最初の友達⑤
フレンは手を前に出し、詠唱を始める。
「炎は上がり焔となりて陽は昇る 詠う華 ”華焔”」
弾の周りを囲う様に、炎の華が咲き誇る。
一輪一輪全てが自分の命を燃やしている様に儚く、そして鮮やかに美しく燃え上がる。
「これは一輪で独立した魔法か、それを一度に複数も…やるなぁー」
「私が今出せる全力よ、そのまま灰になれ!集まれ“華焔獄“」
周りを囲っていた華たちが弾の元へ収束し、燃え上がり大輪の華となる。
「…‥やれた?……っ!」
炎の中から何かに‘撃たれた’フレンが吹き飛ばされた。
「…今のは中々焦った焦った、だがまだまだ改良の余地ありかな」
「…ありがとう…ございました」
「今のは刃の身体強化とは違って周囲に影響を与える魔法だ、それなのにあいつは服までも‘無傷’となると考えられる可能性は…」
エインが弾の能力を探り続けてる間にテストは続いて、
「次で最後か、ではエイン、前へ」
「…あぁ」
「お前が例の‘忘れ子’か?」
「!…あんた、何を知ってる?」
「んや、何も知らない。知ってるのはお前が少し優秀な新入生って事くらいだよ」
「…あんたには聞きたい事が出来た、意地でも勝たせてもらう」
「ほう?では、かかってこい!」
エインは弾に向かって走り出し、近づき思い切り振りかぶって殴りかかる。
しかし、攻撃は弾の目の前で‘押し返された’。
「…やはりあんたの能力は“風”だな、全身に風の障壁を纏い全ての攻撃を去なす。あの炎も纏ってる風で蹴散らした」
「俺の力が分かったところでどーする気だ?」
「…仕方ないか ‘応じよ’ “風の支配者“」
エインが呼ぶと頭上に巨大な鷹が現れた。
「召喚魔法か!面白い!」
「…ありがとうフョルニル来てくれて…また一緒に戦ってくれるか?」
(ホォォォォ!!!)
「これは…ちと本気で行くしかないかぁ!」
弾は二丁の銃を生成し、臨戦態勢に入る。
「弾薬生成 装填 射出」
弾は射出される弾薬に風を纏わせ加速させ、エインに銃弾の雨を降らせる。
「…フョルニル、この場の風を掌握しろ」
(キエェェ!!!)
“風の支配者“別次元に存在する鷹であり今はまだ仮の姿。半径3kmに及ぶ空間にある風に干渉する力を持っている。フョルニルが放つ奇声が空気に触れることで風の動きを支配し自在に操る事が目的だった。
エインの目的通り、弾の攻撃と動きがやや遅くなるのが見てわかる。
「っち、弾速が落ちたな…加速術式までいかれたか」
(そもそもあいつの動きに加速させた弾薬が当たらねぇのも厄介だ…こっちの攻撃を全て見切っているのか?こいつは相性最悪ってやつだな…さてどーしたもんか…)
「あんたの障壁ももう奪った。俺にあんたの攻撃は当たらない。このまま続けても意味はない…降参しろ」
「困ったなぁ、ここまで手も足も出ないとおじさんの立場がねぇなぁー……分かった分かった降参!俺の負けだー」
(オォォォ!!!)
(マジか!またエインがやりやがった!)
(あいつって一体……)
「…フョルニル、ありがとう、またな」
「ハハ、おいエイン!ホントお前スゲェな!」
「…おい疲れてんだ、あんま近くに来るな…」
「えーではこれにてテスト終了とし、今日は解散とする。明日からお前らをしっかり鍛えてやっから覚悟しとけー、それからエイン、明日の放課後俺んとこに来い、以上」
あいつは俺の何かを知っているはずだ。だがこの胸のざわつきはなんなんだ?まぁ今日は色々ありすぎて疲れた。
部屋に戻ったらすぐ寝よう……
エインらの長かった入学式1日目が無事?終わりを迎え、本格的に学園生活が始まるのだった………
一応この世界は魔法軸で話を進めていきますがこれから色々な能力持ちを登場させる予定で、エインの能力についても関係ある感じなのでぜひ楽しみにしててください。




