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仲間と共に





下級魔獣と上級魔獣について、師匠からよく習った。

下級魔獣は昔師匠と戦った、ベアが頂点に居る小型魔獣が多い階級で戦って見るとわかるが脅威が農民や村人に降りかかることの多い魔獣達だ。

それに比べ、上級魔獣はドラゴンやフェザーナイトなどの思考でき、感情がある魔獣の事を言う。

この区分けは脅威認定によるもので、大昔の勇者達が判別したらしい。

それを本でまとめた学者がおり、今では知らない者は少数になった。


それを知ってからは脅威認定で魔獣を見るようになった。


師匠はドラゴンを見せてくれると約束してくれていた。それはどこに居るのか知っていたからだ。

師匠の居るところに、ドラゴンもいるかもしれない。

そう思うと楽しみが多くなった気がした。


あれから、実践は何回か積んだが、私は魔術以外はあまり上手ではないことがわかっていた。

だから、戦うときは師匠に教わった魔術を使う。


「アッシュ王子、本当に行かれるのですか? 護衛も少ししか連れずに」


「ああ。本当に信用できる者しか連れていけないと思っている。それに師匠を知っている者達で、師匠を尊敬してる者しか連れて行きたくないんだ。私は、師匠にもう一度会いたい。感謝とこれからのことを話したいんだ。こんな王子でも仕えてくれるか聞いてからだけどな」


アッシュ・スティングレイ・オルベルスは必ず戻ると言って城を出た。


街に降りれば、一人の国民だと親しい臣下に笑う。


「呼び名は王子はだめだぞ。アッシュと呼んでくれ」


「不敬ですが、致し方ありませんね。アッシュ、気をつけてくださいよ」


この堅物そうな騎士は名前をアーウェル・ウォーウェンと言いウェルと呼んでいた。

父王の片腕として騎士団を率いていたが、師匠の件があり、それを言った騎士の一人を辞めさせるとき、一緒に騎士団長を辞して一人の雇われ騎士になっていた。それを私が引き抜いたのだ。父は少し遺憾だったようだが、説得してようやく私のパーティーに入れたのだ。


「アッシュは剣はからっきしだからな。しっかりみてやってくれ」


この髪の長い束ねている茶髪の青い目の男は異国から入ってきた楽師でリーランドという、ファミリーネームはない。剣の腕もある。

この城では十年ほど仕えてくれていた。

私と出会ったのは小さい頃になる。

色んな事を教えてくれる先生でもあるが、いざとなると頼りになる男である。


「あのアッシュ様がエドヴァルド様を迎えに行くというとはね。思いませんでしたよ」


この若い男は騎士の一人でリグドー・ティレス。その見た目からは想像できないほど、盾の扱いが上手く魔獣の攻撃からの守り役に適している。

そして、師匠ウォレン・エドヴァルドの弟子の一人でもある。

この三人が私のパーティーのメンバーだ。


「そりゃあ、あんな別れ方で俺は納得できないさ。もっといい別れ方なら文句も何も言わなかったけどな。それにしても、十年、十年掛かった。師匠を探してもらっていた間にも私は大きくなった。大人になってから師匠と会うのは嬉しいが、本当はまだ子供のままで師匠と会いたかった。まだまだ学べると言いたかった」


「それは大人になってからでも遅くはないでしょう?」


「リーランドの言う通りだ。遅くない! 私は師匠に学ぶ為に旅に出るのだから」


城下を出ると、森の中へと入る。その森から出ると南の方へとひたすら進む。

そこから隣の国へ入り、ひたすら南に進んだところに師匠の目撃情報があった。


「皆で謝りに行くんですよ。エドヴァルド様に」


「ああ」


森の中は小さな魔獣がいる。

倒さなくても、襲ってくることのない魔獣ばかりだから無視して進む。


「アッシュ、あまり前に出ないでくださいよ」


「済まない、ちょっと心が弾んでいた」


「ようやく会えるかもしれないですからね。仕方ないでしょう」


ウェルに注意され、謝るとリーランドが笑った。

四人は注意深く森を進んだ。ベアに途中出会った。


「アッシュ、後方支援を」


「サンダー! 今のうちに前衛頼む」


「任せろ!」


ウェルが前に出て、爪を躱して切り倒した。


「無事終わりましたね」


リーランドが言うと、リグドーが文句を言う。


「俺の出番なし!!」


「また強い魔獣のときに頼むよ」


私が言うと笑っていた。


「そうですね。強い魔獣の時は俺が必要ですね!」


それから暫く森を進んだ。それからはベアも出ず、森を抜けた。


「ここからだな」


「ええ。ここからが大変ですよ」


歩き出したのだから、もう止まるつもりはない。

私は必ず師匠と会う。

そして、師として学ばせて頂きたい。

頼みを聞いてもらえるかは分からないが、それでも、頼みに行くんだ。

悔いのないように。



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