理とは言えないかなー

 いくらなんでも、いきなりそんな依頼は受けないけどね!




 何とか出来る事をしてみようとがんばっていると、みんなから少し離れた場所に連れて行かれる。

 まだ訓練の途中なんだけど、何か用事があるんだよね?


 バグとお話し出来ないから言いたい事がわからないよ・・・・・・そうもどかしく思っていたら、地面に絵を描き始めた。


 そう言えば、以前も木片に絵を描いて、こちらに意図を伝えて来たわね。


 こういう時、直ぐに解決策を導き出せるって、バグは相当頭がいいと思う。話す以外にも意思の伝え方ってあるんだね。


 後はバグが地面に描いた絵から、何を言いたいのかを私が頑張って読み取るだけよ!

 えっと・・・・・・これは多分、召喚魔法を活用して戦えって意味かな?


 確かに攻撃魔法は全然効果が出ていないけれど、私の呼べる使い魔でサラマンダーを相手に出来るのかな?

 ひょっとするとウルフとファルコンを呼び出して戦えって指示してるとか?

 燃えている相手と戦えっていうのは、酷じゃないのかしら?




 なんとなく無茶振りっぽい気はするものの、バグが言うんだから大丈夫なんだよね?


 ここはバグを信じてウルフとファルコンを呼び出し、サラマンダーを牽制するよう命令した。

 さすがに正面から行って、倒して来いとは言えないわ。

 バグもそこまでは求めてはいないでしょうしね。


 おそらくは使い魔で引っ掻き回して、パーティーを支援しろって意味だと思う。何も魔法による支援だけが戦い方じゃないわ。

 もっと使い魔の使い方とか、勉強していかないと駄目ね。

 がんばって上手く引き付けたり隙を作れたら、後はブレンダ達が上手く立ち回ってくれるでしょう。


 でもこの子達、燃えている相手を見て怖がったりしないのかしら?

 それに近付き過ぎて火傷とかしたら可愛そうなんだけれど・・・・・・ついつい怪我をしてしまう事を心配してしまう。


 がんばったら後でご褒美にお肉でもあげよう!




 連携訓練を続け、学外実習の日になった。


 訓練は完璧とはいいがたいものの、ある程度練習はしたのでとにかくギルドで依頼を受けてみようという話しになった。せっかくなんだから、少しでも早く冒険者として活動してみたいよね。


 なのに冒険者ギルドで依頼を見せてもらうと、バグとブレンダは微妙な反応だった。


 どうしてかって言うと、どうやら私達学生が受けられる依頼のモンスターが、ぱっとしないからみたい。

 別に私は有名になりたい訳じゃないので、小さなクエストをコツコツって感じでいいんだけどな。


 冒険自体を楽しみめて、自活出来るくらいにお金を稼げればよかったのだけど、ブレンダとバグはもっと大物が出て来る依頼がしたいみたい。


 バグにとっては小物過ぎなんだろうけれど・・・・・・こっちはまだ冒険者の卵なんだからね!




 結局ミノタウロスの討伐部位を提示して、学校向けの依頼から大物が載っている一覧を見せてもらい、大物の依頼を選んでいるみたいだった。

 まだまともに連携も出来ていないのだから、欲張らない方がいいのにな~


 ブレンダがジャイアントの討伐依頼を選び出し、みんなにこれを受けようと見せて来るけれど、この強さになって来るとおそらく私達は何も出来ないと思うよ。


 全部バグにお願いするのかな?

 まあバグがいれば多分、大丈夫だろうって判断だろうね。


 最終的にバグがそれに決めたようで、私達はジャイアントの討伐クエストを受ける事になってしまった。


 ちゃんとした冒険になるのかな?




 冒険に出発したのはいいけれど、行きで山賊に襲われたり休憩している川ではワニが出て来たりと、現実は思っていたみたいに予定通りいかないものなんだね。

 冒険は楽しいだけではないんだなって思い知らされたよ。


 パーティー自体も新米以前に仲間が頼りなかったし、ジャイアントとの戦いでも、まさかバグの魔法が通じないとかビックリ展開ばかりが起こる冒険だったわ。


 スライムの時と違って相手の顔にへばり付けないから、かなりきつい戦いになったしね。


 バグが気転を効かして足元に穴を掘って落とし、結局は呼吸を止めるという方法でなんとか倒せた。


 進化させる事で出来なくなる戦い方もあるのね・・・・・・それでも何とかしちゃうバグは、凄いなって思う。




 さまざまなアクシデントが起こったものの、私にとって初めての冒険は、満足出来るものになった。


 そしてやっぱり最終的にはバグがとても頼りになる事がわかったし、例え自分の力が及ばなくても別の手を考えればいいんだって勉強になった気がした。


 私には真似出来そうにないけれど、バグと一緒にいれば平気かな?


 おそらくバグみたいな人? が本物の冒険者と言われる人なのだと思う。

 決して諦めないで、最後には何とかしちゃう人。


 私もこれから足りなければ、別の手を考えたりして乗り越えて行きたいって思えたよ。




 ――――――



 ランドルとフェザリオってどんな関係者?・・・・・・By レイシア&ブレンダ




 「ランドルとフェザリオが出て来たね」

 「そうね。もうちょっと使えるって思っていたのに、がっかりだわ」

 「そういえばランドル達って、ブレンダの実家の関係者だって言っていたよね。親戚とは違うって話だけど、実家で雇っている傭兵の子供とか?」

 「近いわね。でもちょっと違って、ランドルのお爺さんに当たる人が代々当家の執事をしていたのよ。家は昔から商売が好きでその護衛みたいな事を勤めていたんだけれど、ランドルのお父様の代で専属の傭兵みたいな感じになっちゃったのよ」

 「だからランドルも戦士にって感じか~」

 「いえ、別に無理をして家に仕えろとは言われていなかったわ。どちらかといえば好きにしたらいいって放任されていたわね。学校には自分の可能性を探しに来たんじゃないかしら」

 「へ~。でもそれで誘っちゃったら、結局無理やりブレンダの家に仕える事になるんじゃないの?」

 「嫌なら断ればいいのよ! 別に誘った時に断ったからって親に何か言ったりしないって言ったもの。ランドルが自分の意思で決めた事よ」

 「それならいいのかな? あっ、フェザリオの方は?」

 「お父様が商売の為にあちこち行った時に、偶然モンスターに襲われている巡礼者達を助けたらしいのよ。フェザリオはそこで助けた神官の息子らしいわ。助けられた時に恩を感じたらしくて実家の近くの教会に来て、何かあった時には力を貸してくれているのよ」

 「学校にはブレンダを手助けする為に?」

 「うーん・・・・・・どうなのかしら?」

 「あれ? 詳しくは知らないの?」

 「一応将来的に当家の手助けになれるよう勉強して来なさいって言われて、入ったみたいなんだけれど・・・・・・真面目に勉強していたのかしら?」


 「・・・・・・才能は選べないから・・・・・・」

 「・・・・・・そうね、ちゃんと頑張っていれば後々ちゃんと芽が出るものよね! あっ、それより一日元気に過ごすには、美味しい食事をするのが一番。お勘定は私が持つから一緒に美味しいものでも食べに行きましょう!」


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