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序章〜ヘリクリサム〜
この物語は、主人公のエインが過去に置いて来た日常を取り戻すお話。そしていずれ起こる戦いに備え、信頼できる仲間と愛するパートナーを見つけるべく自分の成すべきことを探している途中である。
「とても暗い」
「何も聴こえない」
自分は一体誰なのか……「分からない」
「ただ一つだけはっきり覚えてる」
「…シーナ……」
桜が咲く頃、朝日が差し込む部屋で目覚まし時計が鳴り続けていた。
「…んん〜」
目を擦りながら動かない体を精一杯起き上がらせた少年、エインの朝はちょっと早い。
「シャワー浴びよ」
重たい身体をようやく動かして脱衣所へ向かう。
しかし、脱衣所まで後一歩のところで足を止めたエイン。
そこには、白いカーネーションと一枚の写真が飾られていた。
「もう一年か………」
「…おはよう母さん、父さん」
エインが写真に向けた笑顔の裏には、
誰にも理解できない悲しみがこもっていた。
はじめまして。
この作品を見つけてくださりありがとうございます。
言葉を紡ぐのは初めてなので拙いとは思いますが、
暖かく見守ってもらえると幸いです。