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憤怒の怪人 シンニー

怪人ジャーケンが倒された。その報告に皆が驚いた。

秘密結社ソッカーの拝殿に幹部たちが集められた。

本格的な日本乗っ取り作戦が始動したのに出鼻をくじかれた形だ。当然、イケダ尊師の怒りはつのっていた。

イケダ尊師「ホワイティ博士、ジャーケンが敗れたそうだな。」

ホワイティ博士「申し訳ございません、尊師。」

イケダ尊師「パーフェクトリバティ伯爵。」

モノアイのサイボーグ「ここに!」

モノアイのサイボーグが靴を鳴らして、一歩前に出た。

イケダ尊師「お前のところで、怪人を倒した奴らの調べはついたか?」

パーフェクトリバティ伯爵「はい!ナンマイダーと名乗る3人組です。」

ラストテスタメント卿「1人は仏教高校の生徒です!他のやつらもそうかと!」

イケダ尊師が掲げた手から放たれた雷撃がタコ足の怪人を襲う。

バチッ!

ラストテスタメント卿「ぎゃぁ!」

イケダ尊師「お前には聞いとらん。」

ラストテスタメント卿「失礼しました、尊師。お許しを。」

イケダ尊師「おのれ、ナンマイダー!」


サエキは家に帰って毎日、2時間だけ警察学校の受験勉強をしていた。

勉強終わりの休憩にラジオを聴きながらホットミルクを飲むというのが習慣だった。

ラジオ『次は最近、人気が出てきたインディーズロックバンド、ダシャブーミカのメンバーをお呼びしております。』

サエキはいつも無心でラジオを聞き流していた。ホットミルクを飲み終わり、歯磨きでも行こうかとした時、

ラジオから聞き覚えのある声が聞こえてきた。

ラジオ『(パーソナリティ)……では、バンド名はインドから?(聞き覚えのある声)ですね、僕がインドにちょうど旅行から帰ってきた時だったからインドの言葉にしようってなって……』

サエキ「……ワカマツ?」

その事が気になり、サエキは1時間目の始業前に廊下でワカマツを捕まえた。

ワカマツ「なんだよ?これから理科室に行くんだからあとにしてくれ。」

サエキ「なぁ、ワカマツ、お前、インド旅行に行ったってこの前行ってたよな?」

ワカマツ「行ったけど、その話なげーのかよ?」

ワカマツはイライラしていた。早くしないと間に合わない、遅刻扱いになる。ワカマツが歩き出したのでサエキも併走する。

サエキ「ダシャブーミカって知ってるか?」

その言葉にワカマツは顔色を変えた。が、そのまま黙って理科室へ小走りで行ってしまった。

サエキはそれ以上の事は聞かなかった。

ワカマツはワカマツグループの御曹司。将来は会社社長が決まっている。

未来が決まっているのに夢を追えるのか?

サエキたちにも黙って活動してたとなると家族にも言ってないかもしれない。

サエキ「……」

サエキは音楽の授業を上の空で聞いていた。

フシミ「コラ、私の話つまらない?」

教科書の角で頭をたたかれた。

サエキ「いてっ!」

フシミ「そりゃ、進路希望が警察学校なんだから音楽は関係ないだろうけど。」

サエキ「先生はどうして音楽の先生に?」『つか、なんで知ってんだ?俺の進路希望。』

フシミ「好きだからに決まってるじゃない。」

そういうもんか、自分の夢とワカマツの夢とフシミの叶えた夢をサエキは比較した。


バイトに行く途中の信号待ちで新しく改造した時間停止力場探知装置のアラームが鳴る。

サエキ「ここで?!」

ピキッ

ギー!ギー!という掛け声と共にハカイソー達が現れる。サエキは時間停止力場探知装置を通信モードに切り替えて仲間を呼んだ。

サエキ「ハカイソーが出た!ソッカーだ!怪人もいるぞ!」

憤怒の顔を模したサイボーグの怪人がハカイソー達の真ん中に立っている。

シンニー「俺の名はシンニー。ジャーケンをやったそうだな、許せん!」

シンニーは鉄の棍棒でサエキに襲いかかってきた。

合掌。クウカイレッドに変身した、サエキはシャクジョーソードでむかえ撃った。

ドゴォ!

