日報:26:01:01:17:20
SIDE:ARM
ここは時間流の中にある駐在所。時折歴史の流れがあらぬ方向に向かうのを阻止するためにあり、時間、空間、パラレルワールドに至るまで世界が錯綜している。重要な業務なのでどんな時でも気を抜くことはできない。普通は。
「……なんとかならないの?」
同僚のテイラは数年前にこの駐在所にやってきたが、設備が悪いだのスペースがないだの文句ばかり、お前みたいに全部フルスイングで生きているとこれに耐えられなくなるんだろう。見た目と基本性能ばかりよく全体の仕上がりがあれだから前の持ち場で何かやらかしたらしく、この辺境の駐在所に送り込まれた。こんなところやることがない!といつも怒っている。俺は呆れてあまり相手にしていない。何せ色気担当なのに文字なのだから何もしていないのと同じだ。
それこそフルスイングの官能小説を書いて上げるのは抵抗があるのでこういうデコボコな仕上がりにならざるを得ず、今日もテイラの罵詈雑言を浴びる。このバカ!卑怯者!夏場のそうめん!!悪く言われているとだけわかったらあとは考えないのがいい。そう考えていたら、来客。エシャロットさんは、この近くで、何かの怪物が出たという話を持ってきた。
※
SIDE:TEIRA
私はアームと一緒にエシャロットさんの話を聞いた。見たという。得体の知れない、化け物。アームと目を見合わせて、百面鬼だと確信した。時間流を泳ぎ、姿、声、存在、全てがないがゆえに、全てが無限と同じ。人間の知覚から神経を狂わせる、天敵のようなヤツだ。追いかけられていると怯えるエシャロットさんを私に任せて、アームは駐在所を出て行った。大丈夫ですか?すぐに本部に連絡を取りますから……そう言ったときに、エシャロットさんがジャケットの内側に手を伸ばした。全身が総毛だつのを感じて、初撃を避けた。案外、抜けている。百面鬼を「見た」などと。エシャロットさんにそう言われて、ようやく気がついた。
百面鬼は、姿がないがゆえに無限の姿を持つのと同じ。知覚に作用するのだから「見た」という感覚自体が意味をなさず、論理的に逆算しなければ見つけられない。羊のように、震えていればいいものを……次の一瞬の命を、私が諦めたそのとき。稲妻のような一撃がエシャロットさんを弾き飛ばした。気がつかないわけないだろ。そう語るアームは、エシャロットさんの動きを見るためにわざと出て行ったらしい。エシャロットさんの姿が変わっていき、鬼のような本性を現した。おそいかかるエシャロットさんの顔に、アームが何かを投げつけた?卵?
「目玉焼きだっ!!」
意味は分からないけれど、一瞬卵を目で追ったエシャレットさんの顔面をアームが卵ごと殴って時間流の中に弾き飛ばし、私たちは事なきを得た。あんた、いつから気がついてたの?と聞くと、「百面鬼を見たと聞いて」と言うので最初に言わんかボケー!!と怒った。今度は怪獣に襲われて、踏みつぶされればいいのに。
今回の反省点:まとまっていない。