シンニーの上段からの一撃。サエキは受けられないと悟って避けた。

避けた棍棒がアスファルトに大穴を穿つ。

サエキ『これはシャクジョーソードみたいな細剣で受けたら折られちまう。』

シンニーの背中に2発の光線が命中する。

シンニー「ぐっ!だれだ!」

シンニーの肩口、

シンランブルーとニチレンピンクの二人がハカイソーの向こうから走ってくるのが見えた。

ワカマツ「待たせたな!」

ヌキナ「サエキ君大丈夫?!」

スルリ!ハカイソー達の攻撃を読んで二人は突破する。

ヌキナ「かわすだけなら、アイドルの振り付けより簡単よ!」

サエキ「みんな!よし!ミョーオーキャノンで一気にケリをつけてやる!」

シンニーは棍棒を振り回して二人を迎え撃つ。

ブン!ブォン!

ワカマツ「そんな大振りの攻撃、当たるかよ!」

シンニー「!」

怪人の攻撃を華麗にかわして3人は合流した。

ナンマイダー「「「ミョーオーキャノン!」」」

3人は、キャノンをソッカーに向けた。

ヌキナ「これで5万、美味しすぎる!」

ドバぁ!

極太のビームがソッカーに迫る。

チュドーン!

シンニー「ぐぁッ!」

ハカイソー達は消し去ったが、シンニーは身体から煙を出しながらその場に膝をついた。

サエキ「まだ生きてるぞ!」

ワカマツ「アイツ、かてーな!」

肩で息をするシンニーの後ろの空間が開きそこからモノアイのサイボーグが出てくる。

モノアイのサイボーグ「そこまでだ、ナンマイダー。」

サエキ「誰だ!」

モノアイのサイボーグ「俺はソッカーの幹部、パーフェクトリバティ伯爵。シンニーがお前達に倒されるのは想定済みだ。」

シンニーが不敵に笑う。

ワカマツ「どうするつもりだ!?」

パーフェクトリバティ伯爵「こうするのさ。」

ビビビビ……!

パーフェクトリバティ伯爵の持つライトのような装置からビームが出てシンニーの体を包む。

すると、シンニーの体はみるみる巨大化した。

3人は驚愕した。

ヌキナ「そんな!」

パーフェクトリバティ伯爵「フハハハハ!成功だ!」

シンニーはその状況に勝ち誇っている。

ワカマツ「俺達もカラクリミョーオーを呼ぶんだ!」

サエキ「この前完成したっていうあれか!?」

ナンマイダーは左手の探知装置でカラクリミョーオーを呼んだ。

サエキ「シンゴーン!」

ワカマツ「ジョードー!」

ヌキナ「サン=ロータス!」

3人の声に巨大ロボット達が駆けつける。

赤い鷹  シンゴーン

青いワニ ジョードー

桃の象  サン=ロータス

3人は光になってロボットのコックピットに乗り込んだ。

ナンマイダー「「「仏具合体!」」」

三人がそう叫ぶと、三体の巨大ロボットが合体する。

ナンマイダー「「「カラクリミョーオー!フドーソン!」」」

パーフェクトリバティ伯爵「何ぃ!?」

巨大化した怪人シンニーと巨大ロボットが街のど真ん中で対峙する。シンニーが棍棒で殴りかかるがフドーソンはそれを片手で受け止めた。

パーフェクトリバティ伯爵「うぅ!なんてパワーだ!」

サエキ「ヌキナ!カルラファイヤーだ!」

ヌキナ「オッケー!まかせて!」

フドーソンの腕から火炎が放射されシンニーを包む。

たまらず、シンニーは炎を消そうともがく。

ナンマイダー「「「今だ!クリカラソード!」」」

三人が叫ぶとフドーソンの右手に龍をあしらった巨大な剣が握られる。

シンニー「!」

ナンマイダー「「「必殺!降三世明王斬り!」」」

フドーソンが光るクリカラソードを振り下ろす。

ズバァ!

シンニー「ぐわぁぁぁ!」

両断された怪人は爆散した。

ゴォォォン!

鐘を打つ音で時間の止まった世界がもとに修復されていく。

パーフェクトリバティ伯爵「これで勝ったと思うなよ!ナンマイダー!」モノアイのサイボーグは

空間に消えた。

フドーソンも消え。地面に降り立った制服の三人が並ぶ

。そして時は動き出した。

ワカマツ「さあて、バイトに行くかな。」

サエキ「ワカマツは夢を追わなくていいのか?」

ワカマツ「何いってんだ、マネジメントの勉強も夢の一つさ。」

ヌキナ「私は……バイトどうしようかなー?」

二人「えぇ~またかよ~。」

ヌキナ「うふふっ!冗談よ!」

三人は笑った。



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